Card World   作:さすらいのカードバトラー

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交流

 さて、じゃあ俺について話していくか。

 

 俺がカードゲームの種類について発言しなかった理由について説明していく。

 

 俺の世界では皆んなが話したカードゲームを含めて色々な種類のカードゲームが流行していたこと。

 

 自分は一応、皆んなのカードゲームは経験済みだということ。

 

「まぁ、こんな感じだ」

 

 一応、皆んなの世界が物語として語り継がれているということはまだ伏せておいた。

 

 どうやら、皆んな似た状況でここへ来たようだ。

 そんなことを考えていると、先ほどの話しに皆んな興味があるのか俺について質問をしてくる。

 

「私たちのカードゲームを経験済みと言っていたけどデッキとかあるのかしら?」 

 

「同じカードゲームだけど別の世界のカード。ちょっと気になるわね」

 

「あー、今デッキがなくてな。昨日引退して」

 

「……全部?」

 

「全部」

 

 俺の言葉に皆んなはそれそれはと言った反応だ。

 しかたないじゃん、別に世界を救う戦いとかしてなかったんだし。

 

 俺は説明を終えて一息すると、何やら、天上院が意味ありげな質問をしてくる。

 

「じゃあ、ここはあなたの世界ということでいいのかしら?」

 

「まぁ、俺の家もあるしな」

 

「……まだ目を覚ましたばかりだったわね。一度外を見てみなさい」

 

「?」

 

 俺は首を傾げながらも、窓に近づき外の景色を見る。

 

 ……えっ

 

 外の光景に俺は言葉を失った。

 

「もう一度聞くわ。ここはあなたの世界?」

 

「いや……」

 

 そこはあるはずの住宅街やコンビニなどは存在せず、ただ道路だけがひたすらどこかへ続いている光景があった。

 

 どうやら、俺も彼女たちと境遇は一緒のようだ。

 

「まさか、家ごと転移とは……」

 

 何度めか分からない頭痛が俺を襲った。

 

 

 

 

 

 

「よし。一周回って落ち着いてきた」

 

「……私たちも同じ気持ちよ」

 

 俺の頭痛が収まり、苗字で天上院を呼ぼうとしたところ兄弟もいることから下の名前を呼んでいい許可をもらった。他のヒロインたちについても同じような理由から下の名前で呼ぶことになる。ミモリが遠慮しがちだったが、まぁ慣れていくだろう。

 無論、俺のことも下の名前で呼んでもらうことにした。これから付き合いも長くなりそうだし、距離は出来るだけ縮めておきたいしな。

 

 さて、状況確認の続きかな。

 

「ここで皆んながどんな風に来たか聞きたい。俺については皆んな見ていたと思うが、起きたらこの場所にいた感じだな」

 

「えっと、それなんですが」

 

「私たちも気づいたらここにいて……」

 

 話しを聞くに皆んな気づいたらここにいたらしい。

 前の世界の記憶は俺と同じく眠りについたところが最後か。

 

「とりあえず情報が足りないな。昨日までと皆んな何か変化はないか?」

 

「そういえば昨日まで持ってなかったものがポケットにあったのだけど、知らないかしら?」

 

 明日香はポケットから青色のスマホを取り出す。

 見た目はミモリが持っているスマホに似ているな。

 

「スマホだな」

 

「スマホ?」

 

「……そうか知らないのか。これは次世代の携帯だよ」

 

「これが?」

 

 そういえば遊戯王GXの放送当時はスマホなかったな。

 ミモリ以外にスマホについて説明した後、中の画面を見せてもらう。とりあえず待ち受けにはPという文字が入ったアイコンのアプリがあり開くと以下の文字が書いてあった。

 

 Fポイント 50P

 Yポイント 50P

 Dポイント 50P

 Bポイント 50P

 Vポイント 50P

 Sポイント 50P

 

 説明を見ると、どうやら各カードゲームの頭文字になっているようだが、Fはなんだろうか。そんなカードゲームあったか。ただそれ以外の情報は載っていない。大体ヘルプ画面とかあって使い方や入手方法書いてあるもんだが。というか、俺のスマホも見ると同じ仕様になっていた。

 

 ……いつの間に。

 

 同じくスマホを持っていたミモリにも話を聞くと、同じようになっているそうだ。ただ彼女にはシャドバがインストールされており、それは前と同じデータになっていた。

 後は電話やメールといった機能に……おっ、チャット機能もあるのか使いやすそうだな。

 

 ぐぅ〜

 

「あっ、えっとすいません……」

 

 スマホの確認が一通り終わったタイミングでミモリのお腹が鳴る。顔を赤くした下を向いてしまった。

 

 なにそれ、可愛い。

 

 時刻を見ると、時間は午後1時を回っていた。

 丁度、昼飯どきだな。

 

「とりあえずご飯にしましょうか」

 

「そうだな」

 

「なにかあるかなぁ〜」

 

 素早くにミミが冷蔵庫を開いて、漁り始める。

 

 はや、というか買いだめしていて良かった。

 

 ミミが食材を引っ張り出してくる。

 

「そういえばカレー粉や米があったな」

 

「ならカレーでも作りましょうか。作るのも難しくないし」

 

「そうするか」

 

 皆んなで分担して料理を始める。

 作る料理はカレーライス。米を炊きつつ、具材を用意して、ルーを煮込んだりして料理をしていく。

 

「飴色の玉ねぎはカレーにコクを与える」

 

「そうなんですか?」

 

 ミモリが興味深そうに、聞いてくる。

 ついつい、口に出てしまったか。

 

「なに言ってるのよ。変なこと言ってないでそこの調味料とって頂戴」

 

 いや、君の世界にいる孤高の最強ファイターの名言だぞ。

 コーリンに突っ込まれながらもカレーライスは無事に完成して、テーブルに並べられた。

 

『いただきます』

 

 皆んなでカレーを食べ始める。

 食事が始まると、各それぞれ隣同士で雑談を始めた。

 以外と会話は続かないかなとも思っていたが、そうでもないようだ。ちなみに俺は少し距離をとっている。さすがにあの華やかな輪に入っていける勇気はない。

 

「隣、いいかな?」

 

「んっ、どうぞどうぞ」

 

 まゐがこちらに声を掛けてきた。

 おっと近い……緊張するな。彼女は俺の隣に座り、話し始める。

 

「優斗もパトスピをやっていたって聞いたけれど、何色のデッキを使ってたの?」

 

「赤と紫。バトスピ始めた頃は青デッキでデッキ破壊してたけど、ちょっと影響があって」

 

「影響?」

 

「うん、まぁある人たちのバトルを見てね」

 

「そうなんだ。やっぱり誰しも心に残るバトルってあるわよね」

 

 まぁ君たちのバトルなんだけどね。

 神々の砲台に着く前のバトルはほんとすごかった。

 

「ちなみにまゐはどんなデッキを使っているんだ?」

 

「紫のデッキよ。ちょっと前までは私も赤と紫の混合デッキを使っていた時期もあったんだけど」

 

 ちょっと前にか……んっ。

 

「優斗の世界のバトスピってどんな感じ?」

 

「どんな感じか……。そうだな、パック買ってデッキを組んだり、ショップ大会があって盛り上がったりとか」

 

「ふふ、懐かしい。私の生まれた世界もそんな感じでバトスピは盛り上がってたな〜」

 

「なにか、事情がありそうだな」

 

「……うん」

 

 俺はカレーを食べながら話しを聞く。

 彼女は自分のことについて話し始めた。コアの光主、グラン・ロロ、魔族。その辺りについて詳しい説明はなかったが、自分は特殊な立場にいたという話しは聞くことができた。

 

「私の世界の未来はね、争いが多い世界だったの。そこではバトルスピリッツが戦争の手段として使われていて……そんな世界で私たちは戦ってきた」

 

「それはまた……。未来に行けるなんてすごいな」

 

「信じられない話よね。地球リセットっていう地球の危機も迫ってきて……でも一人のカードバトラーによって危機は去ったの」

 

「……」

 

 馬神弾

 赤のコアの光主にして、凄腕のカードバトラー。

 神々の砲台の力で地球リセット回避することができたが、姿を消した英雄。

 その後、サーガブレイブにて世界のバランスを保つため、世界に悪しき影響を出さないために再び現れるけど

 

「ごめんなさい、変な話しちゃって」

 

「いや、それよりまゐの方こそ」

 

「うんうん、私は大丈夫。でも和平の式典に参加したかったなぁ」

 

 くっ、こんなときにどんな言葉をかけたらいいか分からない……。

 

 ここまで身の上の話を聞けるとは思ってなかったが、想像してたよりとんでもないタイミングで飛ばされてきたみたいだな。まさか弾が神々の砲台で消えてから時間がそんなに経ってないタイミングとは。まだ心の傷が癒えてないだろうに。

 しかも、その10年後くらいに魔族との和平に心許さない連中が現れてまた世界が荒れるなんていえん。しかもまた未来に新しい種族が現れて、統一政府が腐敗していくなんてさらにいえん。これは他のヒロインたちも覚悟した方がいいかもしれない。

 

 俺がなんともいえん気持ちになるが、すぐに切り替える。

 

「まぁ元の世界に戻れるように、ここについて調べていこうぜ」

 

「……そうね」

 

「大丈夫だよ、うん大丈夫!!」

 

「ふふ優斗は優しいんだね……ありがとう」

 

「まぁ、少しでも元気なってくれたなら良かったよ」

 

 しかし、まぁここの世界について調べなくちゃな。

 食糧を無限じゃないし、周りなにもないっていう状況も絶望的だ。

 

 さてさてどうするか。

 

 まゐとの話しを終えた俺は改めてみんなに、この周辺のことについて聞くことにした。

 

「そういえば、このアパートの周りは調べたのか?」

 

「ええ。このアパート周辺は軽く調べたわ。他の部屋は扉が開かない状態で、おそらく人もいないと思う」

 

 明日香の言うことによればアパートと俺だけが自分の世界から転移した形になるのか。

 

「周囲の探索は私、コーリンで行ったわ」

 

 なるほど、しかし何度見ても奇妙な光景だな。

 ここのアパート以外何もない空間。さすがになにかあるとは思うんだが。

 

「何もないと言っても、あくまでここ周辺の話。もう少し歩けばなにか見つかるかもしれない」

 

「今は優斗もいることだし、2人ペアになって調べるのもいいかも」

 

「そうだな。正直、食料とかもそう長くもたないし、どこかで調達したいな。それにあのアプリのポイントから恐らく何かしらのアイテムとかに交換できると思うんだが」

 

「まぁ、ポイントっていうくらいだし……」

 

「動かないと、始まらないわね」

 

「どこかにこのポイントを使える施設があるんでしょうか」

 

「よし。連絡手段もあることだしカレー食べ終わったら2組になって探索しよう。それでいいか?」

 

 みんなに行くと異議はなく、午後の方針が決まる。

 まぁ、ここでじっとするわけにもいかないしな。

 そして皆んながカレーを食べ終わると準備を開始して、玄関の前に集まった。

 

「2組の決め方はグッパーでいいか?」

 

「えっと、ジャンケンで同じものになった人がペアになるということですよね?」

 

「そうそう。2組になるまで繰り返す」

 

「そうね、それでいきましょうか」

 

「それじゃぁ……せーの!」

 

 俺の合図と共に皆んなが腕を振り下ろした。

 




紫乃宮まゐ
作品名:バトルスピリッツ 少年激覇ダン、ブレイブ、サーガブレイブ

落ちつきと抱擁力を感じさせるヒロイン。
紫のコアの光主、元ネットアイドル、麗しのソフィア号でのオペレーター、サーガブレイブではNPO法人に所属するなど多くの肩書がある。しかしそんな姿からは想像できないほどの数々の戦いを乗り越えたり、重たい過去も持つ。
ブレイブでのダンとまゐの告白バトルは名シーンとして有名であり、主人公もそのバトルに影響され、赤と紫の混合デッキを使っていた。
今作では神々の砲台でダンが姿を消してから、数日後にこの世界に飛ばされる。
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