旅人「刻晴さんがなんでも一つ言うことを聞いてくれる!?」   作:瑠川Abel

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刻晴「膝枕がしたい?」旅人「はい!」

 

 

 

刻晴「いいわよ。おいで」ヒザポンポン

 

旅人「ちーがーいーまーすー!」

 

旅人「私が! したいんです!」

 

刻晴「」ジー

 

刻晴「来ないの?」ヒザポンポン

 

旅人「いきますっ!!!!!」

 

刻晴「~♪」

 

旅人「ゴロゴロゴロゴロ……」

 

刻晴「いいこいいこ」ナデナデ

 

旅人「はふぅ……幸せです……」

 

刻晴「そのままゆっくり眠るといいわ。君の寝顔を見るの、とっても好きだから」

 

旅人「うぅん……」ゴシゴシ

 

旅人「」ッハ!?

 

旅人「ちーーがーーいーーまーーすぅーー!」ガバッ

 

刻晴「あっ……」

 

旅人「私がしたいんです! さ、どうぞ!!!」ヒザバンバン

 

刻晴「さてと、仕事に戻ろうかしらね」

 

旅人「むーーーーーー!」

 

刻晴「そんな顔しないの。蛍だってわかるでしょ。寝てたら仕事が進まないの」

 

旅人「わかってます。でも、刻晴さんはもっとお休みするべきです!」

 

刻晴「?」

 

旅人「ああもうやっぱり気付いてないじゃないですか! もう! こんな時間! ですよ!!!」

 

刻晴「こんな時間、ってまだ日付も変わってないじゃない」

 

旅人「普通日付が変わるまで仕事はしません!!!」

 

刻晴「七星の仕事が"普通"に収まるわけないでしょ」

 

旅人「んぎぎぎぎぎ」

 

刻晴「蛍、心配してくれるのはわかるけど、こればっかりは私にしか出来ないことなのよ?」

 

旅人「わかってます。わかってますけどー……」ショボン

 

刻晴「それに休もうとすると君が布団に潜り込んで来るからあまり眠れないのよ?」ジー

 

旅人「うっ」

 

刻晴「まあ、私も君のことが大切だから睡眠時間は別に気にしてないけど……」

 

旅人「」パァァァァ

 

刻晴「だからといって、仕事を終わらせないで休むわけにはいかないわ。七星として解決しないといけない問題はまだまだたくさんあるわ」

 

旅人「むぅぅぅぅ」プクー

 

刻晴(膨れてる蛍も可愛いわね……)

 

旅人「……わかりました」

 

刻晴「そう? じゃあまた膝枕の続きを――――」

 

旅人「えいっ」グイ

 

刻晴「きゃあ!?」バターン

 

旅人「いつまでも休んでくれない刻晴さんはお仕置きです!」

 

刻晴「お、お仕置き?」ドキッ

 

旅人「そうです。まずは拘束します!」

 

刻晴「拘束、って――!?」

 

旅人「ふふ。風元素を利用してロープで両手首を縛らせて貰いました!」

 

刻晴「器用な真似を……!」

 

旅人「これで刻晴さんはもうお仕事が出来ません。さあ、おとなしく私に膝枕されるんです!」

 

刻晴「っく、殺せ!」

 

旅人「言いたかったんですか?」

 

刻晴「…………今のは忘れて」カァァ

 

旅人「」ニヤリ

 

旅人「刻晴さんが膝枕させてくれたら考えますよー」ヒザポンポン

 

刻晴「っく……!」

 

旅人「膝枕させてくれないなら、もっと酷いことしますからね!?」

 

刻晴「もっと酷いこと?」

 

旅人「例えば……例えばそう! 刻晴さんを押し倒しちゃいます!」

 

刻晴「…………ふむ」

 

旅人「それで身動き出来ない刻晴さんにあーんなことやこーんなことを――」

 

刻晴「続けて?」

 

旅人「え? えっと……す、すっごい恥ずかしいことをしちゃいます! 刻晴さんが顔まっかっかにして謝りたくなるくらいの!」

 

刻晴「…………」

 

旅人「どうです。それが嫌ならさっさと私の膝に――」

 

刻晴「いやよ」

 

旅人「えっ」

 

刻晴「蛍の膝は遠慮するわ」

 

旅人「えっ」

 

旅人「えっっっっっっっ!?」

 

刻晴「あら。そしたら私は蛍に"すっごい恥ずかしいこと"をされるのよね? あー困ったわ。私いったいどんなことをされちゃうのかしら」クスクス

 

旅人「こ、こくせーさん???」

 

刻晴「蛍」

 

旅人「えっ――」

 

 刻晴は縛られた両手を旅人の首に回し、背中から布団に倒れ込む。

 自然と旅人が刻晴を押し倒すような形だ。戸惑う旅人を余所に、刻晴は期待に瞳を輝かせる。

 

刻晴「さ、蛍」

 

刻晴「私に"すっごい恥ずかしいこと"して?」

 

旅人「あ、う、う……!」

 

刻晴「大丈夫よ。私は君のことが大好きだから、君のしてくれることならなんだって受け止めるわ」

 

旅人「」カァァァァァァァァ

 

刻晴「……さ、蛍」

 

 旅人の視線は自然と刻晴の唇に向けられた。艶めかしく動く唇が妙な厭らしさを魅せる。

 ペロリ、と刻晴が舌なめずりする。それが旅人の感情(ばくだん)を爆発させる切っ掛けだった。

 

旅人「こ、こくせーさん!」ガバッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

刻晴「まったく。蛍は私の前では隙だらけね」

 

旅人「あうぅ……こ、刻晴さんが魅力的すぎるのがいけないんです!」ギュー

 

刻晴「ふふ。蛍も可愛いわよ」

 

 ひとときの甘い時間を過ごして刻晴は再び仕事に戻っていた。とはいえ机と椅子を寝室に運び込んで旅人の相手をしている辺り、七星としての"普通"とはだいぶかけ離れているようだ。

 

 今もこうしてベッドの上から旅人は刻晴に背中から抱きついている。出来る限り刻晴の作業効率を落とさない姿勢を模索した結果だ。

 

旅人「むー……。お仕事に刻晴さんを奪われたようです」

 

刻晴「そんなことないわよ。蛍が自分から言ったんじゃない。『特別』だって」

 

旅人「そうですけどぉ……」

 

 旅人は妥協は出来ても納得はしていない。抱きしめる力を少しだけ強くして抗議する。

 けれど刻晴にとっては涼風のようなもの。大して動揺するまでもなく淡々と仕事をこなしていく。

 

旅人「」ムー……

 

旅人「っ!」ピコーン

 

 何かを思いついた旅人は、にへへ、と少しばかし意地の悪い笑顔を浮かべた。

 もちろん刻晴は気付いていない。

 旅人はまた抱きしめる力を強くする。けれど今度は抗議の意味ではなく、甘えるような力の込め方だ。

 

旅人「……こくせーさん」ギュ

 

刻晴「どうしたの? 甘えたくなったのかしら」

 

旅人「…………だいすきっ」ササヤキ

 

 刻晴の耳元で甘い声で愛の言葉を囁く。

 いつもなら真正面からぶつけられる熱い感情が、耳から直接脳を揺らす。

 

刻晴「……」

 

刻晴「…………っ」

 

刻晴「…………~~~~っ!」カァァァァァァァァ

 

旅人「えへ。告白してからやっと一本返せましたっ!」

 

刻晴「ほ、蛍……!」ワナワナワナ

 

旅人「はーいなんですかー」ニマニマ

 

刻晴「これで勝ったと思わないでねっ!!!!?」

 

旅人「えーーーーーー!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パイモン「……なんだか最近清心を食べても苦さを感じなくなってきたぞ」

 

甘雨「!!!」シュババババ

 

パイモン「甘ったるい空気が濃すぎるんだよ!!!」




ほたこくもこくほたも大好きです。いやもうどっちも攻めてどっちも受けろ。


ところでそろそろぼくのところに刻晴ちゃん来ませんか???来てくださいお願いします。。。。。。
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