ポーランド侵攻は、1939年9月1日にドイツ国、及びドイツと同盟を組む独立スロバキアが、続いて1939年9月17日にソビエト連邦がポーランド領内に侵攻したことを指す。ポーランドの同盟国であったイギリスとフランスが相互援助条約(ポーランド・イギリス相互援助条約)、(ポーランド・フランス相互援助条約)を元に9月3日にドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が始まった。
第二次世界大戦開戦4日前の8月31日、弌華はベルリンにいた。
「それではエル、いってきます」
「はい。御武運を」
弌華はエルと包容を交わして家を出た。既に家の前には迎えの車が到着していた。
エルとはエルフリーデの愛称である。弌華とエルは店で話している間に仲良くなり、弌華が気付いたときにはなし崩しに一緒に暮らしていた。その際エルの父親と一悶着有ったが無事解決して今に至る。
「いや、驚きましたよ。まさか少尉殿が友人通り越してあんなに早く彼女さん持つなんて」
運転手の人はドイツ軍のなかでも弌華の事を知る数少ない人物だ。話によると、彼とヒトラーとDr.ソフィーとで弌華が8月末までに何人友達が出来るか賭けていたらしい。
「彼女?……まぁ端から見たらそう見えるのかもしれませんね」
二人は他愛無い会話をしながら市街地を走った。二時間程でヴェーアヴォルフの拠点となっているU-1基地に着いた。既に隊員は弌華を覗いて全員揃っていて、機体の調整や作戦の確認などをしていた。
ドイツ軍の計画ではポーランド侵攻はこのように行われる手筈だ
白作戦は三方向からポーランドを侵攻することになっている。ドイツ本土からポーランドの西国境を突破する主力攻撃。これはゲルト・フォン・ルントシュテットが指揮する南部軍集団がドイツ領シレジアと、モラヴィアおよびスロバキア国境から攻撃する。ヨハネス・ブラスコヴィッツが指揮する第8軍はウッチ市へ向け東進、ヴィルヘルム・リスト将軍の第14軍はクラクフ市へ向けて前進しポーランドのカルパチア山系側面を迂回、そしてヴァルター・フォン・ライヒェナウが指揮する第10軍は南部軍集団の装甲師団と共に中央に進撃する。
北部軍集団はフェードア・フォン・ボックが指揮する。ゲオルク・フォン・キュヒラー将軍の第3軍は東プロイセンから南進し、ギュンター・フォン・クルーゲ将軍の第4軍はポーランド回廊を横切って東進。
第3の攻撃は南部軍集団の一部と同盟した独立スロバキア軍がスロバキアから攻撃。ポーランド国内では開戦前に第五列であるドイツ系住民の自衛団の各部隊が陽動作戦や破壊活動を行いポーランドに侵入するドイツ軍を支援する手筈だ。
全ての強襲部隊はワルシャワに向かって進軍し、その過程でポーランド軍の主力部隊はヴィスワ川の西で包囲殲滅されることとなっている。ヴェーアヴォルフは本土から出撃し、敗走するポーランド軍と英仏に逃げ込むであろうポーランド軍を殲滅することとなっている。
1939年9月1日午前5時
「艦長、攻撃開始時刻になりました」
「うむ。主砲発射用意せよ。目標、自由都市ダンツィヒ」
「目標自由都市ダンツィヒ。1番2番目標に照準合わせ!」
「諸元入力完了!照準よし!」
「撃てぇい!」
「てぇー!!」
ドイツ海軍の前弩級戦艦「シュレスヴィヒ=ホルシュタイン」が自由都市ダンツィヒのヴェステルプラッテに駐屯するポーランド軍守備隊に対し艦砲射撃を始めた。
ドイツ空軍が引き続きポーランドの各都市を爆撃するとともに、ドイツ陸軍はポーランド国境の西、南、北の3方から一斉に進撃を開始した。
「主砲装填完了!いつでも撃てます!」
「目標、前方の敵機甲部隊部隊、撃て!」
陸上でもドイツ軍のⅢ号、Ⅳ号戦車による砲撃が始められていた。ポーランド軍も突然の攻撃に混乱状態に陥りながらも攻撃を続けるが殆どの兵器が旧式同然のポーランド軍に対し、ドイツ軍の兵器は戦闘機から戦車のどれをとっても最新鋭機なので性能差はいかんともし難く、徐々に追い詰められていった。
一方その頃ポーランド首都部でドイツ系住民による暴動が一斉に行われていた。ポーランド軍は侵攻してくるドイツ軍と国内の暴動両方に対応しなければならず、国土を守るため分散させていた兵力がさらに分散された。それにより、各地でドイツ軍の猛攻に耐えきれなくなった部隊が次々と敗走し始めた。