ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい 作:ケツアゴ
「何でだろう。凄い長い期間放置というか、出番が無かった気がするんだけれど。具体的に言うと一万五千ページ位……」
「はいはい、意味の分からない事を言わないで話せる事だけ話して欲しいな。いや、アンノウン信者に何か問題が有るって事じゃなくてさ。その……」
何ともメタな発言をリゼリクさんがしても兵士達には通じない、僕にも一切意味が分からない。
何だよ、ページって……。
放置どころか微妙に遠巻きにしながらも不審者って言葉が服を着て歩いているような……いや、その服が不審者度を上げているだけで彼が悪人では無いとは伝わっているんだろうけれど。
え? サマエルへの痴漢行為はどうなのかって?
あれはなぁ、悪意とか下心から故意にした訳じゃ無いってのは端から見てて分かるんだよ、問題は……。
「ロノスは凄いのじゃな! あの変態めに破られた私様のドレスが直るどころか綺麗になってるのじゃ!」
僕に向かってキラキラとした尊敬や驚きが混じった視線を送って来ているし、それと同時にリゼリクさんは完全に敵扱い、こりゃ弁明は無理っぽいな。
実際、僕の方には笑顔を向けている姿は前世でリアスがお姉ちゃんに向けていた視線に似ているし、リゼリクさんは視界に入れようともしない。
彼はその様子にガックリと肩を落としているけれどどうしようもないか……。
「はあ……」
「どうしたのじゃ、溜め息は幸せを握り……握り……握り寿司なのじゃ! うん? 妙な気がするが合っているのじゃ」
「幸せが逃げる、だろう? 何だよ、握り寿司って」
「桃幻郷の方の郷土料理じゃぞ? ふっふーんっ! 私様の方が物知りじゃったな、にょほほほほ!」
「あーはいはい、かしこいかしこい、すごいすごーい」
何かさ、屈辱と思う事すら馬鹿らしいや。
アホの相手は疲れるからね、そんな事よりも寿司食いたい、寿司。
生魚無理だったからサラダ巻きとかウナギとか食べたい、今の人生になってから寿司食べて無いんだよな。
味噌とか醤油とかは東の方から流れてくるし、寿司職人も来て欲しい、刺身系以外作れる人、せめていなり寿司食べたいよ。
得意そうに平らな胸を張るサマエルにパチパチと雑な拍手を送れば更に調子に乗るんだけれど、親戚のお馬鹿な女の子でも相手にしているような妙な感覚を覚える。
「誉めて良いのじゃぞ? もっともっと誉めるのじゃ! にょほほほほほほ!」
「そうだねー。さまえるちゃんはすごいねー」
敵、何だけれどなぁ、此奴。
敵だ、敵、ちょっと交流めいた物があり、ちょっとしたトラブルから此方を守ろうとする姿を見た、それだけで仲良くなって全てを許すだなんて有り得ない。
「まあ、良いさ……」
誰にも聞こえないように静かに呟く。
今の場所、状況、それらは今この場所でサマエルと戦わない理由になり得る、だから今だけは敵として扱わないのは間違った判断では無い……のだろう。
まあ、情に流されているのは認めよう、利用価値とその際の危険性も含めて認識する必要が有るんだけれど。
「……さて、僕はそろそろ行くけれど気になった事が有るんだ。リゼリクさん、喋ったら駄目だったんじゃ?」
「あっ、確かにそうだけれど、メタネタの時は話すのを許可されているんだ」
「メタ……ネタ……?」
駄目だ、質問なんかしなかったら良かったよ。
意味が! 全く! 分からない!!
色々と後悔する事もあったけれどサマエルがどんな性格なのか、敵対している状態だったら分からなったのだから収穫なのかな?
それが本当に収穫なのかは今後次第、今は緊急事態ってのが気になるし、”夜”に見張りもさせている。
何かの拍子に記憶が戻って暴れる心配もあるんだけれど、アリアさんやネーシャも気になるからな。
だから立ち去ろうとしたんだけれど、不意に僕の裾が掴まれる。
誰が、なんて考えるまでもなかった。
「サマエル……」
「むぅ……」
頬を膨らませて目には涙をうっすらと滲ませて僕の顔を見上げて来ている姿を見ると心が僅かに揺るぎそうになるけれど、態度には出さない様にして腕を動かすけれどビクともしない。
小さな子供にしか見えないのに本当に力が強い、無理に引っ張るのも少し憚られるから困っていた時、扉が開いてネーシャ達が顔を見せた。
「ロノス様、此方にいらっしゃると聞いて……あら?」
詰所の中をのぞき込んで僕に笑顔を向けて来たんだけれど、裾を摘まんでいるサマエルの姿に目を留めて金髪に少し固まる。
リアスに会っていないのなら金色に似た色合いの髪なだけだと思っただろう、兵士達の反応もそんな感じだ。
光属性の使い手なんてリアスより前のはずっと昔の人……それでも実際に会っていて魔力の感じを知っていたら何かに気が付くのだろう。
……説明が面倒だな、さっさと帰れば良かったよ。
いや、帰っていたらいたらで面倒な事になっていたんだろうけれど。
こんな時、ちょっと便利な物がある。
言葉にせずとも相手に意図する事を伝える為のハンドサインだ。
他の人には見られない様に指の僅かな動きで済む、問題はネーシャが知っているかどうかだ。
「待たせてゴメンね。少し関わった子供、この子はサマエルって子だけれど、迷子になっていたから連れて来た後で少しイザコザがあってさ」
まあ、立場が立場だから知っているだろうとサマエルや兵士達には見えないように体で隠しながら説明をした。
『敵、監視、付けている。誤魔化し、手伝って。お礼、食事でも』
少し慌てたからか指の動きを間違った気もしたけれど、どうやら杞憂だったのかネーシャは軽く頷いて同じくハンドサインで了解を知らせて来たけれど……あれ? 少し違う気がするし、帝国流のかな?
僕がサインを送った時、ネーシャは少し驚いた後で真っ赤になり、喜びながら照れた後で考え込み、納得した後で悪い笑み、この流れを三秒の間に行ったし、デートだと認識して何か企んでいる……だけだよね?
少し不安になって来たけれど……。
「サマエル……ちゃんですね? 私はネーシャと申します。ロノス様は私と一緒にお出掛けする予定でして」
「嫌なのじゃ! ロノスは私様と一緒に……ひぃっ!?」
ネーシャはサマエルに目線を合わせて穏やかに語りかけるんだけれど、サマエルは僕の裾を掴む手に力を込めて引き寄せようとする。
引っ張る力が強いし踏ん張らないと転びそうになった時、リゼリクさんがやらかした時と同じく急に僕の背中に隠れたと思ったらプルプル震えて今にも泣き出しそうだ。
一体何が、と思って視線の先を追えばネーシャを通り越して開いた扉の先、つまり外。
髪の色で反応されるのが面倒なのかフードを被ったまま中をのぞき込んでいるアリアさんの更に後ろ、其処に奴が立っていた。
「その子は僕が預かろう。身内みたいなものだからね」
その存在は糸クズすら体に付いていなかった。
その存在の一部は風も無いのに揺れていた。
その存在は街中で……全裸なのに堂々と、まるで自分が全裸であるのが当然であるかのようにしていた。
「変態じゃぁああああああああああああっ!? 全裸の変態なのじゃぁあああああああああああっ!?」
誰もが言葉を失う中、最初に叫んだのはサマエル、甲高い叫び声を上げながら僕に強く抱き付いて目の前の変態を……時の女神ノクス様の神獣クリア・アイナーレに怯えきっていたよ。
「やあ。元気にしていましたか? まあ、会ってから少ししか立っていないのですが」
「知り合いみたいに話しかけるなよ、変態」
いや、知り合いなんだけれど、弟子入りしたんだけれど……知り合いだと思われたくない!
「おや、確かに黒子姿で出歩いている人が居ますが……変態は言い過ぎですし、今彼は黙っていたでしょう?」
「自覚無しか……」
リゼリクさんじゃないよ、お前なんだよ、露出狂。
義憤を感じた様子でリゼリクさんを庇う発言をするクリアに僕は言葉を失った。
もしやノクス様も露出狂なんじゃ……。
アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません
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ポチ
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レキア
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夜鶴
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ネーシャ
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ハティ
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レナ
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パンドラ
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サマエル
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シロノ
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アリア