侍が忍者できっとそれが落武者で   作:エタノール

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花道無双

心頭滅却、私に斬れぬモノなぞない……そうであろう?打鉄。

月曜日……晴れ。

本日は戦日和……勝利の鼓舞も舞い、私の向かうところに敵はナシ。

 

「月影の 夜桜落つる 花道に 我幻影と 舞い踊りけり……」

 

準備はできた……

では……いざ、尋常に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナは観客(生徒)で湧き立っていた……中でも剣道部の部員と思わしき集団は、他とは少し違う話題で盛り上がっていた。

他の観客(生徒)が義鷹が何分持つか話しているのに対して剣道部の部員集団は、対戦相手のオルコットが何秒持つかについて話していた。

流石に何【秒】はやりすぎだとは思うが。

 

「あ、見て!!!」

 

そんな声と共に剣道部集団の中の一人が指差した先……

 

「え、あれって……」

「よ、鎧……?」

「あんなの五月人形でしか見たことない……でもなんで鎧?」

「…………あれって義鷹さん?」

 

その先には鎧兜の男がゆっくり歩いていた。

軍勢を束ねる将軍の風格を持つ男……その名は北海 義鷹……妹、姫娘の為に花道を掲げる最強の武人。

 

『その格好は一体……まぁ、良いですわ。今なら土下座して謝れば許して差し上げますよ?』

 

『謝る?ならぬ、我が姫の名の下に、我は負けることは許されぬ……我が生涯、一時も勝ちを許してはならぬ……』

 

鎧兜は光り、打鉄へと変換された。

 

『いざ、尋常に……勝負!!!』

 

同時に試合開始のブザーが鳴る

 

『何かと思えばただの量産機ではないですか……落ちなさい!!!』

 

オルコットのブルーティアーズの構えるスターライトMk-2が火を吹く。

 

『流れる水の様に……流水……』

 

しかし義鷹は見透かしているかのように流水を抜刀し、半歩後ろに下がった。

するとスターライトMk-2のレーザーは義鷹には当たらず、地面に当たった。

 

『な……打鉄にそんな装備は……』

 

観客(生徒)もそう思っていたのだろう……オルコットの不意討ちを避けた事を置いてその話をし始めた。

 

「何あれ……」

「打鉄にあんな装備ないよね?」

「日本刀かな……でも似合ってるね」

 

『我が相方は専用機なる者……たかが量産機、されど量産機……我等に敗北の二字はない……!』

 

義鷹は尚もレーザーを微量の移動で避け続ける。

 

『設定されていない装備程度でいい気にならないでください!』

 

『…………我が手に勝利を!!!』

 

刹那……いつの間にか義鷹はオルコットの背後に背中合わせで浮いていた。

何が起きたのか……その直後、オルコットは何かに思いきり撲られたかのように吹き飛んだ。

 

「な、何々?」

「何があったの?」

「義鷹さんいつ動いたの?」

 

『…………辻斬り御免……』

 

冷ややかな瞳が地面に倒れたオルコットを見やり、そして抜いた刀を鞘に納めた。

 

『お生憎様……拙者、踊るのは不得意な故、貴公の茶番には付き合うことは不可能……故に早々に勝ちを頂かせてもらう』

 

スラリと太刀 明星を抜くと、義鷹は倒れているオルコットの背中の上へと移動した。

そして高々と太刀を振り上げ、オルコットへと振り下ろした…………と、思いきや……

 

『ぬ……』

 

義鷹は振り下ろしを己の筋力と打鉄の制御で中断し、上空へと何処からともなく飛んできたレーザーを回避した。この攻撃はブルーティアーズのビット兵器によるものである。

 

『まだ、負けてませんわ!!!』

 

『成程、甘く見ていたか……ならば私も本気でいかせてもらおう、行くぞ!我が同志、打鉄!!!!』

 

義鷹の乗る打鉄が光り輝き、ビット兵器のレーザーを跳ね返した。

光が収まるとそこには若干形状の変化した打鉄が両手に流水と明星を構え、オルコットを見据えていた。

 

「セカンド……シフト?」

「打鉄ってあれで完成されてる機体じゃないの?」

「格好……良い……」

 

『もう、驚きませんわ』

 

『そいつは結構……しかし、私の勝ちに変わりはない!!!』

 

義鷹は地面を滑る様にビット兵器のレーザーを回避し、逆にビット兵器を両手の太刀と日本刀で断ち斬り破壊する。

 

『我は明星……太陽昇る空に消え去る一時の耀き』

 

次の瞬間、打鉄は再び形状が変化した……装甲のパージである。

鎧武者の様な打鉄の装甲は薄くなり、更に少なくなくなった。

滑る様に移動していた先程とは違ってレーザーをアクロバティックに回避し、次々とビット兵器を短刀 幻影で両断した。

 

『私は幻影……光によって生まれる幻想にすぎない』

 

三度打鉄が変形した。

 

『拙者は流水……貴公の憂いを拙者が流してみせよう』

 

装甲と呼べるモノが無くなってしまった打鉄が日本刀を抜刀した瞬間、ビット兵器が全て爆発した。

三度目の打鉄は何故か北海家の家紋付きの袴であった。

 

『男ならば……何かを守るために強くあれ……』

『いざとなったら全てを拐うつもりで……』

『そう……大切なモノ全てをその手で守り抜け!!!』

 

北海家の家紋は熊笹……全てを抱擁する優しさの象徴。

 

『貴公にナニかを守ることなぞ、できはしない……』

『そんなお主に我を倒す事なぞできはせぬ……』

『この一撃は私の覚悟……』

『『『行くぞ……東の大地と生命の怒り、天候災害………!』』』

 

1m30cmバトルランチャー、砲陸火矢、通称 天候災害がコールされると同時に打鉄の装甲は再び強固なものとなり、コールされた得物を抱えた。

打鉄が得物を構えると同時に砲口から光が溢れ、打鉄は砲口から光を放出する得物と共に壁に吹き飛んだ。

オルコットは放出された光が直撃はしなかったがかすり、これもまたアリーナの天井シールドへと吹き飛んだ。

しかしそれで事は収まらず、打鉄が吹き飛んだ事によりオルコットから逸れた光がアリーナのシールドを突き破り、空へと消えた。

 

…………後に義鷹は「天候災害は今後は封印だな」と、笑いながらコメントした。

 

それはともかくシールドエネルギーゼロの状態で落ちるオルコット。

危ない。

かなり危ない。

 

『…………武士の情けだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうなったのかはご想像にお任せしよう。




間が空いたせいか凄いことになってるね
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