ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい   作:ケツアゴ

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大体メイド長の仕業です

 うちのメイド長は自称神メイド、神業と呼ぶに相応しい仕事ぷり。

 だから偶~に自分で神メイドとか言っている、まあ良いんじゃないのかな、実際に優秀なんだし。

 

「若様、パンドラ様に此方の品を差し入れてあげて下さいませ」

 

「うん、分かった。これは……お香とお茶?」

 

 渡されたのはお盆に乗せられたお茶とお香、疲れているからこれを持って行けと。

 メイド長の用意した物だし疑う必要は無い。

 

 だけど急かすように背中を押されてパンドラの部屋に向かっているのは何故だろう?

 メイド長の事だし……いや、それでも。

 

 グイグイと僕の背中を押すメイド長の力は強い、それでもって強引に進んでいるにも関わらず僕は転びそうにもないぢポットに入ったお茶は一滴も溢れない。

 

 流石はメイド長、抜かりない。

 

 

「メイド長、流石は勤続数十年、最古参の使用人なだけあるね。亀の甲より年の功……」

 

「若様、女性に対して年齢の事を口にするのは如何なものでしょうか?」

 

 あっ、マズい。

 

 うっかり口が滑った瞬間に背後から穏やかながら激しい怒りを秘めた声、メイド長が割と本気で怒っている時の声だ。

 この時の彼女にはレナスもマオ・ニュも逆らえない……マジで何者なのさ、メイド長って。

 

 

「乙女の秘密だと言っておきましょう。女神とは基本不老不死……流石に女神は言い過ぎですね」

 

「女神は流石にね。さてと……」

 

「……いえ、後五秒お待ち下さいませ」

 

 ちょっとだけ恥ずかしそうな声を出しながら動きを止めるメイド長、急に止まったにも関わらず押されていた僕がつんのめる事も無い。

 絶妙な力加減で僕を引っ張り、前に向かう勢いを相殺したメイド長はパンドラの部屋の扉をノックしようとした僕の手に手を添えて止める。

 メイド長のする事だし、何かあるのだろうけれど……。

 

 

「部屋の中から衣擦れの音が聞こえました。……もう宜しいでしょう」

 

 

……それに扉の向こうから聞こえる音からして鍵をかけ忘れている様ですね。少しお疲れの様子でしたし、若様のお帰りの時間も少し早かった。寝過ごして慌てて着替えているという……今ですね」

 

「え? いや、せめてノックを……」

 

 お盆で両手が塞がっている僕の代わりに扉を開くメイド長だけれど、急に開けるのは兎も角、今なら入っても問題が無いって事……。

 

「急に入ってごめんね。パン…ドラ……」

 

「わへっ? 若様……」

 

 着替え中だからと入室を一旦止められ、もう大丈夫だと押し込まれたのだから普通は着替えが終わったと思うよね?

 完全にそう思っていた僕は真っ先に目に入ったパンドラの赤紫色をした長い髪に視線を向け、掛けられた声に反応した彼女が振り向けば着替えの真っ最中。

 スカートは脱いで椅子の上に置き、ブラウスのボタンを外して今まさにに脱ぐ寸前。

 

「綺麗だな……はっ!?」

 

 白い肌、括れた腰回り、長身でスレンダーな彼女の体型が丸分かりで、その美しさに口から素直な感想が漏れる。

 下着は……上下ともにピンクのレース付き、正直言って眼福な光景に僕は固まり、パンドラも状況が飲み込めずブラウスの前面を左右に広げた状態で動けない。

 

「では、私はこれで」

 

 そんな状況を作り出したメイド長の声の後で扉がゆっくりと閉められ、外から鍵の掛かる音。

 

 ……まさか嵌められた?

 

 もしメイド長が止めた時に入っていたらスカートを脱ぐ前の状態だっただろう、所でパンドラって下から脱ぐんだね。

 

 

「あ、あの、若様、出来ればその、彼方を向いて……」

 

「う、うんっ! そうだね……」

 

 しどろもどろになりながらも最初に動いたパンドラが指で示した方を向けば慌てて着替える音が聞こえる。

 

「きゃっ!? あっ、大丈夫ですのでっ! ちょっと転びそうになっただけで……。あれ? あれあれ? 着替えは何処に……」

 

「……これかな?」

 

 僕が向いていたベッドの上には綺麗に並べられたおしゃれ着と下着(黒)。

 普段の冷静で基本完璧な彼女からすれば慌ただしいけれど、僕が急に入って来たから……あー、駄目だ。

 どうしても意識してしまう。

 

 急に目にしてしまった下着姿や着替えの音、そして今から着替えるであろう服。

 特に下着を付け替える姿が勝手に頭の中で流れて……。

 いや、流石に服は別のを出すか。

 

 パンドラは知的で冷静で有能な女性だけれど、男女間の事になれば途端に羞恥心で頭の働きが鈍る。

 それでも下着姿のまま男の横から手を伸ばして服や下着を手にしたりなんかは……しているよ、現在進行形で。

 

 ブラを外した所で気が付いたのか僕の背後から必死に手を伸ばして着替えを取ろうとしているパンドラに出来心から視線を横目で送ってみれば小さく引き締まった臀部が見えて慌てて視線を外すけれど、目に焼き付いて目蓋を閉じても消えやしなかった。

 

「あ……後少し……」

 

 長い髪が右に流れる事でさらけ出された綺麗な背中、普段から露出度の低い服装をピチッと着こなしているからこそ今のように肌が見える時には印象が強い。

 

 取り敢えず背中を向けるとして、パンドラったら本当に冷静さを失ってるなあ。

 別の服を出せば良いのに、後でお茶でも飲みながら教えたら笑い話に……あっ。

 

 僕の手にはポットとカップとお香が乗ったお盆。

 一旦何処かに置けば良いものを、冷静さを失っているのは僕も同じか……。

 

「取り敢えず僕は見えないようにしておくから着替えて」

 

「は、はい……」

 

「急に入っちゃってごめんね。文句はメイド長に言って」

 

「言えるでしょうか。相手は女神ですよ。……あっ、今のはお忘れ下さい」

 

 冷静じゃなかったと自覚すれば落ち着くものだ。

 お盆を近くに置き、先にお茶を一杯飲んで一息付こうとし、途中で止める。

 

 そもそもパンドラの部屋に僕を連れて来たのは誰だ?

 それはメイド長だ。

 

 彼女が着替えているタイミングを見計らって僕を押し込んだのは?

 それもメイド長だ。

 

 なら、このお茶とお香を用意したのは?

 当然メイド長だ。

 

 恐る恐るお茶とお香の匂いを嗅げば頭が少しぼやける既知の感覚、虹色オオミミズの核を使った媚薬効果のお香にお茶も精力剤的な奴だ。

 

 

「何を考えてるんだ……女神発言は少人数にのみ話す気だったけれど、大勢に話そうかな」

 

 事故を防ぐ為に時間停止させた空気でお盆を包み、パンドラの着替えが終わるのを待つ。

 どうしても着替えの光景が頭に浮かんでしまうけれど、落ち着こうと深呼吸。

 

 落ち着け落ち着け……うん、時間が掛かりそうだ。

 着替え中にドアを開けて誰かに見られては行けないから部屋からは出ていけず、パンドラに意識が向くばかり。

 実の所、パンドラは性的な好みで言えば誰よりも上なんだ。

 秘書とか女性教師とか知的で有能な年上が迫って来るってシチュエーションの本を何冊か隠し持っていて、全部レナにはバレているっぽい。

 

 レナも対外的にはそんな感じの印象?

 いや、本性を知っているから僕の前で取り繕ってもね。

 

 ……思えば婚約者だと紹介された幼少期から文通を続けて来た僕とパンドラだけれど、こうして同じ部屋で着替えられると本当に結婚する相手なんだって認識させられる。

 こうなったのは事故だけれど、婚約者でもない異性の側で着替えられるタイプじゃないからね。

 

 ……うーん、他の女の子と一気に接近した僕を見て、メイド長がパンドラに気を回したって所なのかな、今回の一件は。

 

 

「若様、お待たせしました……」

 

「いや、大丈夫さ。それよりも仕事着の君は綺麗だけれど、そのおしゃれ着だって魅力的だと思うよ」

 

 だからって媚薬とかを渡すのはどうかと思いつつ僕は素直な感想を述べる。

 誉められて照れながらも笑みを浮かべる彼女は可愛らしかった。

 

 

 そうそう、この奥手な所が実に……。

 

 

 

「あ、あの、若様! 事故とはいえ下着姿を見られてしまいましたし、その、あの……少しお願いを聞いて下さい!」

 

「良いよ。僕に出来る事ならね。他でもないパンドラのお願いだし、喜んで引き受けるよ」

 

 おっと、今日は少し積極的だ。

 

 もう限界が近いって感じの彼女は片手で顔を隠し、もう片方の手でベッドを指し示していた……。

 

「ちょっとだけ甘えさせて下さいます……でしょうか?」

アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません

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