ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい   作:ケツアゴ

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相談相手

 アリアさんからの思わぬデートのお誘い。それは立場的に介入したくても出来ない厄介事に関わるチャンスだった。だから当然受けたんだけれど、帰り道で思い浮かべるのは嬉しそうな彼女の笑顔だ。

 

「……うん。ちょっと良心が痛むかな?」

 

 彼女には想いを告げられたばかりであり、そんな事があって直後のデートだ。それを受けたのだから相手が喜ぶのは間違い無い事だし、それが分かっていながら僕は打算が含まれていた。

 即ち”偶々行ったら巻き込まれたから行動した”、そんな口実作り。つまりは彼女の好意を友達の為とはいえ利用したって事で、実際はちょっと所じゃない良心の痛みを感じている。貴族って立場上は誰かを利用して暮らすのは珍しくないし、自覚して行動して来た事も有ったけれど、こうやって自分に純粋な好意を抱く相手に対しては初めてだもんな。

 

「彼女は大切な友達……だし、それが違うんだよな。僕はどうやって彼女に償うべきなんだろう? ねえ、ポチはどう思う?」

 

「キュイ?」

 

「え? 詳しく知らないから分からないって? それはそうだね。どうやって償えばってしか言ってないんだから。ごめんごめん。うん、ちょっと悩んでいるだけだから心配ご無用だよ」

 

「キュイ……」

 

 流石に情けないから他の誰にも相談出来なかった僕はポチに話を聞いて貰っていた。そうやって情けないからとかプライドが勝つ時点でどうかとは思うんだけれど、貴族って面子で飯を食べている立場でずっと過ごしていたんだよ、僕は。

 ……幼かった前世では”何でこんな行動をしているんだろう”って思えた事が別の世界で貴族として育ってからは実際に自分でして居るんだから不思議だよね。これが大人になるって事なのかな?

 

「情けないなあ。本当に情けないよ。……うん。取り敢えずこんな感情をアリアさんには悟られないのが先決だ。只でさえ利用している失礼な状態なんだし、一緒に楽しむのが前提として、こんな時は僕がリードすべきなのかな? ……困った。何だかんだ言っても彼女とは付き合いが短いし、そんな相手とのデートってどうすれば良いんだろう?」

 

別に僕はデートの経験が全くない訳じゃない。うん、それは確かだ。夜鶴と買い物に行ったし、この間はパンドラの気分転換に散歩に付き合った。あれをデートじゃないなんて思ってはいないよ。

 

 でもさ、あの二人って付き合いが長いんだよね。貴族として関係の有る相手とのお茶会とかの行事に参加して、出会ったばかりの相手と二人きり(給仕のメイドとかは店の店員と同じ扱いでカウントしない)になった事は何度も有るけれど、それはあくまで仕事の感覚だった。

 

「大体どんな子かは分かっているけれど、付き合ってからそんなに経っていない女の子とのデートか。ヤバい! 緊張して来た! こんな時こそ誰かに相談したいけれど、頼りになりそうなのが誰かと云えば……」

 

 先ずレナは除外。何を言われるかとか、ナニを勧められるとか、簡単に想像が出来る。

 じゃあ、次にパンドラ? ……伝えておくべき相手だとは思うんだけれど、相談するのはちょっと。だって彼女からも好意を伝えられているし、他の女の子とのデートの相談は……、

 

「そうだ! リアス……も除外。恥ずかしいからってのも有るけれど、多分頼りにならない」

 

 妹に恋愛相談とか兄の威厳に関わるし、あの子に相談してもね。色気よりも食い気や戦いって感じの少しお転婆な子だもん。

 恋愛小説を好んで読んでる? いやいや、物語と現実は別物だし、あの子は五分で寝落ちするから。

 

 

「あれで読んだ気になっているんだからなあ」

 

「キュイ……」

 

 こんな時、恋愛相談が出来そうなのは……チェルシー? いや、フリート? 何というか一応フリートには領地に行くのを知られたくないし、この二人は駄目として、他には……。

 

 

「ポチ、ちょっと相談に乗ってくれる?」

 

「キューイ?」

 

 ”そーだん?”って感じに詳しく分かっていない様子のポチがあまりにも可愛いから気が付けば抱き付いていた。ああ、モフモフに癒される。悩みとかが全部頭の中から溶け出す気がするよ……。

 

「そうだ! 相談の意味を教えてあげよう。ポチは賢い子だから直ぐに分かるよ」

 

 こうして始まったポチのお勉強。凄く賢い子だから相談の意味だなんて本当にあっさり分かっちゃったよ。

 

「ポチは本当に賢い子でちゅね~! ポチは賢くて可愛い最高のグリフォンでちゅよ~!」

 

「キュキュキューイ!」

 

 頭を撫で回し、脇腹から脚、そしてひっくり返して両手を広げてお腹を撫で回す。モッフモフでフッカフカ。どんな高級羽毛布団よりも感触が良い。

 

 

「じゃあポチには早速相談に乗って貰えまちゅか~?」

 

 

 

 

 

「いや、何か知らんがデレッデレの態度でペットに相談するど阿呆が何処に居ると……目の前に居たか」

 

「あっ、レキア」

 

 声のした方を見ればレキアの姿。頭痛がするのか頭に手を当てている。

 

 どうも今日の僕は注意散漫らしく近くで話し掛けられてから相手に気が付くってのが続いている。誰か寄って来ているのは分かったけれどこれじゃあ落第点だ。レナスに知られたらお説教じゃ済まないぞ。

 

「全く貴様という奴は相変わらずだな。それで何か言う事は無いのか?」

 

 レキアは僕の顔の周りを飛び回り、亜麻色の髪を掻き上げて何かを待っている。スカートの端を摘まんでヒラヒラと動かしていた。

 

「……何か? うーん、その新しいドレスが似合ってるって事しか思い浮かばないな」

 

 何時もは葉っぱを思わせる緑色のドレスのレキアだけれど今日はちょっと違う。ノースリープの腰回りが少し細くなっている。ちょっと大人っぽいデザインだ。何時もとは印象が違うよね。

 

「君は色白だから黒が似合うよね。何時もは可愛いって感じなのに、今日は綺麗って感じになってるよ。ちょっと見惚れちゃいそう」

 

 普段は妖精らしいデザインなんだけれど今日は本当に大人っぽい。優雅さを感じるし、何時もよりお姫様って感じだ。

 

「だから貴様はどうしてそうなのだ……」

 

「何故か呆れているけれど、僕は思った事を口にしただけだよ? 本当に君は素敵だよ。今だけじゃなくって何時もね」

 

「むう……」

 

 どうやらお気に召したらしい。やれやれ、何か言えって感じだったけれど、本音で話して正解だったみたい。腕組みをして澄まし顔の癖に頬がピクピク動いていた。

 

「キュイキュイ。……キュ」

 

「おいおい、それは流石にレキアに悪いよ」

 

「おい、ポチは何と言った? 妾に向かって何って言った?」

 

「……さあ?」

 

 要約”レキアに相談したら良いかも。……無理か”。うん、言えない。凄い顔で詰め寄って来てるけれど言えないや。

 

「それで悩みとは何だ? 言え。妾が相談に乗ってやろう。まさかペットには相談出来て妾には出来ぬと言う事は……無いだろうな?」

 

 至近距離まで詰め寄って来たレキア、凄い怖いです。この迫力は妖精の姫の名に恥じないね。……どうしよう。これは誤魔化せる雰囲気じゃないぞ。

 

「実はさ……」

 

 仕方無いから此処はレキアに相談しよう。レキアもレキアで実は僕を友達だって思ってくれていたのに嫌っているって思わせる態度を取っちゃう子だし、とても恋愛相談が出来る子じゃないけれど奇跡が起きる可能性を信じよう。

 

 

 

 

「……ふむ。貴様も色々と悩んでいるな。此処は妾が力を貸してやる。……友だからな」

 

「あっ、友達だって素直に認めてくれるんだ。嬉しいな。僕はもっと前から君と仲良くしたかったしさ」

 

 僕なんか目障りって態度だったのに本当は友達だって思ってくれていて、今はこうして素直に友だって認めてくれているんだからね。

 

 

「本当に貴様は。……さて、デートの事が分からぬのなら慣れればいいだけだ。……こんな風にな」

 

 そんな事を言うなりレキアは人間サイズになり僕の腕に抱き付いた。

 

 

「さあ。妾の寛大な心に感謝して咽び泣け。今から妖精の領域で妾とデートだ」

アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません

  • ポチ
  • レキア
  • 夜鶴
  • ネーシャ
  • ハティ
  • レナ
  • パンドラ
  • サマエル
  • シロノ
  • アリア
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