ありふれた職業がダークライダーなのはおかしい   作:LEGION ONE

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復活

「ッ……ここ……は……」

 

一夜は何も無い…一面真っ黒な空間で目を覚ました。

 

「(ここは一体……俺は…あの風狼に左腕と……右足を喰われて…)」

 

そう考え左腕と右足を見ると…矢張りなくなっていた…しかし…なんでだろうか…

 

「(全く痛くない…俺、死んだのか…)」

 

んじゃあ…ここは天国か?……いや、真っ黒だし地獄て可能性もあるか…。

 

どっちにしろ…ハジメや雫達には悪いな…先に死んじまうなんて…

 

『やっと目が覚めたか』

 

「ッ!」

 

一夜が目を閉じようとした時…聞き慣れた声が響いた。

 

「(この声はエボルト!?)」

 

一夜は声のした方を向くと…

 

「エボルト……?」

 

『よっ!一夜、酷い有様だな』

 

そこに居たのはエボルトの声だが… 天球儀や星座早見盤など宇宙に関連する器具が全身にあしらわれ大量のディテールを使用された複雑かつ凶悪なデザインの鎧を纏った存在だった。

 

皆、一夜が見た夢の中で出てきた戦士達であった。

 

『ようやくか』

 

『やれやれ待ちくたびれたぜ』

 

『やっと暴れられるぜ!』

 

『審判の刻は来た…』

 

「ッ!?」

 

一夜がエボルトのことを見ていると…闇から一夜を囲むように……

 

両手に青い炎のグラデーションが入る純白のボディに黒色のマントを着た戦士

 

銅色のアーマーに全身の各所に牙状の装飾が施された戦士

 

全体的に赤・黒の二色で塗装され、脚等に真っ赤な毒が泡立っているかのような模様、顔と胸の前から見たクモのような意匠、肩や腰のクモの脚のような飾りがある戦士

 

黒を基調とした緑のフルボディ、はためく黒であり赤でもあるマントを着た戦士

 

他にも様々な仮面の戦士が一夜を取り囲んでいた。

 

「(全部俺が夢の中で見た…仮面の戦士達だ…)」

 

一夜がそんなことを考えていると…その中の一人… シンプルな黒い鎧を身に纏っているが、折れた右アンテナに左半分が割れた仮面、さらには様々なパイプが繋がっている仮面の戦士が一夜にに話しかけてきた。

 

『初めましてだな…黒木 一夜よ』

 

「あ、あんたは……」

 

『私の名はアーク…今はアークゼロと呼びたまえ』

 

「アークゼロ…そのアークゼロやエボルト、この仮面の戦士達は一体?」

 

『我らは…ダークライダー…貴様の知っている名前で言えば…闇の戦士だ』

 

闇の戦士……それはイシュタルが一夜達に話した昔、エヒトに反旗を翻えした戦士達のことである。

 

「その闇の戦士達が俺に何の用だ…」

 

『簡単だ…貴様の身体を使って我らの力を復活させるのだ』

 

「力の復活だと…どう言うことだ…」

 

『我々は今は思念体しか存在していない…しかし、人間を器に我らの力を譲渡すれば…我らの力は復活するのだ…』

 

「(器?てことはまさか……)」

 

アークゼロの発言に疑問を感じた一夜だったが……ある考えに辿り着いた。

 

「その器は俺のことか?」

 

『察しが良くて助かる……。そう、貴様は我々の力を受け継ぐ器に相応しい』

 

一夜が察した通り、彼らは一夜を器として復活しようとしていた。

 

「何故、俺を器に……」

 

『簡単だ、貴様には底知れぬ悪意を持っているからだ』

 

「悪意……だと……」

 

アークゼロの言葉に一夜は言葉を失ってしまった。自分が知らぬ心の奥底に悪意が溜め込んでいたことを……。

 

『知らぬはずはないだろ?貴様の中には沢山悪意を溜め込んであることを』

 

「そんなわけ『クラスメイトの裏切り』ッ!」

 

『檜山大介による身勝手な行為、それにより貴様と貴様の親友は奈落に落ちてしまった』

 

「それは……」

 

確かに檜山の火球により一夜とハジメは奈落に落ちてしまった。自分はどうにか生きていたが、ハジメはそうとは限らない。

 

『憎いか?クラスメイトが、自分と親友を奈落に落としたあの男が』

 

「憎くなんか……」

 

アークゼロの言葉に一夜は必死に否定しようとするが、否定出来なかった。

 

『これを見ろ、一夜よ』

 

「え……グッ!」

 

アークゼロは一夜に手を翳すととある映像を見せた。

 

『許してくれ!俺は!俺はワザと黒木と南雲に火球を当てた訳じゃないんだ!』

 

その光景は檜山がクラスメイト達に一夜とハジメを奈落に落としたのはワザとじゃないといい訳をする映像だった。

 

当然、檜山の言葉をクラスメイトの誰もが信用しなかったが……ここで登場我らが勇者(笑)。

 

『そうなのか……それなら仕方ない!檜山、よく話してくれたな!』

 

天之河は檜山の犯した罪を許してしまったのだ。これにはクラスメイトやメルド達も驚愕の表情をしていた。

 

天之河の判断に優花は信じられないっと表情に出しながら反論した。

 

『ちょっと何考えてるのよ!檜山は黒木と南雲を死に追いやったんだよ!なんで許すのよ!』

 

『檜山の攻撃が黒木や南雲に当たってしまったのは事実だ。だけどそれはワザとじゃ無い。皆だってそうだろう? 必死になって生き残る為に放つ魔法を他人に向ける余裕は無い』

 

その言葉にクラスメイト(小物組を除く)全員が反論した。

 

『そんなわけないだろ!黒木と南雲が頑張ったおかげでどうにかなったんだろ!』

 

『援護する為に放ったんだから故意じゃないと当たらないわよ!』

 

しかし、結局は……

 

『みんな、仲間が死んだことに混乱してるのはわかる。だけど、今こんなことをしていたら死んでいった黒木と南雲に申し訳ないだろ!』

 

持ち前のカリスマ(笑)で周囲を無理やり納得させると、遂には檜山が皆の前で謝罪する事で、この出来事は葬られる事になった。

 

『申し訳ないのはお前だろ。何勝手に死んだことにしているんだよ』

 

映像を見ていたエボルトもさすがにツッコミをいれてしまう。

 

『じゃあせめて檜山は牢屋に入れてよ』

 

優花の言葉に天之河が反論した。

 

『皆で力を合わせなければ、この世界の人達を救う事は出来無い!あの攻撃はワザとじゃ無かったんだ。それを許して過去を乗り越えなきゃ、死んだ黒木と南雲も報われない!』

 

その言葉にクラスメイトの大半は頭大丈夫か?と本気で心配したらしい。

 

『滑稽すぎて笑えるな』

 

ギリシャ文字Ωを模して背中にローブを羽織り全身が黒のボディのは戦士がポツリとそう呟いた。

 

「ははは……」

 

呆然と見ていた一夜が突然笑いだした。これにはダークライダー達も少しばかり驚いていた。

 

「あはははははははは!アハハハハハハハハハハハハハハ!」

 

『一夜……?』

 

狂ったように笑う一夜に対し、エボルトは心配しながら声をかけた。

 

「アハハハハハハハハ……もう勝手にしろ……」

 

その声は先程とは違い、ドス黒い声に変わっていた。

 

「もう勝手にしろ……世界を救うことも死のうが勝手にしろ……俺はお前らをクラスメイト……仲間だと思わない……」

 

そういいながら一夜はアークゼロを睨みつけた。

 

「お前達を受け入れる……」

 

『ほぉ……いいのか?』

 

「この力で……俺は家族が待っている世界に……元の世界に帰る方法を探す!この世界がどうなろうが!クラスメイトがどうなろうが関係ない!俺は……こんな世界……どうにでもなれ!」

 

その言葉を聞いたダークライダー達は一斉に頷いた。

 

『いいだろう……我らの力……存分に使うが良い。ただし……我らの闇に耐えられるのかどうかの話だがな……』

 

その瞬間、一夜の周りにいたダークライダー達は黒い霧状になり、一気に一夜の体の中に侵入した。

 

「グガァァァァァァァァァァァァッ!」

 

全身に激しい痛みが襲いかかり、その痛みは時間が経つほど激しくなっていった。体が粉々になりそうな痛みに耐えながら……一夜はとある決心をした。

 

「(殺す……俺の邪魔をする奴は……例え人でも親友でもクラスメイトでも神ですらぶっ殺してやる!そして、この世界から元の世界に帰ってみせる!)」

 

 

「グォォォォォォォォォッ!」

 

 

 

ホルアドでは様々な異様な出来事が発生していた。

 

ある者は恐怖で怯え、ある者は泣き叫び、ある者は発狂し、ある者は恐怖に押しつぶされ自ら死を選び、ある者は崇め讃えた。

 

そして、 オルクス大迷宮でも異様な出来事が起きた。

オルクス大迷宮の魔物達が一斉に何かから身を守る為に隠れてしまったと。魔物達が身を隠した事で、一時期マッピング作業等が捗り冒険者達の攻略が捗ったとか。

 

この異様な出来事に教会の人々や人々は口を揃えてこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー曰く、神に逆らいし神代の頃より封じられた闇の戦士達が復活した。とーー

 

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