ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい   作:ケツアゴ

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犬より猫、そして猫より鳥が好き

 期待していた物とは違うけれど、これはこれで悪くは無い、今の状況がそれだと思う、うん。

 

 アリアさんとネーシャ、美少女二人との混浴だって聞かされて僕だって色々期待しちゃっていたよ。

 ほら、鍛錬の後だし、風呂に入る前に体を洗う必要があるからさ。

 

 屋敷では女の子のリアスと違って自分で洗っている(聖王国の貴族に伝わるお風呂文化)けれど、折角二人と入るんだし、互いに体や髪を洗ったりとかしたいと思わないかい?

 

 ……夜鶴が分体と風呂場に乱入して来た時は一方的に洗って貰うだけだったけれど、洗っている時の反応とか見てみたい。

 

「きゃっ! くすぐったいですわ」

 

「ロノスさん、そこは……」

 

「駄目駄目。ちゃんと全身綺麗に洗わないとさ」

 

 こーんな会話をしながら二人の全身をスポンジで撫で回したり、反対に僕が洗って貰う時は二人が挟み込むようにして洗ってくれたり……。

 

「其処は私の役目ですわよ」

 

「早い者勝ちという事で……」

 

 何を使ってどうやって洗うのかってのは……うん、その場の流れで。

 僕が頼むより恥ずかしがる二人が率先してエッチな方法を選んでくれれば……。

 

 

 

 

 

「……まあ、そんな事にはならなかったんだけれどね。うん、次があるさ、次が。きっと、多分、もしかして……」

 

 全部全部都合の良い妄想、現実とはまるっきり違うのさ。

 まあ、僕ってポチの体は洗ってあげているし、小さい頃にレナスの背中を流したりはしたよ?

 修行先であれこれ言う人も居なかったしさ。

 

 あの時から既にレナの視線が尋常じゃ無かったのは忘れるとして、今の僕の周囲には氷の壁。

 風呂場なのに氷の壁が周囲にあって少し寒い……早く温かいお湯に浸かりたいんだけれど、壁越しに聞こえて来る声も気になっていた。

 

 

「ひゃんっ!? 私、そこは敏感でして」

 

「それにしてもアリアさんの……いえ、アリアの髪はサラサラで羨ましいですわ。私なんて如何にも時間をかけてるという感じにクルクルになってしまって」

 

「え? その髪型って自前だったんですか!?」

 

「そうですわよ? 時短にはなりますけれど、何度直そうとしてもクルクルになりますし、一度は丸坊主にしようとさえ……冗談ですから」

 

「えっと、何処からですか?」

 

「さて、何処からでしょう?」

 

 こんな感じに壁の向こうでは二人のキャピキャピキャピした会話、ちょっと期待した背中の流し合いは二人だけでしているのさ。

 

 ちゃんと洗わないと駄目だからって下着は一旦外しているらしいし、今はネーシャが泡まみれって事か……正直見たい。

 濡れ透けも良いけれど、泡で隠すだけってのも良いよね、凄く。

 こう何かの拍子に落ちたり弾けたりして……。

 

「……さっさと洗おう」

 

 何かね、身嗜みを整える姿を覗くのは野暮だから絶対に覗くなって笑顔の圧力と共に周囲が氷に覆われているんだ。

 体を洗い終わって伝えたら浴槽までの道を作ってくれるってさ。

 

 

 魔法の解除? おいおい、僕に会話を聞かせつつ焦らしてるのに覗いたら台無しじゃないか。

 だから念入りかつ最速で体を洗うのさ、魔法だってフル稼働だ。

 

 

 

「ネーシャ、お願い出来るかな?」

 

「あら、もう終わりまして? うふふふ、この後が楽しみで待ちきれないのですね。では、お先に温まって下さい。勿論、先にお湯を被って暖めておかないと駄目ですわよ?」

 

 それを言うなら闇魔法の壁でも良かった気がするんだけれど、敢えて言わずに形を変えて行く氷の壁を眺めつつ念入りに体の冷えを追い出した。

 

 

 

 

「ネーシャさんのお肌ってスベスベですね。吸い尽く感じがして……」

 

「あら、嬉しいですわね。お肌のケアにはお金を掛けていますの。そうですわ! 私が愛用している香油をお分けしましょう。私は使用人に塗って貰っていますが、今回はロノス様に塗って頂いても宜しいかも」

 

「隅から隅までですか!?」

 

「ええ、全身隈無く……」

 

 暖かいお湯(何か薬草が入っているのか良い匂いがして緑っぽい色だ)に使い、氷の壁の向こうで交わされる会話を聞いているんだけれど、色々と話が進んでいるな、僕を置き去りにして。

 寝転がった二人の体に香油を垂らして塗り広げる光景を思い浮かべながら天井を見上げるけれど悪くない、むしろ最高の光景じゃないだろうか?

 

 まあ、至福の時間になりそうなんだけれど、二人だけなら兎も角、僕が居るって分かっているのに二人共そんな会話をするだなんて、僕を弄くって遊んでる気もするんだけれど。

 実際は”恥ずかしいので”とか言って僕には塗らせないってのが容易に想像できるよ。

 

 

 こんな感じで僕が期待したり色々したりしている中、二人は随分と仲が良さそうだ。

 うんうん、良かった良かった。

 

 

 ……仲裁とか大変そうだしさ。

 

 

 

 

 

「……それにしても大きいにも程がありません? 全体的に肉付きが薄いから余計に大きく感じるんですわよね」

 

「ひゃんっ!?」

 

 ……あー、何か焦らされている感じがするな。

 もう体なんてとっくに洗っているだろうに二人は何時までも遊んでいるし、ソワソワしてしまいそうだよ。

 

 それでもそんな姿を見せまいと誰も見ていないのに平静を装い、二人の会話に耳を澄ませばそろそろ入って来そうだ。

 

「それでは下着を着てお風呂に入りましょうか」

 

「は、はい。ちょっと透けて裸より恥ずかしい気がしますね……」

 

「殿方はこんな感じなのがお好きらしいですわよ」

 

「ロノスさんもお好きなのでしょうか?」

 

 うん、正直めっちゃ好き。

 

 氷の壁が消えた時、真正面から見ているのは少しガツガツしている気がするし、だからって背中を向けているのも興味が無いってバレバレの演技をしている気もした僕は浴槽の横の辺りに移動し、二人が居るであろう場所に側面を向け、両腕を浴槽の縁に両手を置く感じだ。

 

 後は氷の壁が溶けて、二人が入って来るだけ……の筈だったんだけれど。

 

 

 

「むはー! 凄く広いお風呂で御座るなー! むむっ! 何か氷の壁が出来ているで御座るよ、姫!」

 

 突然バンって大きな扉が開く音と共に浴室に響き続ける間の抜けた声。 

 エコーが掛かって凄く五月蠅いし、この声って……。

 

 

「……ボタモチ、ちょっと五月蠅い。今は目の保養の途中なんだ。ちょっと静かにしてくれ」

 

 やっぱりか!

 

 続けて聞こえて来たドロシーの声、何で君達が来るのかな!?

 

 

「了解で御座るよ! 拙者は姫の忠臣、どの様な命令でもこなすで御座る!」

 

「あーもー! 相変わらずお馬鹿で可愛いなあ、ボタモチは! よーしよしよし、ちょっと大人しくしておこうねー」

 

 うんうん、ポチは賢くて可愛いけれど、お馬鹿なペットが可愛いというのも分かる気がするよ、ポチは賢いけれど!

 

 壁の向こうから巨大な犬を撫で回す音、僕もポチを撫で回したいという気分になりながら少し焦る。

 

 ネーシャやアリアさんと一緒に入るまでは良いけれど、ドロシーは不味い。

 だって敵対してる国の姫だもの!

 

 

「……ドロシー、何をしに来ましたの? 貴女の為に別の浴室を用意している筈ですが?」

 

「うん、汗を沢山かいたし、ボタモチが臭くなってるからついでに洗ってやろうかと思ったんだけれどさ」

 

「臭い!? 拙者、臭いんで御座るか……」

 

 見なくても耳を垂れさせて落ち込んでいるのが分かる声を出すボタモチに癒されながら状況を理解する。

 

 凄く不機嫌そうなネーシャの言葉からしてロザリーが此処に来るのは予定外か。

 なら、直ぐに出て行ってくれたら良いんだけれど……。

 

「それで何故居ますの?」

 

「おいおい、冷たいな。何かボタモチが間違って飛び込んだけれど、麗しの子猫ちゃん達がキャッキャウフフしている光景を察してね。……ボタモチ、ちゃんと洗ってあげるから気にしなくて良いよ」

 

「そうですか。では、即座に出て行って下さいませ」

 

「所で壁の向こうには誰が居るんで御座る? 拙者、ちょっと見に……おりょりょ?」

 

「馬鹿っ! 足下の石鹸に注意を……あっ」

 

 何か巨大な物が滑ってやって来る感じの音。

 一秒後、氷の壁を砕いて顔を出したボタモチと僕の視線が重なった。

 

 

「これはロノス殿! 先日はお世話になったで御座る!」

 

「あっ、うん。飼い主に会えて良かったね」

 

 そっかー、普通に話しかけて来るんだね、嬉しそうだし。

 

 

 凄く凄く微妙な気分になった、そんな夏の日の朝だった……。

 

 

 

 

「「「……」」」

 

 この後、直ぐに出て行ったロザリーとボタモチだったけれどイチャイチャするって雰囲気は完全に壊されちゃったし、普通に入って普通に出たよ。

 

 

 ……おのれ、吸血鬼め!

 そして犬よりグリフォンの方がペットとして優れているとこれで証明されたぞ!

アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません

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