Card World 作:さすらいのカードバトラー
「はろはろ、プレイヤーさん方ですよね。ようこそカードスタジアムへ!!」
俺たちを見ると、明るい声で歓迎してくれる女性。
マイ
シャドウバースチャンピオンズバトルに登場して、シャドバスタジアムの受け付けを担当していた。
またDLCでビショップのスキンだったことから作中ではシャドバの描写はなかったが、ピショップのクラスを使う可能性がある。
……彼女がここにいるということはここはシャドバスタジアムなのか。
「うーんと、ごめんね。ほんとは直ぐにメールを送ろうと思ったんだけど、時間が掛かっちゃって」
「あなたが私たちをここに呼んだ張本人?」
「わわ、皆さんそんな怖い顔しないでください。私も皆さんと同じ立場で突然この世界に飛ばされてたんです」
「そうなの?」
「はい。ただ私は皆さんと違って役割とマニュアルが最初から与えられているんです」
「ほう。この世界について教えてくれるとか?」
「そうです!」
どうやら、やっとこの世界の事情について聞けるようだ。
「まず、この世界はCard Wordといいます。皆さんはその世界に数多くあるエリアに所属するプレイヤーという立場になります」
「質問は最後にした方がいいか」
「そちらの方が助かります!」
俺は気になる点をメモしながら話しを聞きながら話しを聞くことにする。
「皆さんはこのエリア100に所属するチームになります。リーダーは優斗さんですです」
「……」
まさか、ここにいるメンバーがチームでリーダーが俺とは色んなカードゲームの経験があることが影響しているのだろうか。
「次はポイントについて説明します」
「きたか」
気になるポイントの説明、このポイントの使用方法はカードの入手に関わっていると予想していたが。
「あの配置されているモニターを見てください」
皆んながあのシャドバベンダーらしきモニターを見る。やはりあそこでポイントを使用できるようだ。
「こちらはカードベンダーといって所持しているポイントで各種類のカードゲームのカードやデッキを入手することができます!」
「おぉ!」
これでデッキを手に入れられる目処はついた。
あとは値段とポイントの入手手段だな。
「では次にポイントの入手手段について説明します。でもその前に皆さん各スマホを出してください」
マイに従って、皆んなはスマホを彼女の前に出してゆく。彼女も同じようにスマホを出して、何やらデータを俺たちのスマホに送っているようだ。
「送信、アップデートが完了しました。では皆さんどうぞ!!」
「……あっ、新しいアプリ」
「バージョンが上がってるわね」
俺はスマホを受け取ると、最初の画面にポイントのアプリの他にマップアプリ、またショッピングのアプリらしきものが追加されていた。
新しく追加されたアプリはマップアプリとショッピングアプリ。マップはこの100エリアについて、ショッピングはポイントを使用して買える各カードやデッキの情報が閲覧できるようだ。
「ではポイントについてですが、ポイントアプリを見てみて」
俺は言われた通りに、ポイントアプリを開く。
そこには今まであった各カードゲームらしきポイントの他、その上にTポイントというものが追加されていた。Tポイントは100ポイントある。さらにミッションというリンクも追加されていた。
「基本的にポイントを得られる手段はミッションをクリアする、他のチームのプレイヤーに勝利する、各イベントをこなす、ポイントの譲渡や交換の四つだよ」
俺はミッションを開いて確認する。内容はほとんどカードやデッキを指定して勝利などが多い。まるでソシャゲだな。
「ミッションは書いてある通り、各カードゲームでの条件指定の勝利を中心に多々ありますので後で確認してね。次に各イベントについてだけど……」
話しを聞くとイベントとは以下の三つがあるらしい。
スタジアムマッチ
レイドマッチ
ランダムイベント
「スタジアムマッチは各プレイヤーが一週間に一回参加できるゲームになってるの。プレイヤーがプレーしたいカードゲームを選択して、条件が合った他のエリアのプレイヤーと対戦できるよ」
やはり俺たち以外にもそのプレイヤーと呼ばれる人はやっぱいるみたいだ。
「次にレイドマッチ。こちらは月に一度、ランダムで行われてチームで戦うゲームになってるよ。二つのチームが攻撃と防衛に割り振られて、攻撃のチームが防衛チームの拠点の半径一メートル以内に侵入したら攻撃チームの勝利、逆に攻撃チームを全員各カードゲームで倒せば防衛チームの勝利になります!」
レイドマッチ……ますます、俺にもデッキが必要になってくる。実際、今の状態では五人チームだし。めちゃくちゃ不利だな。
「最後にランダムイベント。これは季節のイベントやランク大会がこの枠にあたります。数多くの種類があるのでその時に説明するね。最後にポイントの譲渡•交換。これはポイントアプリを介して行えます」
チームポイントはどのポイントに変換できる。故に入手手段が限られているようだ。ポイントの譲渡や交換ができるなら、チームでどのように使うか相談が必要になるな。
「説明は終わりになります。なにか質問はありますか?」
「……おそらくこれは皆んなが思っていることだがこの世界から元の世界に帰る方法、それはあるのか?」
「……チームにはランクがあり、FからSSランクまであります。そのSSランクのみが参加できる大会、そこで優勝したチームはどんな願いも叶うと言われているんです」
「……なんですって」
願いが叶う……ね。
大抵、このような話しはろくな結末がないが。何も手がかりがない以上、その大会での優勝を目指していくしかないが……。俺たちはFランクだろうし先は長そうだな。
「ランクを上げるにはイベントに参加するか、レイドマッチで勝利してチームポイントを貯めてく手段があります」
「……ともかく、先は長いようね」
「なるほど」
「でもでも、皆さんならこの世界にいるプレイヤーたちを倒して世界一になれますよ。私も応援してます!!」
「簡単に言ってくれるわね」
「それでもやるしかないだろ」
「その通り。どんな相手も倒していくわよ」
ミミの強気の言葉に皆が頷く。全員の顔を見ると決して心は折れている様子はなかった。さすが世界の危機を救ってきたり、戦ってきたヒロインたちである。とても頼もしい。
「最後にこのチームの名前を登録するので、決めて頂いても大丈夫ですか?」
「チーム名か、何かあるか?」
「そうねぇ、こういうの苦手で」
「チームミミはどうですか?」
「主張激しすぎでしょ」
「あはは」
「……」
皆んなが意見を出す中、俺は考える。
ここはシンプルでいい気がする。
「エリア100から取って、ハンドレッドなんてどうだろうか」
「シンプルでいいと思います!」
「決まりだな」
「おけおけ、登録完了しました。チーム、ハンドレッド。ここに結成ですね!」
皆んな納得したようなので、無事にチーム名が決まった。手続き関連はこれ以外特にないようだ。
あとは食料問題だが、その問題もマイの発言により一瞬で解決した。
「あっ、皆さん。食材や飲料水も沢山貯蓄されていますので自由に持っていって大丈夫ですよ。マニュアルを見たところ、無限にわくみたいなので!」
「もうファンタジーね」
「わけわからんが助かるな」
ともかくこれで俺たちは無事にこの世界の情報について知ることが出来たのであった。
説明を聞き終わると、皆がスタジアムの中を探索したり、ソファーで休みつつ情報を整理したりと各個人が分かれて行動を行う。マイはスタジアムの調整があるからと中に潜ってしまった。まだスタジアムマッチは出来ないので、そのための調整のようだ。
俺はふとソファーに腰掛けている、ミモリに話しかける。
「なにかわかったか?」
「あっ、優斗さん。えっと、パックを見てて……」
「シャドバのだよな。どれ……げっ」
俺もショップのパックが売られている欄を見てみると、思わず変な声を出してしまう。
「バハムート降臨で300Sポイントか。んー、ちょっと高い気がするが」
「そうですよね。さっき聞いた話しならポイントは簡単に手に入らないと思うんですけど」
「前途多難だよなぁ」
先程、デッキの欄を見ていたが安いデッキでも1000ポイント。こりゃあ、皆んなにバンバン勝ってもらはないと俺が戦えん。俺は遠い目をしていると、少しミモリが悲しそうな顔をしていることに気付く。
「大丈夫か、ミモリ。やっぱり……」
「あっ、ごめんなさい。ちょっとここが私がいた世界の施設に似てたから思い出しちゃって。でも大丈夫です」
「そうか、ミモリは強いな……」
「そんなことないです、私なんてとても……。皆んなの力になれるか不安で」
「なにそんな硬くならなくても大丈夫さ。たとえ負けたとしても責めるやつなんてここにはいないよ。コツコツやってこうぜ」
「うっ、頑張ります」
ちょっとぱっぱをかけ過ぎたかな。でも実際、シャドバの腕もプロに匹敵していたし大丈夫だと思うんだけどな。
俺は不安そうなミモリを元気付ける。しかしデッキのない俺がやはり一番足手まといという事実。このままではヒモになってしまうがどうにかならないものか。
「優斗さんもシャドバやっていたんですよね?」
「ああ、色々デッキ使ってたなぁ。シャドバはムーブが決まると気持ちいいんだよなぁ」
「わかります。思っていた流れで決まると楽しいですよね」
ムーブ、エルフ、ゴキブリ……うっ、頭が。
俺は辛い過去を思い出していると、スマホの画面を見ていたミモリから驚いた声が上がった。
「んっ、これ」
「どうした、ミモリ?」
「あの、優斗さんは優斗さんですよね」
「なんだ、謎かけか」
「えっと、これを見てください」
俺はミモリのスマホの画面を覗き込む。
どうやら神様は俺にチャンスをくれたようだ。
優斗のデッキ
300Sポイント
ミモリのスマホを覗き込むと、そこには俺の名前が書いてあるデッキがショップに販売されていた。
天宮ミモリ
作品:シャドウバース、シャドウバースチャンピオンズバトル
今作ではアニメの世界から参戦。
自分のことを普通の女の子だと気にしている一面があるが、強い心を持っている癖のない王道ヒロイン。またアイドルである黒羽アリスに憧れている。
シャドバではエルフの使い手であり、さらに伝説のカードにも選ばれた実力者でもある。ブリリアントフェアリーで20点を削りきるプレイングはなかなかにえぐい。原作終了後にこの世界に飛ばされた。