ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい   作:ケツアゴ

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わか太郎さんにイラスト依頼です


誘惑皇女 (挿し絵あり)

「……っていた、我、待っていた。この時、この瞬間、我が望み叶う時」

 

 僕の目の前に今、完全に発情した女の子が目をギラギラよ輝かせながらにじり寄り、力強く踏み込む度に大きな胸が揺れる、薄い布で押さえている程度だから、それはもう揺れる。

 でも、幾ら大きな胸が好きな僕でも、目の前の子がワイルド系の美少女だろうと視線が釘付けになったりもしない。

 

 ……眼鏡にスーツか燕尾服、頭の良さを連想させる服装をすればギャップ的な魅力が感じられるとなんか思ってはいない。

 腰が抜けて立ち上がれない僕の目の前までやって来た彼女はその場でしゃがみ込み、僕の顔を覗き込んだ。

 獣を思わせる鋭く力強い瞳、腕も腹も筋肉で逞しく、肩をガシッと掴んで僕をこの場に縫い付けた状態で舌に唾液を絡ませ、僕の頬を舐める。

 

 わあっ!?

 

 声を出すのは意地で堪えた、正直言って逃げ出したい、何故かと言うとトラウマが絶賛蘇り中だから!

 

「……何で舐めたの?」

 

 唾液がベットリと付着した頬を押さえながら問い掛けるけれど、ぶっちゃけ勢いで聞いてしまっただけで答えを知りたいかどうかと問われれば……。

 

「貴様、夫。我、妻。再会、久方。故に、抱く」

 

「何でそうなる!?」

 

 はい、知りたくなかった内容、そして予想の範囲内!

 手をワキワキと動かし、息を荒くする彼女……シロノは今にも僕に襲い掛かりそうな状況、此処で”抱くのはそっち?”とでも言ってしまえば”其方が抱きたいか。了解。先ずは我、お前は後から”とか言い出して無理矢理一気に……。

 

 

 

「待たされた分、搾り取る。貴様も欲望に身を任せろ。我に抱かれ、此度は寝技での優劣を競え」

 

「寝技……」

 

 寝技は寝技でも意味深な方だよね、お子様お断りなジャンルでの寝技って事で間違い無いよね、そうですか!

 

 

 

 そもそも(性的な意味で)絶体絶命のこの状況、どうしてこうなったのかは少し時間を遡るんだ、勿論僕の魔法で世界の時間を戻すとかでは無ない意味で……。

 

 

 

 

 

「……駄目だな。ちょっと調子が出ない」

 

 早朝、日の出より前に中庭に出て夜鶴の本体を振るう。

 刃先が振るう方向に向けていれば、妖刀の名に相応しい切れ味からどれだけ長くても壁だろうが木だろうが遮蔽物が邪魔になんてなりはしない。

 ……じゃないと刃だけで三メートル近くとか、大型のモンスター相手なら兎も角、振り回す事なんて出来ないから槍みたいにしか使えないからな。

 因みに鞘も妖刀の一部だから切れないし、鞘に納めた状態なら物に引っかからない、妖刀って便利~。

 

「夜鶴達を出せれば対人戦の練習になるけれど、流石に忍者軍団を出せるとか知られるのは不味いからなあ。……刺客を消すのに便利だし、裏案件で頼りになる配下は秘密にする物だし。自慢したいけれどさ」

 

 それでも長いから重心が定まらないし使いこなすのは難しいんだけれど、僕は先生の教えでどうにかなっている……んだけれど、こうして振るうだけでは本当の価値を引き出せないし、修行だって本来の性能を発揮できていないんだよなあ。

 

「ゴメンね、夜鶴」

 

 コソコソ隠す真似をさせる事に負い目があるし、小声で謝ると鞘が小さく鳴る、気にしないで欲しい、と、伝えたいんだろう。

 

 

「気にしていないなら安心したよ。でも、何か要求が有れば……痛っ!?」

 

 一瞬だけ体に走る鋭い痛み、夜鶴は気にしていなくても、明烏の方はご立腹か。

 今の一瞬だけで”もっと自分の能力を使え。但し相応しい者のみに”という意思が伝わって来る。

 君の場合、満足する相手とは滅多に遭遇しない上に大っぴらには使えないんだから我慢をお願いしたいんだけれどな。

 雑魚を食う事に興味が無いなら、相応しい相手が現れるまでは辛抱強く待って……え? 探しに行けば良いだけだって?

 それかリアス相手に使え、とか、欲求不満の明烏からは不機嫌さがどんどん伝わって来ていた。

 

「そりゃそうだけれど、今は感謝の言葉か刀として振るうだけで耐えてくれないかな?」

 

 もう一度痛みが手に走り、心の中で呼び掛けても明烏から反応は返って来ない。

 ”私から一度厳しく注意します”、だなんて夜鶴が言ってくるけれどさ、彼女達みたいに人型の肉体を作り出す能力を持っている訳でもなく、元々が武器として生まれた存在。

 他の事で気を紛らわせる事も出来ないのなら、この反応だって当たり前だ。

 意思を持って僕に力を貸してくれている以上、最低限の報酬すら用意出来ていない僕が責められても当然の事なのさ。

 

「分かった。夏休みに入ったらお祖父様に頼んででも強い奴を探し出すし……神獣との戦いに君を使おう。……それで良いかい?」

 

 呼び掛けてながら鞘を撫でる。

 心の中でも伝わるけれど、僕はちゃんと言葉に出して伝えたかった。

 返答は無し、それでも微弱な痛みが走ったし、一旦はそれで納得してくれたって事だ。

 

「じゃあ、それ以外にも今日は夜鶴と揃って手入れを……っと、誰か来たか」

 

 素振りの最中、ネーシャが窓から見ていたし、昨日約束したデートに誘いに来たのだろう、ぶり返す恥ずかしさを抑え込み、少しぎこちない感じのする足音が聞こえた方向を向けば、矢張りネーシャがやって来ていた。

 酒の勢いで大胆になり、それをちゃんと覚えているのは向こうも同じなのか、耳まで真っ赤にして視線はチラチラと向けたり離したり。

 その様子は可愛いと思う反面、余計に恥ずかしくなったけれど、僕は彼女から視線を外さない。

 

「凄く似合っているよ、ネーシャ。月並みな誉め言葉しか出ないけれど、その服が君の魅力を際立たせているって素直に思うよ」

 

 いや、外せない、の方が正しいのだろう。

 恐らくはかなりの高級品、あの見た目でも魔法の力で分厚い金属製鎧よりも身を守る性能が高いのだろう、そんな事も少しは思ったけれど、それよりも彼女のチャイナドレス姿に視線を奪われていたんだ。

 スリットとか胸の辺りが苦しそうだとかセクシーな部分はあるけれど、それ以上に美しいと思ってしまい、誉め言葉が自然と口から出たよ。

 

 言った後で僕も彼女も羞恥心が凄い事になったけれどね。

 

 

「あ、あの、お早う御座います、ロノス様。えっと、その……」

 

「お早う、ネーシャ。じゃあ、早速デートに行こうか。ほら、失礼するよ」

 

「きゃっ」

 

 完全に視線を外し俯いてしまった彼女に近づき、問答無用でのお姫様抱っこ、驚いた声を出したけれど抵抗もせず、抱き上げた後は僕にしっかりと掴まっている。

 

「海の方は人魚が出たら厄介だし、森の方に散歩に行こうか」

 

「は、はい。……二人きりになれる場所が良いです」

 

 あの自信に満ちあふれた彼女は何処に行ったのやら、か細いながらも何かを期待する声に従い僕は森の方に行くんだけれど、二人きりになれる場所かぁ……もしかして、そういう事?

 

 

 朝も早くから驚きつつも、勘違いなら恥ずかしいから敢えて口にはしない、期待も顔には出さず、知らない振りを続けよう。

 

「あの、ネーシャ……いや、何でもない」

 

 外から見た感じとか押し当てられた時の感触で少し思ったけれど、流石に聞けない、下着の有無は。

 そう、どうも彼女はノーブラノーパンの可能性がある。

 

 そんな状態で二人きりか……矢っ張り誘われてる?

 

 

 

「所で僕、汗臭くない?」

 

「ロノス様の臭いなら汗臭さでも……なんて冗談を言ったら引きまして? ふふふ、川で水浴びでも致しましょう。ロノス様の魔法ならば服も直ぐに乾くでしょう?」

 

「じゃあ、川に行くとして人魚が昇って来たりは……」

 

「それならば私に考えがありますので大丈夫ですわ」

 

 ログハウスを出て歩く事数分、余裕が出て来たのか冗談を口にする程度にはネーシャは落ち着いたらしい。

 

 うん、冗談だ、そうに決まっている。

 だって、僕の胸元に顔を近付けて臭いを嗅ぐ筈がないんだから。

 

 ネーシャって臭いフェチでもあったけれど……いや、それ何処情報だよ、僕。

 

 またしても知らない記憶が蘇り、ネーシャの情報を得たけれど、酒が残った影響とでも思う事にする僕であった。

 

 

 

 

「それではこの辺で良いでしょう。ほら、こうすれば……”アイスウォール”」

 

 僕達がやって来たのは一番深い所で川の水が膝までの深さがある辺り、地面が斜めになって少しずつ深くなっていて、僕達を囲むように氷の壁が出現する。

 朝早くても少し暑かったけれど、氷に囲まれたからかヒンヤリするとさえ思えた。

 

 

「じゃあ水浴びにしましょう。ロノス様、服が張り付いては気持ちが悪いでしょうし、上だけお脱ぎになっては? 私は……下着姿で浴びますので」

 

「え? 脱ぐの?」

 

 この場で下着だけになるって大胆発言、思わず聞き返してしまったら、ネーシャは恥ずかしくなったのかプイッて顔を背けてしまった。

 

「……別に平気ですわ。私が欲しいと仰ったロノス様に見られていますもの。このドレスは大切なので元に戻せても濡らしたくないですし……脱ぎます」

 

「そう……」

 

 それを言われたら何も言えず、目の前で服を脱いで下着姿になる女の子をジロジロ見れもしない僕は背中を向けて上だけ脱ぐ。

 

「……あ、あれ? どうしてこんな事に?」

 

 背後から聞こえた服を脱ぐ音の後、戸惑う声。

 何が起きたのかと思わず顔を向けてみれば、下着姿じゃなく生まれたままの姿のネーシャが其処に居た。

 

 

 下着、矢っ張り着てなかったんだ。

 

 

「下着、後で選ぶ気だったのに……」

 

「そのまま着けるのを忘れちゃったか。……服着る?」

 

 これは今日は帰った方が良いのかと直視しないように視線を外して訊ねたけれど、ネーシャの方から近寄って来る音が聞こえ、正面から抱き付かれる。

 本来なら耐えられたけれど、今は動揺からかそのまま強引に体勢を崩され、尻餅を付いた僕の上にネーシャが乗っていた。

 

「「……」」

 

 互いに声が出ない中、ネーシャの方から唇を近付けて来る。

 僕も彼女の背中に手を回し、そのまま抱き寄せて唇を重ねてしまった。

 

 

 ああ、僕じゃない僕の、目の前のネーシャじゃないネーシャへの想いが溢れかえり止められそうにない。

 そして、そのまま……。

 

 

 

 

 

「見付けた」

 

 彼女を押し倒す寸前、聞こえた声に硬直した瞬間、分厚い氷の壁を突き破って腕が出て来る。

 二人してその光景に固まる中、腕は引き抜かれ、氷の壁めがけて向こう側から振り抜かれたと思ったら、易々と砕いて……彼女は僕達の前に現れた。

 

 誰だか一瞬分からず、ネーシャを庇おうと背中に隠した僕は直ぐに相手が誰なのか理解してしまった。

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

「シ、シロノ……?」

 

 

 トラウマとの再会、そして冒頭へ時間は戻る。

 

 

 

 

アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません

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