ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい 作:ケツアゴ
ポチと一緒に空を飛ぶ、但し私は自力じゃない。
「いやっほー!! 楽っしー!」
「キュイ……」
お兄ちゃんはポチの背中に乗るのが好きだけれど、私は普段は自力で飛ぶのが大好き。
基本的に地面を行くのも空を飛ぶのも普段は自力、だけど今はポチの脚に掴まってぶら下がって景色を眺める。
普段とは少し違う感覚にワクワクしていて何度も叫んじゃう。
所でポチの鳴き声が妙に迷惑そうなのは何でだろう?
え? どうして自力で飛んでないのかって?
そりゃあれよ、走るのは好きでも乗り物乗ったりするでしょう?
それと同じよ。
「あれ? 何か忘れている気がするけれど、そもそも出掛けた理由って何だっけ?」
「キュイィィ」
「あっ、そっか」
ポチの恨みがましい鳴き声と嘴の先で咥えた
投げて遊んで欲しそうだったから全力で握った時点でヒビが入って、風圧で完全粉砕、お兄ちゃんなら簡単に直せるんだけれどアリアと何処かに行っちゃったから直ぐには無理だし。
「もー! アリアったら眠いとか言って女子会不参加だったのにお兄ちゃんとは遊びに行っちゃうんだから。絶対に人には知られたくないお気に入りのお店とか行ったのね。良いもん。私も後でお兄ちゃんに教えて貰うんだから!」
ふーんだって感じで唇を尖らせて拗ねた声を出す私、それにしてもさっきから凄いわね。
「何か今日は動きが普段より激しくない?」
「……」
無言を貫くポチ、それでも錐揉み回転をしたり横回転立て回転、急降下からの宙返り、掴まっている私に掛かるAが凄い……Cだったかしら?
いや、Dじゃなくて……G! そう、Gが凄いのよ!
お兄ちゃんを乗せての曲芸飛行だって滅多にしない凄まじい動き、其処から出される計算は一つだけ。
「ポチ、アンタってもしかして……」
そうよ、脚に掴まってぶら下がる私を振り回す理由なんてただ一つ、大好きなお兄ちゃん相手でも余程嬉しさが振り切らないとしない飛び方をするだなんて他に考えられないわ!
「私とお出掛けするのが新鮮で楽しんでいるのね!」
絶対そうよ、間違い無いわ!
「……キュ」
「もー! 玩具壊されたからって、怒って私に言葉を通じさせるの拒否してると思ったら私とのお出掛けが嬉しいのね」
私もポチとお喋りしたいからって女王様にお願いしたのに今日は喋ってくれないし、昨日は昨日で”お馬鹿のリアス”なんて変な呼び方をするんだもの、実は普段からこっそりしている呼び方だって思っちゃったわよ。
私って馬鹿じゃないもん、そんな筈が無いわよね。
「キュイ……」
「あら? 疲れちゃったみたい」
私の言葉を聞いた途端にポチは溜め息を吐いて普通に飛び始める、結構楽しかったのに残念ね。
「さっきからはしゃぎ過ぎたのよ。もう少し後先考えなさいよ、馬鹿ね」
「キュイ? ……キュイ! キュイキュイキュイキュイキュイキュイキュイキュイッ!」
「え? いきなりどうしたのっ!?」
私の言葉に首を傾げ、何かに気が付いたと思った途端にけたたましい鳴いて暴れて、急に言葉が通じ出す。
「”お馬鹿のリアスにだけは言われたくない”って、この場に居るのは私だけじゃないの。変な事を言うわね。それに知っているかしら? 人間、馬鹿って言った方が馬鹿なのよ!」
「キュイ……」
「え? ポチがグリフォンなんて知ってるわよ。馬鹿ね」
「キュキュイ……」
また溜め息なんか吐いちゃって、慣れない海辺に来たから気分的に疲れちゃったのね。
うーん、どうせ大きな骨を手に入れる為に狩りに行くんだし、どうせだったらデッカい凄い骨が欲しいわ。
「じゃあ、洞窟が近くにあるから行ってみましょう! 鯨とか居るかしら? ベーコンにすると美味しいのよね、確か」
「キュイ!」
あらあら、ポチったら単純なんだから、美味しい物と新しい玩具の予感にワクワクしちゃってご機嫌な様子。
グングンと速度を上げていったら洞窟が見えて来る。
「確か所々水没しているんだっけ? うーん、ジメジメしていそう」
真下を見れば海側に入り口を開いた洞窟、ポチに頼んで下に降りて貰ったら脚にぶら下がっていたから足先が海に入ったり入らなかったり、靴の中がビチャビチャになっちゃうじゃない。
横に広い入り口はポチが私をぶら下げてギリギリ通れる程度で横は高さの五倍位、奥に向かって潮の流れが続いていて、それを挟んで砂の道。
着地して踏みしめてみると湿った感じだし、壁にも半分くらいまで水没した跡、これじゃあ満ち潮の時に面倒な事になりそうね。
試しに壁を拳でコンコンとノックしてみれば大体の堅さが伝わった。
「これなら魔法無しでも殴って……いや、流石にそれは無理ね」
外から見た限りじゃ結構分厚いし、崩落しても大丈夫な規模でぶっ壊すのは拳じゃ無理、レナスなら絶対に可能だけれど、今の私じゃ無理よ、無理。
「蹴りじゃないと無理ね。蹴りなら絶対に楽勝でぶっ壊せる」
「キューイ」
”ゴリラパワー全開”ってどういう意味?
ちょっと目を逸らさずに答えなさいよ、ねぇ!
ポチの首の辺りに腕を回してグイグイ引っ張るけれど顔を合わせようともしない中、私は一旦外に出る事にした。
「魔法で倒すのも良いけれど、何だかんだ言っても最後に頼れるのは己の肉体と手に馴染んだ武器だし、ちょっと取りに行くわよ」
「キュキュキュイ」
「計画性? 良いじゃない、ノリで行動しても。考える時は考えるし、大体お兄ちゃんがどうにかしてくれるじゃない」
ポチったら私に対して随分と失礼だと思うんだけれど、お兄ちゃんと扱いの差が激しいわよね、この子。
普段の態度を思い出して悶々とした気分になる中、何かが波の音に混じって聞こえて来た。
「ぱっからぱっから、ぱっからぱっから」
馬が蹄で地面を踏み締める音……の口真似、しかも棒読み。
何処の馬鹿だと思って声のした方を向いてみれば空の上を歩く馬に乗った青い髪の少女の姿、その口から聞こえて来ていたのよ。
「ぱっからぱっから、ぱっから……誰?」
「いや、アンタこそ誰よ」
洞窟に入ろうとした所で私とポチに気が付いたらしい彼女は私に指先を向けて小首を傾げているんだけれど、急に現れて誰も彼もないっての。
「私、ロザリー。友達のパンツを探してる。見なかった?
「見ていないけれど……何で口でぱっからぱっから言っているの?」
「空を歩いていると蹄の音が鳴らないから寂しい」
感情の無い人形ってよりはボケーッとした天然みたいな女の子なんだけれど……変な子ね、この子。
まあ、友達のパンツをわざわざ探しているってんなら悪い子じゃないのかしら?
この広い世界で一枚のパンツを探す……それがどれだけ大変な、うん?
「じゃあ、その友達ってノーパン?」
「うん、ノーパン。パンツを失った上にスカートの中を見られたらしい。今もノーパンだと思う」
「ノーパンなのかあ……」
この子も変な子だけれど、その友達も友達で多分変な子な気がするわね……。
「じゃあ、私はこの子と洞窟の中を探索する予定だから」
「……この中」
ハルバートが無いのは予定と違うけれど、ノーパン女とその友達の天然女と関わるのがちょっと嫌になった私は洞窟の奥に進む事にして、ポチも私に続いてくれる。
その様子をロザリーはジッと眺めていて、何を思ったのか馬から飛び降りる。
「パンツ、此処に流されてるかも。私も行く……あっ」
そんな声に続いて聞こえたのは海に何かが落ちる音、馬は空中で下は海、つまりは……。
「……困った。私、泳げな……」
全部言い終わる前に沈んでいくロザリー、声からは危機感が感じられないんだけれど、私は思わず飛び込んだ。
「あーもー! このお馬鹿っ!」
応援待ってます
アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません
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