大日本帝国から日本国へ   作:紫雷電

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第八話 戦争終結

1939年8月

 

現在、日蒙戦争の発端となったノモンハンでは日本とソ連の間で会談が行われていた。ドイツのポーランド侵攻にソ連も参加するため、日本とモンゴルとの戦争に加担する暇が無くなったためだ。そのためソ連はモンゴルから手を引き、日ソ中立条約を締結した。そして同日中にソ連の兵力の殆どが引き上げられ二日後に日本軍はモンゴルの首都ウランバートルに侵攻。圧倒的な兵力差を持って同地を制圧して降伏勧告が行われた。1939年8月1日にモンゴルは降伏勧告を受諾し、日蒙戦争は終結した。

 

 

大日本帝国総理官邸

大日本帝国は東久邇宮稔彦王を総理大臣として辛うじて議会が機能している状況だった。

 

「総理、米英からモンゴルから手を引くようにと勧告が来ています」

「モンゴルは我々が正当な理由を持って得た土地だ。彼らに我々の正当性を伝えてくれ」

「了解しました」

 

連絡に来た人は一礼をして部屋から退出した。それを見届けた稔彦王は自然にため息が出てしまう。総理大臣とは名ばかりで実際は軍部の暴走を押さえることが出来ずにいた。彼はこの先の日本を憂いた。

 

 

玄界島では島内にある帝機軍本部で次の作戦計画が練られていた。

 

「え~唐突ですが弌華、忠一郎、征爾にはドイツに行ってもらうよ」

 

楓伽から言われたことに忠一郎と征爾は驚きを隠せないでいた。征爾とは島田征爾(しまだせいじ)という人で元海軍所属だ。

 

「何故そのようなことを仰るのですか?参謀本部からの許可は頂いているのですか?」

 

征爾が意味が解らないという感じで言う。

 

「私はドイツに少し太いパイプを持っていてね。空母の設計図、運用技術を譲渡する代わりに此方の技術者を派遣して学ばせてくれって言ったら直ぐに良いよと言われたからだよ」

 

ちなみに今回譲渡する設計図は飛龍と蒼龍のだ。後にこれと前に譲渡した赤城の設計図を合わせてドイツ海軍はグラーフ・ツェッペリンとペーター・シュトラッサーという二隻の空母を産み出すこととなる。

 

「私たちはちょっと特殊だからね最高指揮決定権は参謀本部じゃなくて五十六おじさんのところにあるから良いんだよ」

 

「それにもう許可は貰ってるしね」と楓伽は最後に付け足した。

 

「解りました。いつ出発予定ですか?」

「三日後に出発する予定だよ。島の飛行場から発つから」

「了解しました」

 

三人は敬礼をして執務室を退出した。

 

 

 

1939年8月3日

この日、玄界島には超大型輸送機《大鷲》が4機揃っていた。大鷲はこの日のために開発させたモンゴルからドイツまでを無補給で飛べる輸送機だ。左右に三発づつ計6発の専用エンジンを搭載し、可能な限り機体を軽量化することによってこの性能を得ている。まず日本からモンゴルに行き、そこからドイツに行く予定となっている。

 

忠一郎と弌華は始めてみる大鷲に驚いていた。他の搭乗する技術者や将兵も二人と同じ反応だ。

 

「これは……でけぇな……」

「見た目は民間航空機のようですね」

「こんな民間機あるわけ無いだろうが」

 

少し改造すれば戦略爆撃機ともなるような風体のそれは白い機体色に朝日を浴びてまるで伝説に出てくる鳳のようだった。

 

 

 

 

 

 

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