オラクル船団がオラリオにやってきた   作:縁側

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遅くなりましたが、12話目です。


十二話

18階層が明るくなり、私達は野営の片づけをした後、北東に設置中の基地へ向けて出発した。

私とマトイは結局、ずっと天井をみて過ごしていた。

トラはというと、火を起こしたり、飲み物を用意したり、と私達の世話をしてくれた。

最初は、手伝うよと言ったんだけど、頑として拒否されてしまった…なんでも私の世話はトラの仕事らしい…

トラの初のわがままということで、お任せすることにした。

うん、すごく快適でした…

で、今はトラのナビに従い、基地目指して移動中。

 

的確にモンスターを検知し避けながら進んでいるので、モンスターに遭遇する事もなく無事に、基地予定地へ到達した。

 

基地予定地では、沢山の人達が忙しく作業を行っていた。

昨日見た時より人が増えているということは、先に転送装置つけたのかな?

私は、基地の担当になっていた人を探して話を聞いてみた。

なんでも、ダンジョンのフォトン量が多いため先にこちらを完成させるべく、今建造中のベース基地から人を引っ張って来たそうだ。ベース基地の方は、ある程度の機能があるので、後回しにしたらしい。

確かに、ここのフォトンが使えるようになれば、後々楽になる。

基地の順番としては、理にかなっているのかな?

建設作業をしている人たちとは離れて、武器を手に巡回している人達もいた。

ベース基地で見かけた防衛隊の人だったので、ベース基地のことについても聞いてみることにした。

ベース基地は、最初の襲撃以来、平和そのものだそうだ。

それに、オラクル側からも増員が来ているため、この地での戦闘に慣れている防衛隊の人が、増員された人達と入れ替わり、こちらに来たそうだ。

私達も、巡回の手伝いをしようと提案したが、手は足りているそうなので、自由にしてくださいと言われた…

 

「どうしよっか?他の調査隊の人達の所にいってもいいけど。」

 

他の調査隊の人達は、アキさんと同じのりの人達だから振り回されそう…。

 

「基地の建築も調査の方も任せられそうだから、一度戻る?」

 

私が悩んでいると、マトイがそう提案してきた。

 

「19階層以降の調査方針もありますし、戻られるのがよろしいかと。」

 

トラも戻ることに賛成の様だ。

 

確かに、19階層以降の調査は、ジョージに相談が必要だろう。

 

「それじゃ、一旦戻ろっか。ここからならベース基地に直接行けるし、ついでにジョージに報告しておきましょ。」

 

 

 

 

 

ジョージは、ミケ達からの報告を受け今後の方針について悩んでいた。

オラリオの調査において、特にダンジョン調査で、いずれは探索系ファミリアとの接触は、必ずあるだろう。

 

「流石に、いきなり排斥にでるとは考えにくいが…」

 

アークスは、オラリオにとっては現状部外者である。そのためちょっとしたことで排斥される可能性もある。現在は、商業系…特に食料など必需品を取り扱うファミリアとの交流を積極的におこなっており、人員も派遣している。そうやって、この世界の住人達に、アークスが有用な存在であると、認識を広めていく様にしているが…

 

「とはいえ、結局物を言うのは武力か。」

 

以前オラリオの有力なファミリアが、遠征に失敗し有力な人員を失ったそうだ。そこから今まで黙認してきた他のファミリアが、排斥行動を起こし、結果オラリオを追放されたそうだ。

そのため、ある程度の武力を示す必要があると考えられる。

 

「しかしなぁ…」

 

ジョージは、ある報告書を手に取りため息をついた。

アルテミス・ファミリアと防衛隊との模擬戦闘訓練の報告書である。

戦闘部と教導部へ現状の能力を報告するため、行われたものである。

 

まず近接戦

アルテミス・ファミリア  アークス(第2世代)

〇 主力陣のメンバー   × 一般クラス

△ 主力陣のメンバー   △ 隊長クラス

× 主力陣のメンバー   〇 指揮官クラス(ジョージ)

△ セレーネ       △ 指揮官クラス(ジョージ)

 

「彼女達強かったなぁ…」

 

ジョージも測定のため駆り出されていたが、セレーネと引き分けになっている。

アンタレス戦では不覚を取っていたようだが、あれは数に押され、連携がうまく取れなかったためであろうと予測できる。

 

次に中距離戦

中距離戦では、アルテミス・ファミリア側が弓、アークス側は、弓使いがいなかったため銃となっている。

アルテミス・ファミリア  アークス(第2世代)

△ 主力陣のメンバー   △ 一般クラス

× 主力陣のメンバー   〇 隊長クラス

△ セレーネ       △ 隊長クラス

 

ジョージは、第2世代であり近接の適正しかないので、見学である。

今回は特殊な模擬弾を使用しており、肉体にあたった時どの程度肉体にダメージが入るか測定できるようになっている。勿論、実際に肉体へのダメージが入ることは無い。

まず銃撃は、躱せないようだった。弾が見えなかったという話だ。

特殊弾の測定結果では、肉体ダメージは、期待できる数値ではなかった。

精々が足止め程度であろう。

弓の攻撃については、アークス側にも弓があるため、こちらは十分対処可能であった。

 

最後に遠距離戦について

此方は、VR訓練所とこの世界の魔法についてのサンプリングが必要なため、遠距離戦(魔法戦)の模擬は、現状無理である。そのため、この世界の魔法とテクニックの違いについて纏めてある。

 

魔法

詠唱が必要で、長いほど威力が高い。

先天的に使用できる種族が使用する。

後天的に使用できる者もいるが非常に少ない。

1人当たり多くても3種類までしか使用できない。

 

テクニック

詠唱不要、但しフォトン制御に多少時間が必要。

種類により、威力が変わる。更に、使用者の能力により威力が変わる。

第2世代では、適正者のみが使用可能。

種類は、攻勢用、補助用、回復用で複数ある。

 

魔法については、サンプルが少ないため大した情報は得れていないが、汎用面ではテクニック、威力では魔法が強くなるのかもしれない。

 

アルテミス・ファミリアの強さが、どの程度の位置にいるかは不明であるが、十分な脅威と認識できる。

更にそれ以上の強さがあるという、オラリオのファミリアと対峙する事になった場合は、現状の戦力では対処不可であろう。

 

「まぁ、A.I.Sを出せばこっちが有利だろうが、それは本末転倒だからなぁ…」

 

A.I.Sは、対敵性生物(エネミー)用である。

それにそんなものを出してしまったら、それこそこの世界の人達に、排斥されてしまいかねない。

A.I.Sは、ベース基地に配備されてはいるが、現状ジョージの許可なく使用出来無いよう封印をしてある。

 

「まぁ、それでも守護輝士(ガーディアン)達なら何とかしそうだが…」

 

ジョージは、そこまで考えて、一旦考えをリセットした。

確かに直接対決となればそうなるだろうが、我々は争うために来たわけではない。

あくまで、友好的な交流を行うためである。

 

「そういう意味では、地球は楽だったな。」

 

地球では、アースガイドという組織のみと交流をしている。

アースガイドが、地球の主要な国とパイプがあるため、アークスとしては、アースガイドと交流すればおのずと、地球全体との交流となっていた。

 

オメガ世界は、特殊な状況であったため除外するとしてやはり龍族との交流時の様に、こちらの有用性を全面的にだして認知してもらうしかない。

 

「この品々が、我々の価値を示す試金石となってくれればいいが。」

 

ジョージの目の前には、大小様々なものが置かれている、フォトンで動作する者を魔石を代用して動作可能にした物の試作品である。

この中から、現状オラリオに無いもので、この世界に劇薬とならない物を選び、売り出す予定である。

 

ジョージの仕事と悩みは、尽きることがない…

 

 

 

 

 

 

 

 

第xxx獣耳定例会

諸君、現在我々が出向している先の神についてだが…

 

…あーデメテル様だっけ?巨乳の

 

…おっぱい大きい神様だね

 

…俺は、もう少し小さい方が好みだな

 

…その、デメテル様に獣耳をつけるとしたら何が似合うと思う?

 

ガタン

皆が一斉に立ち上がった。

 

…そうか、我々は獣人族の皆さんの調査に目が行ってしまいがちだったが、本来は獣耳を広めるための活動がメインだったな!

 

彼らは、最初に見かけた女性アークス(きつね耳)からの衝撃により、獣耳を全アークス(当時は意識していなかったが、女性アークスのみ)にを信条としていた。

 

…あぁ、それでオラリオに居る獣人族の皆さんの調査は継続するとして、本来の我らの目的の範囲を広めてみるのも良いかなと思い、まずは娯楽が大好きというこの世界の神に、アプローチをしてみようと思ったんだ。それでまずは身近なデメテル様だ!

 

…それで?そういうことを言うのであれば、持論はあるのだろう?

 

…無論だ!デメテル様はおっとり巨乳!であればきっと、犬耳(たれ)が、似合うはずだ!

 

…ふむ、一理あるが、俺はきつね耳も捨てがたいと思う。

 

…いやいや、ここはやはり、ねこ耳だろう!

 

…ねこ耳は、巨乳向きじゃないだろ!

 

…うさ耳(たれ)

 

彼らの会議は白熱していた。

とても罰当たりな気もするが、彼らに悪意は無い。あくまでもどの獣耳が似合うかを話し合っている?だけだ。

 

…なかなか意見が纏まらないか。

 

…それじゃ試しに、今出たものをデメテル様に付けてもらうってのはどうだ?

 

…それを以前、アークス内でやろうとして散々な目にあっただろう?

 

彼らは、以前女性アークス達に獣耳の素晴らしさを説いて周ったことがあった。

反応は、殆どの場合は白い目で見られ、少なくない罵倒を浴びせられている…

一部友好的な人もいるがごく少数であった…ちなみにその人達とは「獣耳フレンド」として今も交流がある。

 

…では獣耳を送り付け、反応をみるか?

 

…いや、流石にそれはまずいだろう?

 

…ではどうする?

 

…さりげなく獣耳アクセを近くにおいて、様子を見るってのはどうかと思うんだ。

 

…そうだな。それでいってみるか!

 

…では各自、明日から押しの獣耳を持参して、デメテル様を見かけたら近くにそれを置いて反応を見るように!

 

 

 

デメテルは、最近大口の取引先が出来たため、非常に忙しい日々を送っていた。

しかし、その大口の取引先相手より手伝いと称して、人を派遣して貰っているので助かってもいたが…最近その人たちが、自分を目にすると、懐から獣人族の耳を模したアクセサリ?を出して、自分に見せつけるように、近くに置いて立ち去り、こっそり私の様子を覗っていた…

デメテルは、彼らの行動に暫く頭を悩ませることになる…

 




アークスVSダンまち冒険者としては、こんな感じにしてみました。
あくまでタイマン勝負の場合です。
集団戦になるとまた変わってくるかと思います。
セレーネ達は第2級冒険者なので、そこまで一般アークスは弱くはないはず?
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