ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい 作:ケツアゴ
「妾毛が思うに貴様には余裕が足らぬ。故に恋愛が上手く行かんのだ」
本当は今日の午後から行われる筈だった課外授業だけれど、予想以上に帰った生徒が多いせいで中止になっちゃって、マナフ先生は私達に本日丸々休みを言い渡した。
だから遊んで遊んで遊びまくる気だったんだけれど、女子会をやろうってネーシャが言い出したからお菓子目的で参加したのだけれど・・・・・・。
「そ、そうっすか。まあ、アタイ・・・・・・ウチは未だ十八っすし、彼氏すらいなくたって平気っすよね」
レナが来ると思っていたら、何故か来たのはツクシで、始まっちゃった恋バナ。
お兄ちゃんの事が大好きなのに嫌いだって言い張って、祖国の婚約者として妖精達に紹介しておきながら友人としか認めない、けれどもお兄ちゃんには分からないようにしながら傍から見ればデレッデレ、そんなレキアが偉そうに恋愛について語ってた。
よーく知る奴なら口を揃えてツッコミもを入れるんじゃないかしら?
「いや、アンタが言う?」
「なぬっ!?」
当然私は指摘するわ。
ネーシャは将来は正室と側室の関係だし、チェルシーは恋愛関係は一番充実しているからか余裕で流しているし、その相手は大嫌いだけど、私。
まあ、そんな風に自分の恋愛が一歩前進、普通の恋愛まで一万歩は残ってそうなレキアが偉そうにツクシに語る資格って無いわよね?
「先程から菓子を貪るだけの貴様が何を言うか!」
「だって私は恋愛とか興味無いし、それよりも戦いの方が好きだし、アンタは面倒だし。あっ、ツクシ。そーいやアンタって十八じゃなくって二十・・・・・・」
「十八っす! ウチは十八っすから余裕があるっす! あーもー! ウチの事ばっかりじゃなくって姫様以外のお嬢様方恋愛話をするべきじゃないのさ!」
「いや、彼氏が見付からない事を愚痴ったのは貴様・・・・・・いや、良い、妾が悪かった」
「確かに酷いわね。ツクシって彼氏いない事に焦ってるんだから。ほら、今年で二十四……十九だったわね、うん」
「ええ、十九っすよ!」
うん、今のは私が悪かった、だから直ぐに黙ったけれど……ツクシって元ヤン?
何か凄くメンチ切って来たんだけれど。
「うーん、じゃあ次はレキア様に聞きたいんだけれど、若様とはどんな風にイチャイチャしたいっすか?」
「妾は別に奴とは……
「あー、はいはい。例えばの話で良いっすから」
メンチを切ると言えば……メンチカツ食べたい、中にチーズ入ったのでお肉は粗めの食感ゴロゴロの奴を希望。
アリアは眠いからって参加してないし、チェルシーはフラフープとの惚気話になっちゃうし、ツクシは妙に必死な感じだし、私には話が振られないし、振られても困るんだけれど。
女子会って響きに何となく誘われてお菓子も出るからと参加したんだけれど、私としては何処の店でガッツリ系の肉料理を出しているかとか、どの屋台の麺料理が大盛りだとかの情報交換をしたかったのに……。
「仮に、仮にだぞ! ……お互いに好きだと言いつつゆっくりと過ごしたい」
過ごせば良いじゃない、好きだって素直に言ってさ。
何時も偉そうなレキアがお兄ちゃんとの恋愛の話になった途端に恋する乙女になっちゃうのは可能なら動画に撮りたいけれど魔法でどうにかならないかしら?
まあ、そんな感じで私はボケーッとしながらお菓子に手を伸ばす。
食べ過ぎ?
まあ、私だって女の子だから気にするし、後でモンスターの二、三十匹でもぶっ倒すべきね。
「それでこの前なんてアイツったら……」
「ふーん」
乙女として守るべき物を守る決意をしながらチェルシーの惚気話を聞き流し、砂糖を入れていないのに甘い気がする紅茶を飲み干す。
直ぐにツクシが新しいのを注いでくれるけれど、恋バナに参加しながらもよく働くわね。
「にしてもレナが来なかったのはどうしてかしら? ツクシが悪いって事じゃなくって、レナって私達の護衛でもあるじゃない?」
「レナ……先輩は、うん。ちょっとありまして」
「彼奴は気にするな。何時も通りだ、問題しか無い……ではなく、問題無い」
二人にそう言われたら何も言えないんだけれど、何時も通りだからツクシが代理で来たって、レナが年中発情期でお兄ちゃんへのセクハラ常習犯って事しか思い浮かばないわ。
「姫様も退屈そうにしてるっすし、話を変える前にネーシャ様の方はどうっすか? 若様とはどんな風にイチャイチャしたいっすか?」
話を振られたネーシャだけれど、彼女ってどうもクヴァイル家を見てる感じだから苦手だわ、私。
そりゃゲームでは私に邪魔されていたけれどお兄ちゃんとは心通じ合った婚約者よ?
でも私も向こうも全然性格違うし、どうせ上辺だけの事言うんでしょ。
「私は……愛するロノス様にご奉仕がしたいですわ。一緒に居るだけで幸せをいただいていますもの、お返しがしたいのです」
「……ぬぅ」
レキアが僅かに警戒した感じだし、私もちょっと驚いた。
えっと、何か悪い物でも食べたのかしらね?
私だって偶に変なモンスターを食べようとするし、ネーシャも珍味と思って食べたせいで今みたいに本当に恋した感じになってるのよ、多分。
自分の発言が恥ずかしいって感じで両手で顔を覆う姿を見た辺りで私はお菓子を掴んで口に押し込むと立ち上がった。
「ちょっとトイレに行ってくるわ」
「姫様、そこは別の言い方で。お花を摘みに行くとかあるっすよ?」
溜め息混じりのツクシの注意、何か諦めてるって感じもするわね。
……何故かしら?
「どうせ伝わるなら同じじゃない?」
さっきから紅茶をガブガブ飲んでいたからトイレに行きたかったのよね。
別に”小便してくる”や”糞垂れてくる”って言った訳じゃ有るまいし、今は聖女のお仕事中じゃないんだから勘弁して欲しいわよ。
「姫様、そういう所っすよ」
「そういう所ですよ、姫様」
……どういう所?
チェルシーとツクシの盛大な溜め息を背後に感じながら私は一旦部屋から出て行く。
貴族の為の部屋だけあってそれなりの人数が入っても余裕があったけれど、こうして廊下に出れば覚えるのは開放感、グッと伸びをしてトイレへと向かって行った。
「ふぅ、スッキリ。……ん? アレってアリアとお兄ちゃん?」
窓から庭を見ればコソコソと出て行こうとする二人の姿、私は瞬時にピーンと来たわ。
「二人だけで美味しい物食べに抜け出すのね! 面白そうだし私も付いて行こうっと!」
私に気が付いたら誤魔化されちゃうかも知れないし、秘密にするって事は客が増えて並ぶのが長くなる位に美味しい物って事。
もしかしたら全然見掛けないウツボダコ料理の専門店とか?
窓から飛び降りつつも着地の勢いを足で殺して音を消した私は二人が向かった方に向かおうとして、不意に背中に堅い物が触れる。
「どうしたのよ? ポチ。遊んで欲しいの?」
私の背中に当たったのはポチが気に入っている牛の骨、犬みたいに投げたのを取って来る遊びも変則飛行と同じ位好きらしい。
キラキラとした目で私を見ながら頭を擦り寄せて甘えて来るし、遊ばないとか言えない状況ね、これは。
「仕方無い子ね。ほら、取って来なさい!」
骨を手に腰を捻り投げ槍の要領で全力投球、でもポチは庭の敷地から出る前に空中でキャッチしちゃったわ。
うーん、ちょっと悔しい。
「キュイキュイキュイ!」
言葉が分からない奴でも今のポチが何を言っているのか簡単に分かるわね。
もっと投げて、今度は更に速く……そんな所でしょう。
「はいはい、じゃあ、次は……”アドヴェント”!」
魔法で全身の力を高め、今度は助走込みでの投擲。
牛の骨は見事に……砕けた。
「キュイ!?」
「やっちまったわね。……お兄ちゃんなら直せるけれど私ももう少し遊びたいから別のを探しに行きましょうか」
そうと決まれば即行動、私はポチの背中に飛び乗った。
「じゃあ新しい玩具探しに出発よ!」
所で何か忘れている気がするんだけれど……気のせいね、多分。
感想待っています
アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません
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ポチ
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レキア
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夜鶴
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ネーシャ
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ハティ
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レナ
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パンドラ
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サマエル
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シロノ
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アリア