ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい   作:ケツアゴ

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閑話・メイドの日常

 オッス! アタイの名前はツクシ! クヴァイル家に仕えるメイドの一人で今年で二十さ……十八歳の彼氏募集中さ。スタイルは平均的だけれど童顔で肌はピッチピチだから男から人気が出てもおかしくないってのに彼氏が生まれてこの方二十三年……じゃなくて十八年間出来た試しが無いんだぜ。何でだろうな?

 

「ツクシさん、掃除の手が止まってますよ?」

 

「は、はひ! ごめんなさい、メイド長!」

 

 おっと、危ねぇ。仕事中にボケッとしちまってたよ。メイド長ってば自分の仕事を完璧にこなしてるのに他人の仕事にも目を光らせいてるんだからなぁ。

 レナの奴なんてしょっちゅう怒られてるんだけれど、この、前なんて若様の洗濯前の下着を持ち出して堪能しようとしたのを見付かって……あわわわわ。

 

 あの時のお仕置きを思い出すと震えがやって来る。普段は温厚で優しいのに職務怠慢とかには凄く厳しい人だからなあ。

 

「……ツクシさん?」

 

「はい! 止まってません! 動いてますよ!」

 

 おっと、考え事をしていたら手が止まっていたよ。危ない危ない。やれやれ、アタイまで淫乱メイドと同じ目に遭う所だったぜ。

 

 てか、レナへのお仕置きの時に時々目にも留まらぬ動きをするんだけれど光の軌跡が見えるんだよなあ。あの人って本当に人なんだろうか?

 

 

「っと、駄目だ。ちゃんと仕事をしないと。こんな良い職場でちゃんと仕事しないとか有り得ないからなあ。天罰だよ、天罰」

 

 すっかり手に馴染んだ掃除道具を使って仕事を再開する。さーて、今日も頑張りますか!

 

 

 

 

「またですか! 貴女は毎日毎日! 天罰ですよ、天罰! 減給だけで済むとは思わないで下さい!」

 

 ……うわぁ。まーたやってるよ。レナ、流石に減給の連続で最低賃金ギリギリなんじゃね? 彼奴も本職はメイドじゃなくって若様や姫様の護衛とからしいけれどもう少し真面目にやりゃあ良いのに。真面目にやればメイドとしての腕前だって上の方なのにさ。

 

 

 

 

 

「まあ、そんな訳でアタイの前の職場は酷い所だった訳よ。豚みたいな糞貴族のエロ親爺でさ。しかもそろそろ孫が

生まれてもおかしくない年齢なのに十代半ばの子供が好きな変態でさ。アタイは大商人の娘で行儀稽古で働いてたから嫌~な目で見られる程度だったんだけどさ。まあ、親父が商売失敗したと知った途端にバックレたよ」

 

 昼休憩中、食事中の雑談としてアタイの身の上話を新米にしていた。この王国って王妃様が実権握っていた頃はひどかったし、まだ辺境じゃ糞貴族が糞みたいな統治をしてるっつーのに王族の耳には届かない。まっ、監査官の耳を塞ぐ耳栓は平民から幾らでも搾り取れるって思ってるっぽいからな。

 

「それでその糞貴族はどうなったんですか?」

 

「領地から攫って来た子達に虹色オオミミズのお香を使った結果、搾り取られ過ぎて死んだらしいよ。計画の無い開発で荒れた不毛の地だったけれど、其奴は毛も種も無かったみたいでさ。遠縁のが領主になったけれど終わっている領地だからって窶れながら仕事してるってさ」

 

「貴族ってのは大変ですよねぇ」

 

 貴族の生活ってのは外から見りゃ華やかでお気楽に見えるんだけれど、こうやって側で見てりゃ違うって分かるんだ。貴族、大変。

 

「それに振り回される庶民も大変だけどね。特に王国ではさ。でも、アタイ達みたいに此処で働けているのはラッキーじゃんか」

 

 マジでリュボス聖王国での、特にクヴァイル家での使用人の扱いってのは他と比べものにならないんだよなあ。給金だって高いし、ボーナスやら産休やらさ。

 

 それを推進したのってゼース宰相だって話だろ?

 

「いや、マジで宰相様パネェ。……ああ、確か”ギヌスの民”との友好だって宰相様の偉業だっけ?」

 

「そのギヌスの民だけれどレナの話じゃ族長の娘が若様にトラウマ植え付けたって話ですよ」

 

「それ、若様の前では絶対にしちゃ駄目な話だからね。……此処だけの話、ちょっと試合に勝った結果、子種を狙って襲われ掛けたらしいよ」

 

 さて、そろそろお仕事の時間だ。トチって夜勤の連中に仕事が増えたって叱られないようにしないとな。……アタイを拾ってくれたメイド長に恩返ししないとね。

 

 

 

「やあ、頑張っているね、ツクシ」

 

「ご苦労様、ツクシ」

 

「若様、姫様、お帰りなさいませ」

 

 アタイの主な仕事は掃除だ。午前中は屋敷中を掃除して、午後からは庭掃除ってのがスタンダードだ。庭師のゴブリンさん達(ぶっちゃけ見た目の区別が出来ない)の手伝いもだ。

 その庭の仕事なんだけれど、アタイにとって楽しみな時間なんだ。何せ若様と姫様が戦いの訓練をするんだけれど、眼福なんだよね。

 

 二人とも美形だし、それが汗を流して戦ってるって最高じゃね? 思わず涎垂らして眺めちまうんだけれど、ゴブリンさん達に叱られっちまう。大体ゴブリンさん達に叱られて仕事に戻るんだけどさ。

 

 若様と姫様は本当に良い主だよ。なーんか面倒な事に巻き込まれる星の下に生まれたっぽいから眺めているだけでお近付きになりたいとか思わないんだけどさ。

 

 

 貴族みたいなドロドロした世界に巻き込まれるのは沢山だって話だよって。想像するだけで全身が痒くなって来たし、特に痒い頭を掻く。

 

 あー、此処此処。猫の獣人のアタイにとって猫耳の辺りが一番気持ち良いんだ。思わず耳をピコピコ尻尾をフリフリ動かす。あれ? 若様が一瞬だけビクッとなった? こりゃトラウマは深刻みてぇだなあ。

 

 

「お兄様、どうかしたの?」

 

「いや、大丈夫。大丈夫だから、何でもないよ」

 

 若様の前では耳と尻尾を出来るだけ動かさない様にしないとなあ。

 

 あっ、ゴブリンさん達が怒ってる。”メイド長に言い付けるぞ”か。前は何言ってるか訛が凄くて全然分からなかったのに今じゃ何となく分かるんだからアタイも成長したよ。

 

 

 胸は十代の時から成長してない……いや、アタイは十代だ。誰が何を言おうが十代なり。誰にも異議は唱えさせない!

 

 

 にしても彼氏欲しい。厄介な身分とか親族とか面倒臭過ぎて悪臭騒ぎになりそうな沢山の財産とか持ってなくて、それで貧乏ではない、女の……女の子の胸の大きさに拘らないタイプで性格の良い美形!

 

 

 

 

「ってな訳でそんな彼氏が何処で見つかるのか妖精の力でどうにかならねえ?」

 

「知るか、馬鹿者。自分でどうにかしろ」

 

あっ、因みにレキア様とはそれなりに仲良くさせて貰ってるよ。明らかに若様ラブだし素直になれば良いのにってメイドの間で有名なんだよなあ……。

アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません

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