ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい   作:ケツアゴ

121 / 393
閑話 驚愕の事実! リアス・クヴァイルは聖女だった!

「今日はお集まり頂き感謝します。縁が結ばれず集まれなかった人々にも祝福を! 神の慈愛は全ての人に注がれるのですから」

 

 祭壇に立ち、広場一杯に集まった人達に手を振る私。キラッキラの装飾がされたフリッフリの動き辛い衣装を着て、如何にも”聖女”って感じの笑顔を浮かべて演説するんだけれど、正直自分の事ながらさぶいぼが出そう。にしてもテスト前だってのに聖女としてのお仕事が入るだなんて迷惑ね。学生の本分は学業でしょうが! ……まあ、普段勉強を程々にしていて鍛える方を優先している私だけれどさ。

 

 さて、続き続き。こんな感じに普段の私を知ってる奴が見れば目と耳を疑うだろう演技を続けながら手摺りの陰に隠したメモ書きで復習をする。演説の内容はそれっぽい事をそれっぽい姿で言ってりゃ何とかなるんだけれど、勉強は細かい所を指摘されて部分点だけにされちゃうのよね。

 

「ああ、今日は何と良き日なのでしょう! こうして大勢の方と共に神に祈れるのですから!」

 

「……ぷっ」

 

 おい、聞こえたわよ、レナ。大袈裟な動作で演説を続ける私の背後からギリギリ聞こえる程度の大きさで吹き出した馬鹿には後でお仕置きするとして、そろそろ終わらせましょうか。今日は丁度お誂え向きに雨が降りそうだもの。体の弱い人が雨に濡れたら可哀想なのが普通だけれど、私の魔法をちょっと応用すれば……。

 

「”ホーリーレイン”」

 

 両手を広げて仰々しく詠唱すれば私と同じ位の大きさの光の玉が空へと昇り、その光に照らされながら見上げる人達の上から雨に混じって降り注ぐ。でも、誰も濡れていないし体も冷えない。反対に体はポカポカ暖かくなって、体の不調まで治っちゃうんだから。

 

「おお! これこそ正しく恵みの雨だ!」

 

「聖女様ー!」

 

「リアス様ー!」

 

「光の奇跡だー!」

 

 一斉に歓声を上げた人達に祭壇の上から手を振る。えっと、例の内乱が起こった年は……。

 私の魔法が混じった事で広範囲に癒しを振りまく雨が降り続ける中、私の頭は年号やら公式でパンクしそうだったわ。……帰ったら気晴らしに思いっ切り暴れたい気分だわ。さっきのお仕置きとしてレナに相手をして貰いましょうかしら?

 

 

 

 

「……あ~! つ、疲れたー! 肉体的には全然だけれど精神的に疲れたー! レナー! 何か甘い物頂戴」

 

「はいはい。レモネードを用意していますよ、姫様」

 

 帰りの馬車の中、私の魔法の効果が切れた雨が降り続ける音を聞きながらフカフカの座席に体重を預ける。向かいの座席に座ったレナが飲み物を出してくれたのを一気に飲み干せば少しはマシになった気分だけれど、テーブルに並んだノートと問題集が疲れを呼び戻したわ。

 

「お仕事帰りに勉強とか憂鬱だわ。馬車の中じゃ体も動かせないし、聖女の演技は疲れるし、テストは明日だし、本当にストレスが貯まるわね」

 

「今はダラダラしては? 私は見て見ぬ振りをしますよ?」

 

「……だ、駄目よ。お兄様に勉強を見て貰ったのに居ない時にサボって赤点でも取ったら恥ずかしいもの。いい点を取ったら誉めて貰えるし」

 

 レナったら誘惑なんかして来ちゃって、心が揺れたじゃない。こんな時はお兄ちゃんの顔を思い出して深呼吸。スーハースーハー、はい完了! やる気が微妙に出てきたから目の前の勉強に意識を向ける。あー、狭くて体が動かせないならトランプでもしたいわ。私、ババ抜きは得意なんだから。レナから”野生の勘”って誉められる位には。

 

 

「……あれ? 誉められてる? 寧ろ貶されてない?」

 

「大丈夫ですよ。ほら、進めて下さい。……何が大丈夫なのかは私も知りませんけれど」

 

「そうね。じゃあ、頑張らないと」

 

 何か最後の方が聞き取れなかったけれどレナが大丈夫だって言うなら大丈夫なんでしょうね。ペンを手に取ってひたすら数学の計算式に挑んで行く。……それにしても演説の時に口にした神が云々だけれども、現在進行形で人類を危険に晒しているのが神様関連の相手なんだから我ながら嘘臭いわね。

 

 そんな風に時々別の事を考えて意識が飛んだり、居眠りして意識が飛んだり、私を放置して居眠りしているレナの無駄な脂肪の塊をひっぱたいて起こしたりしながら勉強をしていたんだけれど、もう直ぐ屋敷がある街が見えて来るって所で馬車が止まる。

 

「……面倒ね」

 

「姫様はお勉強の続きを。雨に濡れて風邪でも引いたら……いえ、姫様ならば引きませんが。二つの意味で」

 

「二つ? 頑丈だからなのと、もう一つは何かしら?」

 

 外から感じる様子に私が立ち上がろうとするのをレナが制して来たんだけれど、本当に片方が分からない。壁に立て掛けた斧を担いで飛び出して行ったから訊けなかったし……まあ、勉強をしておきましょうか。どうも雑魚ばっかりみたいだし。

 

 

「……何処の誰かは知らないけれど大変よね。さーて、勉強勉強っと」

 

  雨風が吹き込まない様にドアが閉められる前にチラッと見えたんだけれど、前の方で馬車が怪しい連中に襲われていた。動きからしてその辺の盗賊崩れって感じでもなかったし、刺客の類?

 

 襲われている馬車の連中の敵なのか、それとも私達を狙った奴等に襲われたのかは分からないんだけれどレナ達が出たなら直ぐに済むでしょうね。襲われた連中も襲った連中もご愁傷様。

 

「姫様、行儀が悪いって。ほら、数学ならアタイの得意分野だから教えますよ」

 

 おっと、油断して机に足を乗せてたら怒られちゃったわ。戦闘力は低いからって残ったツクシが肩を竦めながら私の隣に座って数学のノートを覗き込んだ。

 

「ほら、此処の計算が狂ってるから答えが出ないんだって。公式はちゃんと出来ているけれどちょっとしたミスが多いし、このままじゃ赤点の危機ですよ?」

 

「う、五月蝿いわね。ほら、ちゃんと計算し直すわよ。はい、答え合わせの結果正解。楽勝ね、楽勝」

 

「いや、アタイが教えたから正解したけれど、本番は姫様だけで解くんですよ?

終わったみたいですね」

 

 私が最後の一問の答え合わせを終えた時、丁度のタイミングで扉が開いてレナが入って来る。直ぐに扉を閉めたけれど、倒れた連中は手足がグチャグチャになった上に歯がへし折られてるのも居るわね。

 

「毒でも仕込んでた?」

 

「ええ、奥歯に毒を仕込んで自害しようとしたのが居まして。随分と丁寧に訓練された連中みたいですし、刺客なのは間違いないでしょう。私達を襲ったのだから此方で尋問させて頂きますが、生半可な内容では吐かせるのに時間が掛かるでしょう」

 

「ああ、はいはい。”生半可”な”尋問”で終わらせる予定はないって事ね。黒いわー。流石クヴァイル家のメイドだけあって黒いわー。アンタ、マオ・ニュに似てるわよね」

 

「あの人にもお世話になりましたし、仕方が無いかと」

 

 やれやれ、頼りがいがあるわよ、レナは。……所で襲われていた馬車の紋様って確か帝国の……。

 

 

 

アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません

  • ポチ
  • レキア
  • 夜鶴
  • ネーシャ
  • ハティ
  • レナ
  • パンドラ
  • サマエル
  • シロノ
  • アリア
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。