ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい   作:ケツアゴ

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ライク式  妙子式2 の女キャラクターメイカーで


マオ・ニュ ネーシャ  パンドラ レナ

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閑話  ウサギは無駄を嫌う

 紫の双眸が私を見詰めている、込められた感情は残念さこそあれど後悔の色は全く無し。

 やるべき事だからやった、責任転嫁も言い訳もせず粛々とこなすだけで、こなした結果が私達の死だった、それだけ。

 

 ……そうね、貴女はそういう子だったわ。

 

 幼い頃の彼女と私は姉妹のような関係だったと思っているし、彼女も慕ってくれていた。

 

 急所を貫かれて死を迎えるからか意識が闇に沈んでいくけれど不思議と痛みを感じないのは苦しませずに逝かせる為に麻痺毒でも塗っていたのか、それともそういった技量なのか、それを考える為の頭も今は働かないし、死に逝く者が何を知った所で無駄でしょう。

 

 後悔はない、恐れも感じない、この結末は最初から分かっていた事だから。

 只、私と違って夫は見せしめとして無残な殺され方をされましたが、私のそうされる物だと思っていたのに結果はこの通り。

 

 あの男にも人の心が……いえ、私の命を奪った彼女が特に命じられなかったからと判断したのでしょう。

 

 こんな事を考えている間にも薄れていく意識の中、どうすれば良かったのかと無駄な思考を巡らせてみる。

 姉のように大切な物を守れるだけの力も、妹のように諦めて受け入れる事を選ぶ従順さも無かった私が宝物を守るには何をすべきだったかというと、その宝があの男にとって毒にも薬にもならない事を神に祈るか、それか逆らうしか無かったのだと考えると本当に無駄な思考でしかない。

 

 ああ、でも無意味な思考をするだなんて何時以来かしら?

 少しだけ懐かしい気分に……。

 

 ……後悔が無いのは本当の事だけれど、叶うのなら願いは一つだけ存在する。

 大切な宝物を……私の子供達を最期に抱き締めたかった……それだけ。

 

 

 こうして無駄に終わった反抗の末に私の生涯は終わり、意識も途切れる。

 

 

 ……かに思えたのですが。

 

 

 

 

「はっ! ほっ!」

 

「……はい?」

 

 急にハッキリする意識、周囲の景色は変わって天井に空が描かれ床にはクッションが敷き詰められてヌイグルミが山積みになった部屋の中、私の目の前で小さな大熊猫のヌイグルミがリンボーダンスをしていたのです。

 

 意味が分かりませんよね? しかも私、何故か目の前のヌイグルミが神だと感じ取っていたのですよ。

 

 最悪ですね。

 

 

「やあ! 僕の名前はアンノウン。グレーシアだからグレちゃん、君をスカウトしに来たから歓迎のリンボーダンスの真っ最中さ」

 

 今は分からない事ばかりですが、たった一つ、一つだけ分かっているのは……目の前の存在に祈ってはいけないという事でした。

 

 

 

 

 

 

「……思えばあの時に断っていればパンダビームを撃たれはしなかったのですよね。私に断るという選択肢が存在しないのを理解した上での勧誘でしたが……」

 

 思い起こすだけで湧き上がる怒りの中、私は屋根の上から荒れ果てた庭を見下ろす。

 何とも激しい戦いだったと関して良いのか呆れれば良いのか、どちらにせよ僅かな嬉しさを覚えながらもお説教を受ける少女二人の片方に視線を向けてしまっていた。

 

 

 

 

「あの子、大きくなったわ……」

 

 寂しさと嬉しさを同時に覚える私は……キグルミの上に腰蓑を穿いた状態で呟きます。

 理由? あの性悪大熊猫擬き以外に存在するとでも?

 

 

 

 

 

 

「……これは何ですか?」

 

 ノクス様の所に伝言をしに向かった後、拠点に戻るなり差し出されたのが小汚い腰蓑、クッキー文字で”てんgoo”と書いた紙が張り付けていたのですが燃やしても構いませんよね?

 

 あの出会いから十数年、少し攻撃的になったのは背負ってきた物を捨てた反動なのか、毎日キグルミ姿で嫌な上司と同僚と接しているからなのか……九割九分九厘九毛後者でしょうが、嫌な同僚であるキレースから渡された腰蓑を指先で摘まみ上げ、片方の手に炎を出現させれば態とらしく肩を竦められた。

 

「おっと、それは困るな。お前にこれを渡す様に命じられた私が主のお叱りを受けてしまう。担々麺抜きは流石に堪えるのでな」

 

「そうですか。では燃やします」

 

 燃やしてくれと言っているのですね、分かります。ですが……。

 

 腰蓑も紙も一切燃えない、神獣になってから力が底上げされ、何時の日にか腐れ大熊猫擬きに痛い目を見せる為に修練を積んできた私の魔法を受けてもビクともしない様子に半ば想像出来て居たからか諦めて炎を消す。

 

 ……燃えた状態で性悪ハシビロコウの顔面に叩き付けてやれば良かったでしょうか?

 

 

 

「”天狗の隠れ蓑”、主がお前専用に作り出したアイテムだ。確かなんといったか……ああ、”地球”の”日本”だな。其処に伝わる昔話に登場する物を腰蓑にして再現したそうだ。何でも全身灰色のお前にしか使えぬらしいが……ククク」

 

「笑うのならば堂々と笑いなさい」

 

 仕方が無いので腰蓑を装着しますが酷く滑稽に見えるのでしょうね、相も変わらず何を考えているのか分からない男が最後に漏らした笑い声に怒りを覚え口調が少しキツくなるのですが首を左右に振るだけだ。

 笑えば良いでしょうに、いっそ大きく笑われた方がマシなのですが、分かっているからこそ漏らす程度に留めて……いえ、敢えて漏らしましたね、この男。

 

「私は曲がりなりにも聖職者、他人の服装を大笑いするなどミサに足繁く通う信者に見られでもしたら目も当てられん。後で自室で大いに笑わさせて貰おう」

 

「貴様が聖職者を名乗るな」

 

「これでも幼き頃から神に仕える神父なのだがな。ちゃんと教義は守っているぞ? では、私は信者の懺悔を聞く時間が迫っているので失礼させて貰おう」

 

「……ふん」

 

 本当に何故この様な者を神獣に選んだのか、いや、この様な者だからこそ選んだのだろう。

 私の他には性癖に問題があっても比較的善良なリゼリクならば兎も角、この性根が芯から歪んだ男は……。

 

 

 

 

 

「しかし思ったよりも使えますね、事前準備が必要ですが……」

 

 元ネタとなった話では着るだけで姿を消し、灰になっても体に塗り付ければ(これが私専用の理由でしょうね)犬には感づかれても効果は続きますが、この腰蓑は五感に優れている者でさえも感知は不可能。

 

 

「……アロハ~」

 

 ええ、それは良い、それは良いのですが……フラダンスを一定間隔で踊る必要が有るのは本当に、本当にっ!

 

 

 ですが、それでも……。

 

 

 

 古い友人に説教されている二人の少女を見ていると死んだ時にはしなかった後悔がこみ上げる。

 あの時、あの選択肢を選ばなければあの場所には……。

 

 

 

「いや、本当に母親とは大違いだね、アンタ達」

 

「母、族長として尊敬。戦士の尊敬、レナス」

 

「私のお母さんはレナスだもん。顔も覚えていない母親の話をされても困るって」

 

 

 

 

 

 

 いえ、無駄な思考でしたね、アロハ~……。

 

アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません

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