旅人「刻晴さんがなんでも一つ言うことを聞いてくれる!?」 作:瑠川Abel
でも刻晴ちゃん引けてないので妄想の中の刻晴ちゃんです。言動解釈不一致の部分あってもごめんなさい合わないかたはブラウザバックお願いします。
それは"送仙儀式"が終わってから間もなくの頃――――。
旅人「こっくせーさーんっ」
旅人「こっくせーさーんっ」
旅人「こっくせーさーんっ!」
刻晴「……どうかしたの、旅人」
旅人「刻晴さんがなんでも一つ言うことを聞いてくれるって聴きました!」
刻晴「」ブーッ
刻晴「げほ、げほ……誰よ、そんなこと言い出したのは」
旅人「凝光さんです!」
刻晴「……あのね、旅人。凝光の『それ』はもう叶えたはずよね? 君のお兄さんを探してほしい――凝光がもう手配は済ませたと思うのだけれど」
旅人「はい! 千岩軍にも璃月港にも連絡を入れてくれているそうです」
刻晴「だったらもう――」
旅人「でも、私は刻晴さんに叶えて欲しいことがあるんです!」
刻晴「……私、こう見えて忙しいんだけど」
旅人「まーまーまー! そうお時間は掛かりませんので!」
刻晴「あのね旅人、私は――」
旅人「……黄金屋に不法侵入されてましたよね」ボソッ
刻晴「うっ」
旅人「もし私があそこに行かなかったらどうなってましたかねー」
刻晴「う……っ!」
旅人「確かに私は見返りが欲しくて黄金屋に向かったわけではないですけど、それでも……《仙祖の亡骸》を守るために、ファデュイの《公子》と戦って……とっても強くて、ぼろぼろにされたわけで……」シクシク
刻晴「あーもーわかったわよ! 確かに非常時とはいえ黄金屋の、《仙祖の亡骸》の護衛が不十分だったのも認めるし、彼らの命を救って貰った恩もあるわ!」
旅人「さっすが刻晴さんっ! 話が早くて助かります!」
刻晴「……君、けっこう自由人よね」
旅人「えへへ。モンドでしっかり教わってきましたから!」
刻晴「今度凝光を通してモンドとの交易を厳しくするわ」
旅人「あーん刻晴さんのいけずー!」
刻晴「はぁ……で、私に何を叶えて欲しいの? 言っておくけど、璃月での事なら凝光に頼むべきよ? 私に出来て彼女に出来ないことなんてほぼないから」
旅人「いえ、刻晴さんにしか出来ないことですから!」
刻晴「そうなの?」
旅人「はいっ」
風車アスターのようにクルクルと表情を変えながら、旅人は微笑みを向ける。
頬はほんのりと朱に染まり、不意に向けられたその表情に刻晴は思わず胸が高鳴った。
旅人「蛍、って呼んでください」
刻晴「蛍?」
旅人「はい。私の本当の名前なんです」
刻晴「本当の名前……そうね。言われてみれば旅人、ってのもおかしい名前だったわね」
旅人「そうなんですよねー。でも、旅人って呼ばれるのも慣れちゃってたので気にしてないんですが」
刻晴「そうなの? じゃあどうして――」
旅人「名前って、特別な人に呼んで貰いたいじゃないですか」
刻晴「とくべ、つ」
刻晴「……」
刻晴「………」
刻晴「…………~~~っ!?」
刻晴「な、なななななな何をいきなり言い出してるのそもそも私と君はまだ出会ったばかりでしょ!?」
旅人「時間なんて関係ありませんよー。『私』は、『刻晴さん』の特別になりたいんです」
刻晴「~~~~」
旅人「ね、刻晴さん。『蛍』って、呼んでください」
刻晴「わ、私はまだ君のことをぜんぜん知らないわ! そ、そんないきなりは――」
旅人「それじゃあ、これから知ってください。私のぜんぶ、刻晴さんに教えますからっ」ギュ
刻晴「~~~っ。ああ、もう。君はずるいわね。そんな顔でお願いされたら、断りづらいじゃない」
旅人「えへへ。モンド仕込みです」
刻晴「……」
刻晴「………」
刻晴「…………ほ、蛍」
旅人「はい」
刻晴「蛍。蛍。蛍。……ええ、いい名前ね。儚げな光を連想させる、この世界にふさわしい名前だと思うわ」
旅人「刻晴さん。もっと……もっと、呼んでください」
刻晴「……蛍。私はまだ君の全てを知らないわ。だからこれから、じっくり君のことを教えてね」
旅人「はい。任せてください! 『あなたの』蛍ですから!」
刻晴「……~~~っ!」
旅人「あはは。刻晴さん顔真っ赤ですよー!」
刻晴「君だって真っ赤じゃないの!」
旅人「夕焼けの所為でーす!」
刻晴「じゃあ私だって夕焼けの所為よ! あ、こら逃げるなーーーー!」
旅人「あはははは!」
蛍×刻晴も刻晴×蛍も好きです
甘雨ちゃんも可愛いです