ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい 作:ケツアゴ
「……気に入らんな。ああ、気に入らん」
「キューイ?」
人魚の歌に反応して向かっていったロノス達が面倒な話を持って帰って来たのは別に良い、妾とて厄介事に巻き込まれた事で怒る狭量な女ではないのだから。
桃幻郷の人魚共がやって来た、確かに面倒な話なのだろうが海は広く深いのだ、連中を相手しているギヌスの民とて全土を守るのは無理であるし、そもそも聖王国以外の地を守る気も義務も無い。
「おい、もう少し仰向けになっていろ、ポチ。妾は貴様の羽毛の寝心地が嫌いではない」
元々同じ部族が分かれただけの人魚共のいがみ合い、それをどうにかしろ等と学生に押し付ける老害にも腹が立っていたが、ロノスならばどうとでもなったのだろうよ。
少々難しい課題程度だったろうが桃幻郷が関わっているのなら話が変わって来る。
「まあ、妾には無縁の話。人間同士で話し合っていれば良い。だろう? ポチよ」
当然妾はその様な話し合いに参加してやる云われは無いのだからポチの腹の羽毛を堪能しつつ時間潰しだ。
妾は妖精の姫、優雅で高貴な存在は……ぬぅ!?
「あの女、幾ら何でも密着し過ぎだ!」
あの蛮族中の蛮族の様なウサギ女、ピカピカ女ことリアス以上に脳味噌まで筋肉で構成されたシロノはウンディーネ族に関わっていたそうだが、だから話を聞き出すのは別に良いだろう、その程度なら妾の半径二百メートル以内に入る程度は許してやるが、どうしてロノスの隣に座らせている!?
そもそも、そもそもだ!
妾と奴、そのどちらかがクヴァイル家に正妻として嫁ぐ、つまりシロノと妾が現在同等扱いをされているという事になるのだ、信じられるか?
まあ、ギヌスの民であるナギ族とナミ族とクヴァイル家の関係は知っている、我等妖精族と同じ程度の重要性なのも……防衛で重要な役割を担っているのだから受け入れてやろう、妾は度量は並ではない。
だが、シロノは別だ、奴だけは気に入らん。
ロノスに対して馴れ馴れしいし、戦闘民族にしても奴は行き過ぎなのだ!
「まあ、馬鹿馬鹿しい怒りではあるが。妾が選ばれるのは揺るがない事実。これは感情の問題でしかないが……」
人の心は複雑怪奇、悩む必要の無い事で悩むなど、妾も王族としては未熟なのか。
「いや、これでは妾がロノスの正妻になりたい様ではないか。いやいやいやっ!? 正妻でないなど妾の誇りが許さぬだけで、別に男として好きな訳では……」
「キュイ?」
「”違うの?”ではない! 違うのだ、覚えておけ」
「キュイ……」
”素直じゃないなあ”とはどういう意味だ、邪推しよって!
……いかん、長年の癖が出てしまったではないか。
好意を認める、但し己を騙さぬだけ、そう決めたのだが、どうしても否定する方向に頭が働いてしまうとは。
大っぴらに認めてしまえば楽なのだろうがな。
「馬鹿馬鹿しい。何があっても決して妾の口からは奴を好きとは言わぬ。正妻になって欲しいと頼まれれば受け入れよう、妻になったのなら夜の営みに応じてやっても……」
「キュイ?」
「……貴様には少々早い話だったか。直ぐに忘れよ」
さっきから私は子グリフォン相手に何をやっているのやら。
純粋な瞳で首を傾げて”夜の営み?”と理解出来なかった言葉の意味を尋ねられても答えようが無い。
忘れろ、後で絶対にロノス達に意味を尋ねるでないぞ。
お菓子を与えてやる、だから絶対だ。
「動きがあったか……」
窓から室内の様子を伺えばハーフエルフの教師が何か説得しようとし、赤髪の男が不満そうにしているがチェルシーが後頭部を叩いて何か言い聞かせているらしい。
おい、それは良いとしてロノスに抱き付こうとするな、脳筋ウサギ。
リアス、そのまま引き剥がして近寄らせるな、何なら殴って気絶させても構わぬぞ。
「ぬぅ……」
あわや殴り合いにまで発展しそうな時、ロノスが何やら言って二人の間に仲裁に入っている様子を眺めていたのだが限界が近い。
このフカフカの羽毛の持つ極上の寝心地が妾を睡眠に駆り立てる。。
苛立ちも魅惑の寝具の前には無力で、睡魔に負けた妾は眠ってしまうのだが元より妖精族は自由に生きる存在、こうして夜でもないのに眠る姿も優雅なのだ、何一つ恥じる必要がな…い……。
「すやぁ……」
ふと、目を覚ませば見知らぬ部屋のベッドの上、更には妾は人間サイズ、一体何があったのかと首を傾げるも分からん。
そう、全く分からんのだ。
「何故ロノスが隣で寝ている? しかも妾も此奴も裸ではないかっ!?」
ベッドの下に視線を向ければ寝間着らしき衣服や下着が乱雑に脱ぎ捨てられ、この状況は誰が見ても事後、認識した途端に足腰が立たない気がして来たのだが……。
「取り敢えず起きろ、ロノス! 状況を説明せよ!」
窓を見ればカーテンの隙間から月明かりが差し込んで時刻が夜だと教えてくれるが他は不明。
だが、流石にロノスならば何かが分かるだろうと声を掛けても起きぬ。
ならばと上に乗って体重を掛けながら揺れ動かすが……何か忘れていないか?
確か重要な事を……今は後回しにしよう。
「ええい! 呑気に寝ている場合じゃ……ひゃっ!?」
そうだ、妾、今裸であった。
全裸で全裸の男の上に乗っている、そんな状況に気が付いて羞恥心が頂点に達した妾の腰に回される腕、そのまま引き寄せられてロノスと視線が交わるのだが、普段向けられている親愛の籠もった物とは違う気が。
第一、何故この様な姿でこの様な所に居るのだ?
何か妙な感じ…が……。
「未だ足りないのかい? そうだね、新婚初夜なんだから楽しもうか」
「……うん?」
今、新婚初夜と言わなかったか?
言われてみればその様な気もするな、そうか今は新婚初夜だったのか。
腰に回された手も新婚初夜ならば振り払う訳にも行かぬだろうし、なすがままにされてやろう。
「それでどうする? さっきは僕が奉仕する感じだったけれど……」
「さっきまでと同じで良い。貴様が妾に奉仕するのだ。だが、その前に一つ……」
抱き寄せられ耳元で囁かれるだけで身震いがして、先程までと言われても全く思い出せない行為も余韻だけは残っている気がする。
主導権を渡す訳ではないが同じで良いだろう。
先に条件を提示せねばつけあがりそうなのが困り物だがな……。
「妾に愛を囁いて……それからキスをするのだ。さすれば妾を抱かせてやろう」
「愛しているよ、レキア」
頭の中が沸騰しそうな中、ロノスの唇が近付いて、妾もそれを受け入れる準備を……。
「キュキューイ!」
準備をした所で目が覚める。
「夢か。……そうか、夢だったのか」
右を見ればポチが仰向けの姿勢のまま鼻提灯を膨らませながら寝ているが、今のは寝言か。
折角の……いや、ベ、別に惜しい夢でもないのだし、もう一度寝て続きが見れるとかは無関係に二度寝を……。
「みにゃっ!?」
左には仰向けになってポチのお腹を枕にスヤスヤ眠るロノスの姿……心臓が止まるかと思ったではないか、戯け。
「どうしてくれようか。……ふむ」
恐らくは少し枕にするだけの予定が眠ってしまったのだろう。
ならば何かあれば直ぐに起きるであろう、その時に悪戯をしてやる。
人間サイズになり、ロノスの唇に唇を近付ける。
ふふふ、この距離で止めて声を掛けて起こした時、どの様な反応をするのか実に楽しみ……。
「おい、ロ……」
「先客か。早くすませる。次、私」
突如後頭部を軽く蹴られた勢いで妾は前に押されて、その勢いでロノスに抱き付いた姿勢で唇を重ねてしまった。
「……貴様、妖精の姫たる妾の頭を蹴ったな?」
ロノスが目を覚ましたが素早く起き上がり背中を向ける。
別に恥ずかしいからではない……ぞ。
今は睨まねばならぬ無礼者が居るだけだ。
「うん? ああ、レキアか。大きくなれたか、驚き」
ええい! 不愉快だ!
感想、ください
アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません
-
ポチ
-
レキア
-
夜鶴
-
ネーシャ
-
ハティ
-
レナ
-
パンドラ
-
サマエル
-
シロノ
-
アリア