ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい   作:ケツアゴ

349 / 393
神 ”誠に遺憾である”

 皆様ご機嫌よう、クヴァイル家のメイドにして若様と姫様の乳母姉であるレナです。

 突然ですが、皆様は卑猥な話は好きですか? 私は大好きです。

 

 勿論エロい事全般が私の大好物であり、相手は選びますが内容は選びません、要するに若様の望むがままにこの体を捧げますし、受け入れてくれるならあらゆる内容の行為を若様と楽しみたいと思っていますよ。

 

 

 まあ、今の所は私によるセクハラに反応するだけですし、押し倒すか押し倒されるかしないと関係は進みそうにないのが残念な所。

 私、どんな進んだ内容だろうと卑猥な事なら構わないと伝えていますのに……。

 

 

 一服盛ってみるべきか、逆に私に盛るように誘導すべきか、それが問題です。

 

 

 

 

 包丁が食材を切る音は音楽を奏でる如く、盛り付けは絵画を描くように、それがクヴァイル家に仕えるメイドの心得……とまあ、そんな風に言えたら良いですよ?m

 

「……こんな物でしょう」

 

 強さも仕事の腕前も求められる私達ですが、流石に其処まで達しているのはメイド長くらい、他の家では接客や洗濯や料理は部門に分かれて任せられるから何でも出来るようにという教育を乗り越えた時点で有能なのですよ、私って。

 

 今は料理の真っ最中、旅先ですし私一人なのでフルコース迄は求められませんし、メインにスープやサラダ、他に数品作れば良いでしょう。

 ……言っておきますがお母様がガサツ……いえ、豪快な人だからって私も料理が丸焼きだけ等の雑な料理とは思わないで下さい、ちゃんと叩き込まれましたから、メイド長に!

 

 食材はマオ・ニュ様が用意し、調理器具も事前に調べて毒の付与の痕跡は無し。

 五人前の料理なら片手間でも作れますよ、片手間に作ったと知られれば恐ろしいので頑張りますけれど。

 

 

「では、お楽しみの時間です」

 

 残る行程は仕上げと盛りつけと配膳、未だ夕食には時間があるので少々楽しむ余裕は有るのです。

 何を楽しむのか、ですか?

 

 

 レナ()ですよ? 部屋でお楽しみ中の若様とパンドラさんの様子を風魔法で盗み聞きする事に決まっているじゃないですか。

 馬鹿馬鹿しい質問ですね、分かり切っているでしょうに…‥はあ。

 

 本来魔法が不得手で肉体特化な鬼族の私が魔法の才能も持ち合わせた理由、それは今日この時の様な状況で盗み聞きをする為に神が才能を与えて下さったのだと昔から確信していました。

 

 

 

『程々にして下さいね? 興奮して指で変な所を触ったり、料理を焦がしたりしないように』

 

 耳元で囁く様な声、唯一調理場にのみ入り込んだ糸の振動で届けた声による警告……よし、マオ・ニュ様も程々にならお許しいただけますし、楽しみましょう!

 

「大丈夫大丈夫、その時でなかったとしても、思い出しただけで興奮を最高潮に持って行く自信があるのでベッドの中で楽しませて頂きますので。所で……いえ、何でも」

 

 此処で”マオ・ニュ様も聞き耳を立てていますか?”、なんて訊いたら何をされるやら。

 鬼族の治癒力を知っているからお仕置きに遠慮も躊躇も無いのですよね、あの方って。

 

 ……他の人なら半殺しで済ますのを、私には八割殺しにするんですから恐いですよ。

 

 

 扉を閉め切っていても風は僅かな隙間から入り込み、中の様子を私に教えてくれる、具体的に言うならば二人がどの様な行為をしているのか。

 

 

 ……最初は拘束状態からのキス、全身を撫で回す。

 まさかパンドラさんがあの様な趣味だとは思いませんでしたが、彼女の境遇が性癖をねじ曲げたのでしょうかね?

 

 元は王国の貧しい村からの難民、それが才能を見出されてあれよあれよと順調に出世、有能なので当然ですが、本来ならば関わり合いにならない相手を下に就かせるのは負担だったでしょうし、それが虐めて欲しいって妙な性癖に関わったのではないかと考察、因みに私は虐めるのも虐められるのも両方興奮しますよ?

 

 まあ、脳内だけで実際に経験はしていないのですが。

 

 

「おや、鏡を挟むように手を当てて後ろから……背後から持ち上げられて……四つん這いで…‥そのまま部屋の中を…‥若様もタフですね。まあ、”夜”の面々を一度に相手する方ですし、その程度なら可能でしょうね」

 

 おや? 糸が僅かに動いた所を見るとマオ・ニュも動揺しているみたいですが、あの方も若様のそういった事には精神的に影響されるのですね。

 行為の最中の標的を真顔で切り刻める人でしょうし、行為云々で動じる人では無いでしょうに。

 

 そんな方でも御館様の命令なら今の若様を切り刻めるのでしょうけれど。

 

 

 

 

「まさかパンドラさんが自分を卑下する言葉を嬉しそうに言うとは。正面から抱き締めた状態で抱っこされて、耳元でどの様な女なのかを囁かせて、再び後ろから……これ、夜まで待つのはキツい物がありますね」

 

 直接目で見た訳では有りませんが、その手の知識が豊富で性欲旺盛な私ならば目の前で行われているかのように光景を浮かべられます。

 その上、私とパンドラさんを脳内で入れ替え、彼女と同様に一方的に嬲られるパターンから私が逆転するパターンまで自由自在。

 

 

「楽しみになって来ました」

 

 若様と自分の行為の時を待ちわび、疼く体を今すぐに鎮めたいと思いながら笑みを浮かべる。

 うふふふふ、私の周囲の人達は行為に関して拘りや趣味が有るらしいですが、私はヤれれば良いのですよ、ヤれれば。

 想像するだけで体が熱くなる、今すぐに部屋に乱入して私も混ざっては駄目でしょうか?

 

「若様も複数相手にシてますし、私も相手が全員若様だったら複数人を一度に相手にしても構いませんのに。……寧ろ増えた若様にご奉仕するのもされるのも許されるのならば神に叶えて欲しいのですが」

 

 おっと、そろそろ仕上げをする時間だと時計を見て意識を切り替える。

 ちゃんと仕事をしてこそ若様を性欲な目で見て、セクハラをする事が許されるのですよ。

 

 

「パンドラさんはお休みですか。余程馬車の旅が堪えたのでしょうね」

 

 夕食時、私はメイドなので当然ですが若様達の給仕を先に行います。

 マオ・ニュ様は明日の朝まで警戒を続けるそうなので後から食事をお届けするとして、パンドラさんがベッドで眠ってしまったので今居るのはお二人だけ、仕事が少し楽になりました。

 

 それにしても八回目の気絶をするまでの間、気絶した彼女が起きるまで続けるとは若様も中々に鬼畜の所行、本人が楽しんでいなければ少し注意する所でしたよ。

 ……最後は若様達に跨がって腰をくねらせながら卑猥な言葉を連呼する彼女を攻め続ける様子を盗み聞きした私は決めました。

 今夜は大人しくしていよう、予定していた風呂場への突撃は止めておこう、と。

 

 

「若様も少しはお疲れでしょう? 今宵はゆるりとお休み下さいませ」

 

 体の疼きは若様の入浴時に入り込んでしまえと強く要求、叶うならば今すぐにでも私をデザートととして食べて貰え……寧ろ食べろと訴えますが、残り物は面白くないでしょう?

 

 ええ、私は複数で若様のお相手をするのもやぶさかではない、逆に面白そうだとは思ってはいますけれど、一度目位は私だけを相手にして欲しいと思うし、万全の状態で全て搾り取ってやろうという欲望も募る。

 

「私は成すべき事があるので忙しいですが、若様はお一人で体をお休め下さいませ。休息のお邪魔は致しません」

 

「そう。レナも無茶せずに休むんだよ?」

 

「ええ、すべき事を終えたのならば休ませて頂きます」

 

 私が暗に伝えた事を理解したのでしょう、私に襲われずに済むと安心し、少し落胆したらしい若様に微笑みかける。

 

 

 さてと、後でパンドラさんのお世話とマオ・ニュ様のお食事の準備を終えたらすべき仕事は…‥。

 頭の中で己の仕事を確認する。

 私はクヴァイル家のメイド、仕事は完璧にこなしてみせようではありませんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、今晩は若様をオカズに楽しむので休める筈がありませんけれど」

 

 楽しみですね、仕事を終えた後の趣味の時間が…‥。

 

 

 

『レナちゃん、食事を届けてくれる時にちょっとお話に付き合ってくれますか?』

 

 洗い物の最中、再びのマオ・ニュ様からのメッセージ。

 ……年を取ると話が長くなると言いますし、手短に済ませて欲しいのですが何様でしょうかね?

 

 

「まさか…‥猥談?」

 

 それならば嬉しい。

 だってあの方の猥談とか想像できませんもの。

 

 

アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません

  • ポチ
  • レキア
  • 夜鶴
  • ネーシャ
  • ハティ
  • レナ
  • パンドラ
  • サマエル
  • シロノ
  • アリア

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。