英雄の弟は侍である。   作:霜月優斗

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連続で行くぞォ!


お風呂上がりの牛乳は格別

 僕とクラインが仲間たちと合流してから今日の宿屋を探して数十分。

 そこは少し入り組んでいるが、始まりの街の中でも割と大きめの宿を見つけたのでここをキャンプ地とする。

 まぁキャンプではないけど。

 

「はー生き返るぅ、ベッドがあるだけでも気が安らぐってもんだぜぇ……」

 ふぁああ、とやや疲れたようにあくびをこぼすクライン。そりゃあ本来程よい所でログアウトして頼んでいたピザを食べる予定がログアウト不可、ゲームで死ねば現実の自分が死ぬという反則もいいところのデスゲームに巻き込まれたのだから。

 

「そうですね……僕も少し疲れました、確かこの宿はお風呂が完備されてるらしいのでもう少ししたら入らせてもらってもよいですか?」

 この男、実はお風呂が好きなのである。

「お、風呂あんのか! 俺も入っていいか?」

 とユキトに聞いた巨漢の男の名はカル―。クラインの仲間で少し前にユキト達に合流した男だ。

「もちろんいいですよー」

 カル―さん、クラインさん仲間らしいけどどんな人なんだろう、と僕は少し気になりながらカル―さんとお風呂に向かったのでした。

 

「「おお……!!」」

 風呂場の戸を開けるとこの世界だからこそあるのだろう露天風呂があった。なにこれ凄すぎる。

「イヤッホォォォ!!」

 ざぶーん、とテンションがぶちあがったカル―さんが水飛沫と共に露天風呂に華麗なダイブを決めたのでそれに続こうとも思ったけど流石に一応身体を流してから入ろう……

「はぁぁいい湯だぜぇ、やっぱ風呂はこうでなくちゃなぁ!」

「そうですねー、僕もこういうお風呂は大好きです」

 頭にタオルを乗っけてぼんやりと(そら)を見つめながら言う。実際に風呂に入っているわけではないというのに、なぜこんなにも暖かいのだろうか。今の僕にはよく、わからない――。

 

 ユキトがぼんやりと考えているとカル―は不思議そうに問いかける。

「そう言えばユキトくんはなんでこのゲームを始めようと思ったの?」

 カル―からすれば何故中学生ぐらいの少年がこの世界、SAOを購入できたのか不思議でならない。ユキトはしばし思案し、重い口を開いた。

「……親戚にSAOの開発を手伝った人がいまして、そのつてで貰いました。本人曰くちゃんと店頭で購入したらしいです」

 なるほどな、とカル―は頷く。普通に考えればそうなるよなと心の中で深く納得した。

「ほうほう、となるとこう言うRPG的なゲームは好きなんだ?」

「まぁ、そうですね。ロボット系のゲームも興味はあるんですがこの状況じゃ買えないですから……」

 あはは、と少し乾いた笑みを落としながらカル―さんを見る。

 カル―さんには待っている人はいるのだろうか。

 僕のような異常な家庭とも言えない関係とは違って、家で彼の帰りを待つ人だっていたのかもしれない。

 だからこそ、僕は知りたい。

「そう言えばカル―さんは恋人と言いますか……そういう関係の人っているんですか?」

「まぁ……いるにはいる。ずっと寝たきりだけど。

俺の彼女は植物状態に近くてな、かれこれ一年はそのまま。いつ起きるかも、いつ死ぬかも解らない。だから……ホントは一刻も早くこの狂ったゲームを終わらせて彼女に会いたい」

 カル―さんは決して出るわけがないが、血が出そうなぐらいに拳を強く握って教えてくれた。

 益々あのクソジジイをぶん殴らなくてはいけなくなったなと思う。

「そうですね……僕も、会いたい()()の為に頑張ります」

 あの形を()()と呼べるかは別だけれどね。

 

 あれから他愛ない話をしていると思い出したようにカル―はユキトに質問した。

「そういや、ユキトは好きな食べ物とかあるか?」

「藪から棒ですね…ハンバーグオムライスが好きですね、甘いものならパフェとか羊羹かな」

「ふむふむ……なるほど了解したぜ、いつか誕生日に作ってあげよう!」

 その時、ユキトに電流走る。

 料理、料理といったか?まじかよまじかよ……!この世界は料理のスキルもあるのか、取るしかねぇ。

「ほほう……僕も料理スキル取るつもりだからその時は対決しましょう?」

 二ッと笑いながらカル―さんに言う。

「うぃ~だろう~相手になってやろうじゃないか、楽しみにしてるぜ」

 そうしてユキトとカル―が握手すると、「おーいそろそろ交代してくれ~」と脱衣所の扉から急かすクラインの声。

「……そろそろ上がろう」

「そうですね……いい湯でした」

 まだかーと急かすクラインの為に僕らは風呂から上がった。

 

 そして風呂上がりといえば……!!

「ぷふぁあぁぁぁ!!風呂上がりのミルクは最高ですね!!」

 そう、風呂上がりに飲むミルクは格別なのだ、異論は認める。

「お、そうだな。うめぇよな風呂上がりの一杯」

 そう言いながらミルク瓶をぐびっとなしている、いい飲みっぷりだなぁ……向こうが年上だからこういう風に思うのは失礼な気もするけど。

 この後カル―さんは部屋着に着替えてお風呂の時よろしく派手にダイブして速攻で眠りに落ちていた。

 

 

 時刻は夜の九時半。

 部屋着に着替えベッドに座り込み考える。

 明日からはどうしようか。とりあえずまずメンバーのレベル上げをして、資金を貯めて……やることが……やることが多い。

 頭を抱えながら考える。クソジジイがしたことの始末を取るためには、できらだけ多くの人々を()()()()()()()()()()

「どうしたんだ新入り、聞けることなら聞くぞ?」

 そう言って近づいてきたのは黒髪と特徴的な顎髭がトレードマークのアクトさん。

「実は……」

「なるほどね、これからのレベリングと資金集めか……レベリングはともかく、資金に関しては俺らに任せてくれ、策があるから。」

「わかりました……また詳しい話は翌日に」

 

 アクトさんが言う策とは何だろうか……?それはまた追々聞けばいっか。

 それから程なくして眠気にあらがえずにまどろみの中に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




クライン以外の風林火山メンバーは資料が少なすぎるのでオリジナル設定組み込みました()

文字数は今のままでよき?

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