ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい   作:ケツアゴ

137 / 393
デートの練習

 何時もとは全く趣向が違うデザインのドレスを身に纏って人間サイズになったレキア。友達である僕の為にデートの予行練習の相手までしてくれるだなんて本当に良い子だ。

 

「さて、どうせポチに乗って行くのだろうが先に言って置くぞ? 何時もの変則飛行はさせるな」

 

「え? だったらジグザグ飛行とか錐揉み回転とか急降下からの急上昇とかは? ポチはあれが大好きなんだ」

 

「す! る! な! 普通に飛べ、普通に!」

 

 驚く僕の耳を引っ張り怒鳴るレキア。え~。それも駄目なんだ。うーん、ポチにはだいぶ我慢して貰う事になりそうだ。

 

「デートでペットを優先するな、ペットを。貴様がデートするのはポチか? それともアリアか?」

 

「アリアさんだね。今からデートするのは君だけれど」

 

「……調子に乗るな。妾とは練習に過ぎん」

 

「それでも折角出掛けるんだから楽しもうよ。ほら、お手を拝借」

 

「……うむ」

 

「確かに今からレキア妖精の領域に連れて行って貰うのは練習の為だけれど、どうせ一緒に出掛けるのなら互いに楽しみたいじゃないか。ささっ。それでは出掛けようか」

 

 手を差し出せば一瞬だけ迷った様子を見せるも握られ、そのまま腕に抱きつかれ肩に頭を乗せるレキア。今の彼女は人間サイズになったせいで普段より姿がハッキリ見えるけれど……。

 

 

 胸を明らかに盛っているのは指摘すべきなのかな? ほら、髪型の変化とかに気が付かずに何も言わないとか駄目みたいに、些細な変化を発見出来るかのテストなのかも?

 

 

「でもなあ……」

 

 ”胸が大きくなっているね”とか、言える? 言えないよね。よし、じゃあ言わない方向で……。

 

「所でロノス。妾について何か言うべき事が有るのではないのか? 十五秒だけ考える猶予をくれてやる。しかと考えよ」

 

「え? ……あっ」

 

 思わず驚いた声を出したら途端に不機嫌そうになったレキア。抱き付いたまま手の甲を抓って来るし、これは言うべきなのかな?

 いや、その前に改めて観察だ。髪型は同じで化粧も特に変えた様子は無くって、前に同じサイズになった時や何時もの姿から考えて明らかに一回り以上大きい胸に、痩せても太ってもいない腰回り。指先にマネキュアはしてなくって、靴? 

 

「靴も新しくしたんだね。赤いハイヒールか。慣れてないと歩くの大変じゃない? 挫いた時は何時でも言ってよ。運ぶからさ」

 

「……其処か。いや、それはそれで良いんだが、他に有るだろう? 肉体についてだ。……ちなみに運ぶのは許可するが荷物と同じ運び方は許可しない。妖精の姫に相応しい運び方をせよ」

 

「了解。お姫様抱っこで良いかな?」

 

 靴は不正解じゃないけれど満足行く回答じゃなかったか。ああ、でも普段から飛んでいる彼女が慣れない歩行で転ばないように気を配っていないとね。

 うーん、肉体。……矢っ張り?

 

 

「胸、大きくなってるね」

 

 次の瞬間、顔面に拳が叩き込まれた。

 

「このスケベ男が!」

 

 痛い。え? ええっ!? 違ったの!? レキアったら怒って顔を背けるし、それでも腕に抱きついたままって事は矢っ張り歩き辛いの? 今から抱っこした方が良いかな?

 

「……えっと、他には……あっ!」

 

 そうだよ。考えれば分かる事だ。レキアはデートの練習って言って今の大きさになった。でも、この大きさを維持するのは大変な筈だ。それも胸まで盛る無理をしてるのに平然とした様子だし……。

 

 

「気が付いたな。まあ、及第点はくれてやる。だが、胸については減点だ。女の見栄を指摘する物ではない」

 

 どうやら正解だったらしく、レキアは満足そうに笑うと空いた手で胸を触る。盛っていた胸は本来の大きさになり、見えていた谷間も僅かになっちゃった。うん、少しだけ……。

 

 

「残念か? ああ、貴様は胸が好きなのか。……これで良いのだろう?」

 

 突如腕に抱きついていたレキアに引き寄せられ耳元で囁かれる。息が掛かって少しくすぐったいな。あれ? ちょっと胸に当たる感触が……。

 

 密着しているせいかレキアの胸元は見えないんだけれど何故か腕に当たる感触はズッシリとした物に。その理由に思い当たった時、レキアの笑い声が聞こえた。僕を弄くって楽しんでいる声だ。

 

 

「この姿になれば多少体型が変えられる。ふふん。この位が良いか? 今の私はレナ達と同程度だ。まあ、この様に密着していたら見えないだろうがな。見たいか? 却下だ」

 

「君ってこんな悪戯が好きだよね。ヘッドバッドって言って頬にキスしたりとか、祝福を与えるって急にキスしたりとか」

 

「あれは本当にヘッドバッドで、祝福は他の方法が存在しないだけだ。言うな、馬鹿者!」

 

「そして指摘されたら照れちゃうし可愛い。頭を撫でちゃいたい位にね」

 

「……ならば撫でろ! ほら、どうした? 妾の頭を撫で……ひゃわっ!?」

 

 




応援待っております

アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません

  • ポチ
  • レキア
  • 夜鶴
  • ネーシャ
  • ハティ
  • レナ
  • パンドラ
  • サマエル
  • シロノ
  • アリア

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。