ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい   作:ケツアゴ

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怪しい客人

「大変申し訳御座いません、ロノス様。出来心でとんでもない事をしでかしましたわ。折角結ばれると思いきや又しても乱入者、しかもロノス様を狙った女性。嫉妬と焦りからつい……」

 

 素直な謝罪と明らかな好意の伝達、交渉が上手いと評価すべきか謝罪のコツを理解していると感心すべきか。

 

 幾らムードに流されたとは言っても少し行き過ぎに思えたシロノを撫で回した後に彼女の隣でネーシャと色々と行うなんて真似、それがシロノが発情期に発していたフェロモンで引き起こされた物だと知っていながら煽った事、僕の無知と結局は同意の上だったという事を考えたら……。

 

「ま、まあ、どうせ君達皇帝陛下の養女達とのお見合いは結果が決まった出来レースだ。今回の事に至った経緯は互いの為に黙っては置くけれど」

 

「まあ! それでは私を伴侶の一人に選んで下さるのですね! うふふふ、プロポーズされた気分ですわ。それは勿論私達の間の内緒事という事で」

 

 唇に人差し指を当てて”しー”と冗談混じりの笑顔は年頃の女の子らしい可愛らしい物。

 今は野心も背負う物も忘れて彼女自身の魅力が現れているんだろう、普段からこうなら

 

 婚約決定前に手を出しただなんて少なくても良い事態を招かない好意だ、僕も彼女ね。

 今回の一件、僕が知らなかった事への責任を差し引いてもネーシャの方も結婚後のクヴァイル家内での立場に響くけど、関係を持った以上は他の御しやすい子を気に入ったと言って強引に選べない。

 

「む? 二人共、結婚は確定で無かった? 私、確定」

 

「色々有るのですわよ。……一人称変わってません?」

 

「気の高ぶり収まった」

 

 ああ、会った時は我じゃなくて私だったからね、つまり我になったら発情期だと覚えておけば良いのか。

 シロノ対策に役立つ情報に安堵しながら改めて彼女を見る、もう不完全ながらトラウマは解消されたのか興奮が落ち着いた今でも大して恐怖は感じない。

 (性的に)襲われた恐怖は発情期で激増した性的感度を刺激しまくった事で乗り越えられたって事だね。

 

「……改めて見ると凄いな」

 

 だから落ち着いて観察する僕は思わず呟く。

 

「お胸ですか? 確かにシロノ様は立派な物をお持ちですが、筋肉の割合が少ないから柔らかさでは勝っていますし、形には自信がありましてよ?」

 

「違う、そっちじゃない。額だよ、額」

 

 ったく、僕を何だと思っているんだ? 

 確かに大きな胸は好きだ、柔らかい肉に指がズブズブと沈んで行くのも、弾力がある胸に指が押し返されそうになるズッシリとした感じも、おっと、今はそれは別の話、今は関係無い話だな。

 

 ……尚、この事は絶対にリアスには言えない、妹へのセクハラだって理由以外でも、あの子が怒るって事でも。

 

「額? この傷か? 何を気にする? ロノス、貴様は女の顔に傷が有ろうと拒絶しない、そう知っている」

 

 僕の視線の先が自分の額、僕を襲おうとしたせいでマオ・ニュに制裁された結果負った傷を指先で撫でながら不思議そうにしている。

 おっと、結婚相手の顔に傷がある事を気にする男だって思われる可能性も有ったのか、今の言い方じゃ。

 

「うん、気にしない。君の魅力は傷なんかで台無しになる程度の物じゃないからね。だけどまあ、一般的に顔に傷が残るのって女の子は気にする物だからさ。……あの時、僕に何かが出来たのなら傷が残らなかったんじゃないのかって思うんだよ」

 

「私、気にしない」

 

 確かに戦闘民族のシロノにとって傷は勲章同然、それがギヌスの民最強の二人の片方であるマオ・ニュならば誇りに思うんだろうけれど、それは戦いにおいての話、勝手な行動に対する処罰で受けた傷は何かが違うと彼女も思っていそうだ。

 まあ、シロノならマオ・ニュから殺意の込められた一撃を与えられた事さえ糧の一つだと思っているんだろうけれど。

 

「僕が勝手に気負っているだけさ。……そろそろ戻らないとね」

 

 要するに自己満足、大きなお世話、トラウマが少し収まって親近感を覚えたからって急に気にしているだけって事で、これ以上は侮辱か。

 じゃあ、この話は此処まで、例え気にしていたとしても額だけでなく全身まで傷を負う前に戻したら今までの積み上げを崩す事になっちゃうしさ。

 

「帰るのか、残念だ」

 

 ポチにご飯をあげなくちゃいけないし、僕達の朝ご飯の用意も必要だ。

 運動した後だからお腹も減っているし何か腹に入れたい気分。

 ……この”運動”は下半身のって意味じゃなく、素振りとかの日課的な意味で。

 

「飯か、夫と食卓を囲みたいが、私にも予定有る。では、また会おうか、ロノス」

 

 金棒を拾い上げ立ち去ろうとするシロノだけれど、そもそもどうしてギヌスの民の生活圏外に彼女が居たのか今更ながら気になった僕は呼び止めようとしたけれど、声を出す前にその腕を掴まれ引き寄せられる。

 

 

「此度、私の不覚。次は勝つ。ねじ伏せ、搾り取る。……手付けだ」

 

 そのまま胸倉も掴んで顔を寄せての強引で乱暴なキスは当然の如く舌を口の中にねじ込まれて水音をわざとらしく立てる物。

 十数秒後、今は満足したとばかりに舌なめずりをしながら捕食者の視線を僕に向ける姿に動けず、鼻歌交じりに去って行く後ろ姿を黙って見詰める中、トラウマがぶり返してしまうかと思ったのは言うまでもないだろうね……。

 

 

「じゃあ行きましょうか、ロノス様。帰りも運搬お願いしますね」

 

 僕の心境なんて分かっていても気にした様子すら見せず、ニコニコと僕の首に手を回してくるネーシャの図太さが羨ましくなって来た僕は溜め息と共に彼女を抱き上げる。

 来た時は体が柔らかくて軽いって思ってはいたけれど、ノーパンノーブラ状態だと知った今では気になって来たな。

 胸とか腰の辺りとかドレスの薄い布の下もバッチリ見てるから頭に浮かんでしまう、駄目だ駄目だ考えないようにしないと。

 

「私の服の下が気になりますの?」

 

「何の話だい? ほら、ちょっと急ぐから揺れるよ。……”加速(アクセル)”」

 

「きゃあっ!?」

 

 見抜かれたのか、それとも取り敢えずからかって来ただけなのか誘惑するみたいな声で囁いて来たネーシャをしっかりと抱き、魔法で一気に速度を上げて悲鳴が上がっても気にせずに走り抜く。

 スリットの辺りが風でヒラヒラ動くからだろう、慌てて手で押さえる姿に可愛いと思いつつ態とでこぼこ道を選んで飛び跳ねてみれば、うなり声と一緒に抓られるけれどシロノに比べれば全然痛くない。

 いや、戦闘民族と一緒にしたら悪いんだけれど。

 

 

「……所でロノス様、結婚が決まった事ですし、今後も可愛がって下さいね? たぁ~っぷりご奉仕致しますので」

 

 

 ……意趣返しか本気なのか余裕も無いだろうに甘え声で耳に息が掛かる距離で囁く。

 そんな事をして、する注意散漫だからスリットの布が激しくめくれ上がって下っ腹の辺りまで丸見えになったのを慌てて押さえたのは可愛かった。

 

「……見ました?」

 

「何を? 僕が何を見たと言うんだい? ほら、言ってご覧」

 

「っ~!」

 

 ポカポカと殴ったり抓ったり、そんな事をして来る姿も愛おしい。

 ああ、彼女と今度こそこんな日々を……またか。

 

 

「何か水を差された気分だな」

 

 嬉しいという気持ちが込み上げて来たけれど、又しても僕じゃない僕の記憶が関係した物だ。

 僕の呟きにネーシャが首を傾げる中、幸福な気分に台無しにされるって奇妙な感覚を覚える中ログハウスが見えて来る。

 ほら、ポチが僕を呼ぶ声も聞こえて来たよ。

 

「キュ~イ!!」

 

「あれ? 普段なら飛び込んで来るのに……」

 

 僕に気が付いて大喜びのポチだけれど、今朝に限っては何故かその場から移動もせず、飛び跳ねすらしていない。

 怪訝に思って近寄ればポチの足に踏んづけられ、鉤爪の先がほんの僅か……数ミリ程度肩に突き刺さった状態で押さえ込まれている男の人の姿。

 日に焼けた逞しい腕からして肉体労働者、海の近くだから船乗りかもってのは短絡的かな?

 

 それにしても……おいおい、ポチったらどうしたんだ!?

 

「糞っ! 退けよ、このゲテモノ! ぶっ殺すぞ!」

 

 その男が必死に手を伸ばす先に有ったのは毒を塗っているのか刃先が僅かに錆びたナイフだ。

 成る程、ポチがあんな事をしている理由が判明、明らかに不審者だ。

 

 暗殺者かな? 暗殺者っぽいね、問い質して暗殺者を確定させたら、土に還って二度と喋れなくなる前に歯をへし折って喋りにくくしてやろう。

 

 ははははは、誰がゲテモノだって? 誰をぶっ殺すって言ったのかなぁ、彼は。

 

「あら? 彼は確か……」

 

 おっと、この男とネーシャは知り合いみたいだね。

 

 

 

アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません

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