私は、セレーネ・セリニ。
セリニの街の長を代々受け継ぐ家系に生まれました。
そして【アルテミス・ファミリア】の団長を拝命しています。
第2級冒険者で、得意武器を弓、二つ名は【
アルテミス様との出会いは、私が15歳の誕生日の時のお祝いの席で、初めてお会いしました。
その美しい容姿に一目……失礼、その凛とした佇まいと、自然と調和して生きていく在り方に感銘を受けました。
次の日には、【ファミリア】の門を叩いておりました。
その後は色々ありましたが、無事アルテミス様のお傍に常に居れる……失礼、団長の座を拝命することが出来ました。
【アルテミス・ファミリア】はオラリオ外にある、未婚女性のみの【ファミリア】です。
普通オラリオ外の【ファミリア】は、良質な
ですが私達の【ファミリア】は、ギルドより特殊な任務を受けております。
それは、アルテミス様が太古の時代に封印した魔物の監視任務です。また、こちらはついでですが、三大冒険者依頼に代表されるような凶悪なモンスターの早期発見任務も有ります。
何を隠そう、先々代の団長達が
その様な事もあり、私達の【ファミリア】はギルドで優遇されております。優遇内容としては、オラリオ外の【ファミリア】でありながら第2級冒険者までの強化をダンジョンで行う事が可能となっております。それとダンジョンでの金策も。
そのため、オラリオ外の【ファミリア】の中では、私達の【ファミリア】は上位に位置するものと自負しております。
ある日、アルテミス様が凶悪なモンスターであるアンタレスの復活を予見し、封印した場所へ向かうとおっしゃられました。
私は、第2級冒険者のみの主力メンバーを招集し、アルテミス様と共に封印の地……エルソスの遺跡へ赴きました。
エルソスの遺跡は地獄でした。
アンタレスは既に復活しており、無数の眷属を召喚し私達に襲い掛かってきました。
眷属はそこまで強くないので、最初は何とかなるかも?と甘い考えを持っておりましたが、数が尋常ではありません。
私達は徐々に孤立され、とうとうアルテミス様からも離されました。
そうしている内に、アルテミス様の下に巨大なモンスターが現れました。
あれが、アンタレスなのでしょう。
アルテミス様に凄まじい殺気を放ちながら、アルテミス様へ向かっていきます。
私は必死にアルテミス様の下へ向かおうとしましたが、次々に襲ってくる眷属に阻まれ、アルテミス様の下へ向かうことができません。
無尽蔵かと思われる程の眷属を前に、私達の仲間は一人、また一人と眷属に倒されていきました。
アルテミス様もアンタレスを前に傷を負い、不利な状況となっております。
これはいけません。私は死を覚悟しました。
せめてアンタレスに一太刀と思い、アンタレスへ向かおうと無謀な突撃を敢行します。
しかしこの思いは届かず、眷属に背中と足をやられ動けなくなってしまいました。
私は最後に一目……とアルテミス様の方を向いた瞬間、想像を絶する力の奔流がアンタレスへ向かっているのが見えたのを最後に、意識を失いました。
私が気が付いた時、全身を包帯と添え木で固定され、動けない状態となっていました。
私は周りを見渡すと、私の仲間達も同じような状態になっているのを見つけました。
体を動かそうとすると、激しい痛みが襲ってきます。
私はアルテミス様の姿を探しましたが、この場には居ない様です。
私は焦燥感と、最悪の事態を想像し必死に体を起こそうとしました。
その時、部屋の中に白い服を着た女性が入ってきました。
その女性は、私が必死に体を動かそうとしているのを見て慌てて私に近づき、私を押さえつけます。
「今は安静にしてください、怪我に響きます」
その女性はそう言って、私を落ち着かせようとしております。
私はアルテミス様の無事を確認出来るまではと、体を動かしアルテミス様の安否を尋ねました。
「アルテミス様!アルテミス様はご無事なのですか!?」
私がそう尋ねると、その女性は私を安心させるように、ゆっくりとアルテミス様の安否を伝えてくれました。
「アルテミス様はご無事です。今は別室で治療を行っております」
私はその言葉を聞き、落ち着きを取り戻しました。
私は今の状況が分からないため、その女性に説明を求めました。
その女性の説明によると、アルテミス様と私達は女性の仲間に助けられ、怪我の治療のためこの場にいることを教えてくれました。
それとアンタレスは、その仲間の人に倒されたそうです。アンタレスの眷属も、アンタレスが倒されたと同時に消滅したと。
私は直感的に、この女性が本当の事を言っていると悟り、安堵しました。
女性にお礼を言い、私はアルテミス様の傷の治りが早くなるよう祈りました。
そして私も傷を早く治し、アルテミス様の下へ馳せ参じなければと考え、早々に眠ることにしました。
それから、治療を受けつつ数日を過ごしている間に、仲間達が一人また一人と目を覚まし、私が行った行動を順番に行っていました。
流石私の
私はその度に、目を覚ました
そうして過ごしていたある日、アルテミス様が私達を、私達のために、私達を心配して、わたしたt(y……訪ねて来てくれました。
私達はアルテミス様の無事な姿が見れて、改めて安堵しました。それから私達の不甲斐なさをアルテミス様に詫びました。
アルテミス様は
私達はアルテミス様が無事であれば、その様な事は些末な事と切り捨てました。
アルテミス様は近いうちにオラリオへ赴き、私達のために
私達は感激しました。
もし体が動けば、私達にもみくちゃにされ少し涙目になっているアルテミス様を拝むことが出来たでしょう……少し残念です。
アルテミス様が訪ねて来てくれてから更に数日が経過しました。
アルテミス様は、現在オラリオに
私達はアルテミス様に会えない寂しさを紛らわすため、アルテミス様との思い出話に花を咲かせていました。
私は団長権限を使い、アルテミス様と2人きりで旅をした事があります。その時にアルテミス様は、その天然ぷりを発揮しよく失敗をしておりました。その時の涙目になったアルテミス様を慰めた時の事を皆に自慢していると、誰かが訪ねてきました。
尋ねてきたのは、暫く会えないと思っていたアルテミス様とそしてなんと、
ルーナにこのような姿を見られるとは……後で何を言われるか分かりません。
ルーナには、私達が苦手な【ファミリア】経営を任せております。その関係で団長である私もルーナには頭が上がりません。そして今回の失態です。
私がビクビクしながらルーナの様子を見ていると、アルテミス様から
アルテミス様達が旅立ったのは確か昨日のはずです。とてもオラリオに行って帰れるとは思えず私も含め驚いていると、アルテミス様からここの人達──『アークス』というらしいです──に物凄く早い乗り物を用意して貰い、2日で帰ってこれたとのことです。なんとも驚きですが、現にアルテミス様は
各自1本づつ
私は半分服用し、ある程度痛みが引き動けるようになると、体に巻かれている包帯や添え木を取り外します。そして傷跡に残りのエリクサーを振りかけていきます。手が届かない所はルーナが手伝ってくれました。
「団長と皆様、今回は随分と大変な目に会いましたね。詳細はアルテミス様から伺っております……本当に無事で良かったです」
ルーナは瞳に涙を浮かべつつそう言ってきた。
私達はてっきりルーナには嫌われていると思っていた。面倒な雑務をすべて押し付けてよく呆れられていたからだ。でも、今回の件で嫌われていないことに安堵した……今後はルーナにも気を掛けようと心のメモに書き記した。
アルテミス様も私達の前に来て、皆が元気になって良かったと涙ながらに仰りました。
私達は、改めてアルテミス様とルーナに感謝をしました。そしてアルテミス様に怪我を負わせてしまうという、自分たちの不甲斐なさを改めて詫びました。
今回は、『アークス』の人達に助けられましたが、次も同じようなことがないとも限りません。私は自分の力が及ばないため、アルテミス様に怪我をさせたことに悔しさを滲ませていると、アルテミス様から声を掛けられました。
「私の可愛い子供達よ!今以上に強く成りたいか?」
アルテミス様の言葉に、私達は一も二もなく頷きました。
私達はダンジョンでこれ以上の強化は、ギルドとの契約上出来ません。他の方法があれば是非と、私達もアルテミス様にお願いをしました。
アルテミス様は、『アークス』にお願いをしてみようと仰りました。
『アークス』にはミケとマトイという、アルテミス様と私達を救出し更にアンタレスを倒した猛者が居るとの事。
直接の師事は無理かもしれないが、その様な猛者がいる組織ということで私達の糧になるかもしれないと、アルテミス様は仰りました。
私はそういう事であれば全員で赴き、お礼とお願いをしたいとアルテミス様に言いました。
お礼とお願いをしに、『アークス』の人達がいる建物に向かうとそこには、件のミケ様とマトイ様が居ました。
ミケ様は、小柄でとても可愛らしく思わず抱きしめて頬ずりしたくなるような容姿をした、エルフの女の子でした。とてもアンタレスのような強大なモンスターを倒せるようには見えません。しかし、アルテミス様は確かにアンタレスを倒したのは、ミケ様であると仰られておりました。
私はまだ、相手の力量を測れるほどの修練を積んでいないため分かりませんが、きっとミケ様はお強いのでしょう。
マトイ様は、ヒューマンの少女で癒し系のオーラが漂っていました。話をしていても心が癒されました。
その後、私は【ファミリア】を代表してミケ様、マトイ様へお礼を言い、アルテミス様は私達を鍛えて欲しいとお願いをしました。
返事は保留となりましたが、ミケ様が模擬戦をしてくれると提案をしてくれました。
数日後、ホームへ帰った私達はミケ様と模擬戦を行いました。
しかしミケ様は、
まずは、という事で1対1の模擬戦を行いました。
私は様子見と言う事で軽く攻撃を仕掛けましたが、私の攻撃は全てカウンターとして返されてしまいます。
攻めあぐねていると、ミケ様の方から攻撃を仕掛けてきました。私はミケ様の攻撃を見逃すまいと、五感を研ぎ澄まし構えていましたが無駄でした。気が付いたらミケ様の攻撃で打ち抜かれておりました……
ミケ様は暫く考えた後、今度はカウンターはしないから打ち込んできて!と仰られました。
私はそれならばと胸を借りる気持ちで思いっきり行くことにしました。私の全力の攻撃を受けたミケ様は、首を傾げながら全力で攻撃してね?と仰られました……
そこで私の自信は粉砕されました。
私はその場にへたり込み、今までの修練は何だったのだろう?と自問自答していました。
その様子を見ていた他のメンバーは、私を追い抜くチャンスとばかりに、ミケ様へ模擬戦の申し込みをしていました。
そして他の皆も漏れなく私と同じ状態となってへたり込んでいます。
ミケ様は首を傾げながら、軽くやっただけなのになんでだろう?と首を傾げています。
あれで軽くとは一体どれだけお強いのやら……私はミケ様を眺めながら黄色くて温かくモフモフとした毛並みの鳥?を撫でておりました。
周りを見ると、私と同じように他の者も鳥を撫でております。
その様子を見たミケ様は、なんとも言えない表情になって明後日の方向を向いてぶつぶつと呟いています。
暫くその鳥を撫でていると、私の心の中にある闘志が再燃していくのを感じました。もしかしてこの鳥が私の砕けた心を癒してくれたのかも?そう思い撫でていた鳥に礼を言うと、歌うような声で返事をしてくれました。
その瞬間、私の心はこの鳥への感謝で一杯となりました。これでまだミケ様へ向かっていける!
私はミケ様に再度模擬戦を申し込もうと近づくと、ミケ様の呟きが聞こえて来ました。
……なんで私が模擬戦とかの相手をするとラッピーが湧くんだろう?今度エンペ・ラッピーを問い詰めて見ようかな?
この鳥はラッピーと言う名前のようです。
私はラッピーを再度感謝を込めてひと撫ですると、ミケ殿に再戦を申し込みに行きました。
キャラが壊れているのはご愛敬です。
2021/2/13追記
見やすさの改定及び内容について増量しております。