ラスボス転生 逆境から始まる乙女ゲームの最強兄妹になったので家族の為に運命を変えたい 作:ケツアゴ
「おや、此処の茶葉は中々ですね。今後も通いましょう」
早朝のオープンカフェでティーカップを傾けるパンドラの姿は知的な美貌もあって優雅な物だ。
少し経って少しずつ増え始めた通行人も思わず二度見する人まで居るし、そんな美女とデートしているのは嬉しいけれど……。
「矢っ張り変だ……」
僕が抱いたのは違和感。
だって真面目さもあって色事には耐性が殆ど無いパンドラが座るのは僕の正面なんだけれど、”少し暑くなった”って言ったかと思うと胸元を緩めたんだ。
それからは時々通行人が居ないタイミングを見計らってはさり気なく前屈みになって谷間が僕に見えやすくする始末。
……黒。
「ふふふ、若様には少し刺激が強かったみたいですね」
チラッて見えた布地に思わず目を逸らせばクスクスと笑われたし、見えたんじゃなくて見せたらしい。
……本当に彼女に何か起こったんじゃ?
「パンドラ、熱とか有るの?」
そっと手を伸ばして額を触るけれど平熱みたいで、一安心するんだけれど、だったら何故こんな事をしているんだって思ってしまう。
夜鶴達が色仕掛けへの耐性作りを引き受けたから嫉妬してる?
いや、誰がするのか決めたのはパンドラだし、こんな遠回りな方法を選ぶかな?
今まで読んだ文献じゃ急に大胆になる呪いや病気に関する記述は無かったし、僕が困って動きを停めていると彼女の額に当てたままだった手を取られた。
「あっ、ごめん。額を触られたままだったら邪魔だよね。直ぐに除けるから……」
「ええ、触るなら此方の方が宜しいかと」
引き戻そうとした腕は引っ張られたまま下に移動、柔らかい感触のする物に押し当てられた。
「パンドラ、ちょっと其処って……」
「胸ですが? ……それとも私の胸に触りたくはありませんでしたか?」
「いや、凄く触りたいけれど……あーもー!」
もう限界だ。僕はバッと立ち上がるとパンドラの腰と足に手を回し、お姫様抱っこをしながら走り出す。
普段のパンドラならこの時点……いや、下着を外で見られるって時点で限界を迎えてもおかしくない。
なのに様子がおかしいパンドラは僕の首に手を回して密着する所か耳に息を吹きかけるまでして……凄く変だ。何か起きたに違いないぞ!
「あらあら、何処に連れて行かれるので……あれ? 私、今……きゅう」
「あれ? 何時ものパンドラだ。おーい、起きて起きて。何があったのか思い当たる節は無い? 今は無理っぽいね」
僕に抱かれて気絶しているパンドラを一旦降ろし、さっきから気になっていた胸元のボタンをして行く。
至近距離だったから視線を移せば見えたし、走る振動で揺れる物だから全く……悪くない気分だったよ。
「ちょっと惜しかったかな?」
普段は真面目で色仕掛けなんてしよう物なら直ぐに一杯一杯なパンドラの大胆な行動は凄く良かった。
レナみたいに常に誘惑モードって言うか年中発情期みたいなのも悪くないけれど、ギャップが有ってさ……。
出来る事ならもう少し堪能したかったし、更に先を期待しないと言えば嘘になるけれど、何か異常な事態だったのは羞恥心から気を失っている彼女の姿からして明らかだ。
「無理はさせたくないからね。君には普段からお世話になりっぱなしだし、パンドラのペースに合わせるよ」
だからレナに手を出す事になっても、約束の一つだからパンドラの後だ。こんな具合じゃ何時になるか分からないんだけどさ。
「密着とか下着のチラ見せで気絶するんじゃ本当にどうなる事やら……」
「このままベッドに連れ込んでしまえば良いのでは? 多分彼女は一度体験すれば吹っ切れると思いますよ?」
「レナッ!? 何時の間にっ!?」
背後からのとんでもない提案に驚けば、立っていたのはレナだ。買い物帰りなのか袋を手に提げているけれど何も入っていない。
「何時もの業者がリンゴを仕入れられず、私が市場まで買いに行ったのですが……財布を忘れました。メイド長に怒られそうで怖いですし、此処らでパンドラさんを抱き、続いて私もどうぞ」
「肉食系にも程がある!? 種族差別とかはしたくないけれど、言わせて貰うよ。これだから鬼はっ! これだから鬼はっ!」
レナは戦闘狂な所が有るけれど、その辺は……僕と同じ年頃にレナを産んだんだっけ? ……旦那さんを襲って。
「まあ、あまり遅くなるとメイド長がガチ切れしますし、本気ですか此処までにして帰りましょうか」
「其処は”冗談は此処まで”じゃないのかな?」
「私は本気ですので。所で此処をご覧下さい」
レナは徐に太ももの辺りに手を持って行き、僕は思わずその辺りに視線を向ける。
それを見たレナは笑い、スカートを持ち上げた。
黒いガーダーベルトとピンクのレース付き、太ももは白い肌で程良い肉付き。パンドラや夜鶴は良い具合に締まっているけれど、これはこれで……。
「ふふふ。もっとジックリご覧に……はっ!? メイド長がお怒りっ!? 帰りますよ!」
誘惑する様に笑ったレナだけれど、急にビクッてなって顔を青ざめるとパンドラを担いで走り出した。
「若様に運ばれるのは不愉快なので私が運びますね! 代わりに後で私をベッドまでお運び下さい!」
「……うわぁ」
どうも今日は二人揃って大胆で様子が変……レナは普段通りか。
パンドラはクールビューティーで。純情だけれど、今日は妙に肉食系。……但し急に普段に戻る
対してレナは普段通りの暴食なまでの
「まあ、ちょっと様子見をするとして、本当に眼福だった。目の保養になったね。良きかな良きかな。……さて、僕も帰ろうか。散歩が長引いて朝御飯を食べる時間が残ってないなんてメイド長に叱られちゃうからね」
あの人は本当にハイスペックだし色々と厳しい。
パンドラと同様に仕事の出来るお姉さ……お姉さんって年齢じゃないか。年齢不詳で見た目も若いけれど、僕やリアスが小さい頃からメイド長だし、勤続年数は結構長い筈だ。
……庭師も結構昔から雇っていて中年だけれど、確か新米時代にメイド長にお世話になったって聞いた事が。その時点でメイド長は頼りにされていて。
「あれ? メイド長って名前なんだっけ? 皆も普段から役職名で呼んでるし、実年齢同様に分からない」
頭を傾げて思い出そうとするけれど、此処最近に限定しても一切彼女の名前を耳にした記憶が無いし、朧気に思い当たる物さえ皆無だ。
……ちょっと雇っている側としてはどうなのかな? ああ、パンドラが仲が良いみたいだから訊いてみても。
「でも流石に呆れられそうで怖いから最後の手段として、どうにか本人達に悟られずに調べる方法は……おっと」
考え事をしながら歩いていたら石畳の隙間から生えた花を踏みそうになって慌てて止まる。ピンクの小さな花で、さっきから漂って来ているのがこの花らしく随分と匂いが強い。
見れば街中に点在しているけれど、名前は知らないや。
「さて、どうすべきか……。まあ、先に朝御飯食べてから考えよう」
僕は花には興味が無いし、直ぐに興味を失って帰ろうと思ったけれど、ちょっとした気紛れを起こす。
ちょっとレキアにお土産の代わりにでも持って帰ろうと道の端の土が露出した所に生えた物を根っ子から掘り出した。
繁殖力が高いみたいだから、庭に植えたら庭師に怒られそうだけれど鉢にでも植えて部屋に飾ったら良いよね。
「それにしても、こんなに花が咲いてたっけ? 最近仕事ばかりでのんびり散策なんてしてなかったからなぁ」
花を手にして帰路に着く。未だ朝だってのに随分と熱いカップルの姿がチラホラ見られて・・・・・・。
「助けて下さい!」
なんか追われている学年主任のマナフ先生の姿もあった。
アリアの影が薄い気が こっちの方がヒロインっぽいってキャラに投票してみて 尚、ゴリラは妹なので入りません
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ポチ
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レキア
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夜鶴
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ネーシャ
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ハティ
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レナ
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パンドラ
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サマエル
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シロノ
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アリア