オラクル船団がオラリオにやってきた   作:縁側

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短いですが、18階層到達まで


十話

 ダンジョン中層

 13階層から始まるその地帯は、最初の死線(ファーストライン)と呼ばれ、幾多の冒険者の命を奪っている。

 それはモンスターの強さもさることながら、そのモンスターが徒党を組んで襲い掛かっている所謂「怪物の宴(モンスター・パーティー)」と呼ばれる現象が、発生しやすいためであった。

 駆け出しを卒業し、新たな冒険を行うために訪れる数多の冒険者をその顎で食らい尽くさんとする階層である。

 そのような危険な階層を、3人の少女が1列に並んで進んでいる。

 先頭と中間を歩くのはエルフの小柄な少女、最後尾を歩くのはヒューマンの少女であった。

 そして階層は、新たな獲物が来たと喜び勇むかのようにその顎を少女たちに向けようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うん。

 13階層から一気にモンスターの数が、増えたような気がする。

 まぁ弱いんだけど……

 

 私達は、モンスターがいた場所に落ちている魔石を協力して拾っていた。

 理由は良く解らないけど、魔石を拾うのはマナーらしい。

 

 自分の周りの分を拾い終わった私は、改めてこの中層と呼ばれる階層を見渡した。

 

「穴ぼこだらけだね……」

 

「えーっと、穴に落ちたら下の階層にいけるらしいよ?」

 

 マトイも拾い終わったのか私の方へ近づいてきて、近くにある穴を覗き込んでいる。

 

「マスター、魔石の回収終わりました」

 

 トラも終わったようだ。

 

「それじゃ少し休憩しようか?ここまでずっとモンスター倒しながら来たし」

 

 ダンジョンのモンスターはある程度倒すと、再度壁から出てくるまでインターバルが出来るらしい。

 私は周りを見渡しモンスターの気配がないことを確認すると、そう提案し近くの岩に腰掛けた。

 

「しかし数だけはすごかったね」

 

「周りに冒険者の人が居ないから?」

 

 マトイも私のそばに座りつつ、周りを見渡してそういった。

 

 今の時刻は深夜である。

 なぜこのような時間にダンジョンに入っているかというと、朝にシャオに呼び出されたからであった。

 渡したダンジョンの環境データがやはり気になったらしく意見を聞きたいと言われ、私とマトイは一度オラクル船団へ戻っていた。

 といっても、今の段階ではあまり話せることはなかったんだけど……

 とりあえず調査は現状維持で、もし何かあった時はお願いねと言われた。

 それで戻ってきたら夕方だったので、ダンジョンの調査は明日にしようかと話したら、マトイは行きたかったらしく、夜中まで待ってダンジョンへ向かうとにした。

 

 まぁ、行きたかったのは私なんだけど……マトイが気を利かせてくれた様だ。

 

 そういえば、最近シャオの姿見てなかったから久しぶりに見たよ。

 

 

 

 暫く休憩をした後、私達は1階層ずつ降りて行った。

 

 途中幾度かの戦闘を繰り返し、17階層にたどり着いた。

 

 

 

 おおぉ、ここが17階層かぁ。

 それでこの他と違う色した大きな壁が「嘆きの大壁」っと。

 

 私は今までの階層と雰囲気の違う17階層をあちこち眺めながら歩いていた。

 この階層には、迷宮の孤王(モンスターレックス)である「ゴライアス」という巨人のモンスターしか居ないらしい。

 今はそのモンスターの姿が見えないってことは、誰かに倒されたのかな?

 ちょっと見てみたかったけど次の機会かなぁ。

 倒されると当分出てこないらしいし。

 

 私はもう一度「嘆きの大壁」を見つめ満足し、出口のトンネルへ向けて歩き出した。

 ちなみにマトイとトラは、先に出口の方へ向かっていた。

 私が「嘆きの大壁」をしばらく眺めていたいと言ったからだ。

 

 出口のトンネルの方へ向かうと、マトイとトラがトンネルの前で並んで待っていた。

 マトイはにこにことトラもどことな嬉しそうな雰囲気で、私を出迎えてくれた。

 

「ミケ、満足した?」

 

「うん。堪能したー」

 

 合流した私達は、当初の目的地である18階層へ向け歩みを進める。

 

 

 

 

 

 そしてトンネルを抜けるとそこには、ダンジョンの中であるにも関わらず緑あふれる広大な大地が広がっていた。

 

 

 

 

 

 うん。

 やっぱり情報で知るのと、実際に見るのとでは大違いだね。

 今は丁度日中の時間のようで景色は明るい。

 この階層にある水晶が時間によって発光し昼夜を作っているそうだ。

 本当、このダンジョンは不思議が一杯!

 

 

 

 私は景色を見渡しながら、資料に書かれていたこの階層の事を思い出していた。

 私達がいる場所は、南側で森林地帯が東側まで広がっており、北側には湿地帯、そしてリヴィラの街は西側の湖に囲まれた島にあるらしい。

 マトイも目の前の景色を見て目を丸くしている。

 トラも不思議そうに周りを見渡していた。

 

「すごいね。まるで外にいるみたい」

 

「座標は地下を示しております。しかしながら目の前は地表にしか見えません」

 

 私は二人を見ながら、この感動を共有できる仲間と居れて嬉しかった。

 オラクルでの冒険でも、また違った不思議な場所を目にしてきたが殆どの場合1人だった。

 最初の内は興奮した……しかしその内楽しさと虚しさという、二つの感情がごちゃ混ぜになるという何とも言えない感覚に陥っていた……

 

 しかし今は楽しいと嬉しいという感情になっている。

 やっぱり、冒険はみんなでやるのが一番!

 ミケは改めてそう思うと、少し後ろに下がり目の前に広がる景色をバックに2人の姿をその目に映した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからミケ達は、一度拠点へ戻ることにした。

 疲れはそれほどないが、折角のいい場所であるため時間を掛けて見る準備と、他の人達(アークス)とも共有したいという思い、後単純に18階層が想像以上に広く3人では調査しきれないと判断したためである。

 

 オペレーターを通じ調査隊を編成して貰うよう要請をしたあと、マトイの一声でまたもや湯船に身を委ねている。

 

 

「うーん。マトイ?これって毎回やるの?」

 

「当然だよ!ダンジョンから出たら皆でお風呂、これからの習慣だよ?」

 

 マトイの言に、ミケは何とも言えない表情でにこにことこちらを見ているマトイを視界に収めていた。

 

 

 

 ……ふふ、マスターとお風呂はここに来てからが初めてでしたが、良いものです。

 

 トラも満更でもない様であった。

 




18階層は、原作でもいろいろ書かれているためじっくりと周りたいと思います。
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