ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい 作:ケツアゴ
「では、話し合いを始めましょう。分体達、何か意見はありますか?」
周囲を竹藪に囲まれた平屋建ての屋敷の一室、東の大陸で”忍者屋敷”なる物に酷似したその場所の上座に座った私の目の前には跪いた自分と同じ顔の面々。
此処は私こと妖刀・夜鶴の精神世界、本体である大太刀の内部に潜んでいる時に過ごすのがこの場所で、今出ている分体を除く数十人が揃っていた。
……まさか人魚共が私と明烏を秘宝として保有していたとは。
主ならば私達を明け渡す事は無いでしょうし、売り払った上に元々私達の主に選ばれた訳でもない連中に引き渡されたとして、それは残りの宝を奪って戻って来いという無言の指示だとは思っていますが、一応会議をば。
ちょっと昔……妖刀の感覚での期間ですが、僅かな間に本来は無個性だった分体がすっかり自我を手に入れて、主は嬉しいらしいので私も嬉しいですが、この様な場合は少し面倒。
私が大元なんだから、私の意見に従えってなっているのが手っ取り早いのに……。
それでも今の関係はそれ程嫌いでは無い。
「はい! 主が私達を捨てるはずがないし、そんな事よりも次の夜伽に向けての会議が良いと思うよ」
ただ、ちょっと困る事も多いけれど。
私、割と真面目な話をしていたのに、この分体は本当に……。
「さんせーい! 前回は褌一丁で拘束された状態での尋問プレイだったっけ?」
「くっ殺からの即落ちだったけどね、本体」
おい、分体、少しは真面目に……夜伽の相談か。
夜伽……夜伽かぁ。
その言葉を思い返せば明確に浮かぶのは主と最初に交わった時の事、その後に幾たびも様々なシチュエーションやら行為の内容を楽しんだが、私としては主と一対一で愛して欲しい。
それと即落ちと言うが、そうさせたのは、手が空いている間、自分の指で気を紛らわせて居たのは誰だと?
毎度毎度、分体達まで加わる上に感覚を強制的に共有させられるせいで常に感じさせられる通常の数十倍の快楽。
私の肉体が魔力で形成された存在でなければ頭が焼き切れそうな快感を常に感じ続け主に情けない姿を晒す事に一種の楽しさを覚える今日この頃……ではなくてっ!
「お前達、少しは真面目にやれ。夜伽など主が望まれた時に望まれる内容のを行えば良いだけの事。それよりも重要な仕事は多いのだぞ」
「分かってるよ、ちゃんと仕事はする。……他の家の連中の目があるから朝の修行でお相手を任される事も無いし寂しかっただけよ、本体」
「我等”
「既に我等分体……夜から二体が出ているのは分かっているでしょう? 一体はセイレーン族の里の入り口を、もう一体はリカルドとやらを追うお二人の更に後方からウンディーネ族の里を探っている」
やれやれ、自我が芽生え個性が分岐してしまった分体達だが根本は私だ、心配は要らぬと分かっていたが、こうして神妙な顔で応える姿を見れば余計な不安も消え失せる。
食事を楽しむ事も、余暇はのんびりと過ごしたいという欲求も、主と肉欲に溺れたいという欲求も存在するが、飢えず眠らず孕まず、三大欲求は人の姿を得た事で発生した真似事の類、つまりは偽物だ。
つまり、忍びとして、道具としての滅私奉公こそ我等の願い、我等の誇り。
妖刀夜鶴とはその様な存在で……。
「じゃあ、次の仕事は報告待ちとして、次はどんな風なのが良いかって話に戻ろうよ。うーん、婚約者様達には恥ずかしかったり遠慮してお願い出来ない内容が良いかな?」
いや、再開するの!?
ええ、まあ、どの様な内容でも応じますが、確かに。
「全てを受け止めるという意思を示す為として構わないでしょうね。……私は前回とは逆で私達が尋問する側が良いかしら」
主を数人で押さえ、快楽責めにする……うん。
「メイドとか花嫁衣装も……」
レナ様ならメイド服を貸して頂けそうですね。
洗う前にお返しするという条件で。
「何というか煩悩が凄い……」
次々に出て来る性癖に思わず呟いた。
これが本当に私の分体?
え? 実は心の奥でこんな風な部分があって……。
知りたくなかった事実に打ちのめされそうになりながらも堪える。
私が本体なのだし、制止するのも私の役目!
「静粛にせよ!」
背後の壁を拳で叩き、猥談に夢中になり始めた分体の意識を己に向けさせる。
ああ、本当に我が分体ながら呆れ果てる連中だ。
さて、ちゃんと言わねば。
役目の時に備え、各々意識を集中させろ、とな。
「私は背後から抱きしめられ指で全身を撫でて貰……ではなくっ! 各自、任務に備えて気を引き締めよ!」
あっ、完全に間違えて誤魔化しになっていない。
分体のニヤニヤとした笑みを見ていられず思わず知らん振りを決めた時、追跡をしている方の分体から感覚の共有が届く。
沖より少し離れた孤島近く、トアラス殿達がタマの背に乗り遠くから様子を伺う中、リカルドは息を吸い込んで海中に潜る。
分体もまた潜れば完全に油断したらしい男が島に繋がっていそうな穴を進もうと……ちっ!
「分体がやられた」
獲物を狙う時こそ最大の隙が生じる。
分体もまた、リカルドの追跡に夢中で背後より迫った相手に直前まで気が付いていなかったのだ。
最後に見たのは巨大な獣……恐らくは犬か狼の頭。
それが触手の様な物の先から生えて何処かに繋がっている所だった……。
「本体、やられた分体の復活に必要な時間は?」
「……一ヶ月。今回は不意打ちで情報の保存が間に合わなかった。再現には時間が必要だ」
空気は一変、分体達が殺気立つ。
私も同様、内部で怒りが燃え上がる。
分体は私の内部から出でし存在故に例えやられても復活は可能……単純な復活ならば。
減った分を補うだけなら即座に、個性を得た状態……消えた分体本人の場合は私の内部の情報から復活させるのは容易ではなく、本体に戻るべく情報を送る時間の無かった今回のケースなら尚更。
それでも復活の効く存在、結局は私自身……そんな言葉では済ませられない。
主は個性の芽生えを喜び、私も分体の起こす騒ぎに気苦労を覚えつつも徐々に別の存在となっていく彼女達に親しみを持っていた。
「これより主に願い出て出陣の許可を得る。夜一同、私に付き従え」
「「「御意」」」
故に今回の一件、我が手によって落とし前を付けさせて貰おう。
私の仲間を傷付けた罪、命を持って償うが良い。
アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません
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ポチ
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レキア
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夜鶴
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ネーシャ
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ハティ
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レナ
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パンドラ
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サマエル
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シロノ
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アリア