ハイスクールフリートとイージス艦   作:アイバユウ

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横須賀港に向かうイージス艦

海賊行為をしていたとされる船の残骸の回収はホワイトドルフィンの艦艇に任せた

俺が乗船しているライチは横須賀に向かった

宗谷真霜さんが乗船しているインディペンデンス級の艦艇と共にだ

これからは交渉だ。横須賀港に入った時から全火器管制システムを起動させておかなければならない

いつ戦闘になるかわからないからだ

今は巡航速度である20ノットで北に針路をとり航行していた。

人工衛星からの偵察画像などで敵対する艦艇がいないかどうか調べながらだが

 

「艦長、休まれてはいかがですか」

 

俺は悩んだ。今のところ衛星からも敵対艦艇は確認されていない。

ビーコンにも異常を示す反応がない。それにブルーマーメイドの艦艇と共にいるのだ

攻撃されることはまずないだろう。だが俺はいつ戦闘になるかわからないと気を引き締めた

 

「いや、休むならここで休む。俺は椅子に座りながらでも眠れるからな」

 

「わかりました」

 

「艦長。広域通信バンドで通信を受電中」

 

「暗号回線か?」

 

「いえ、広域拡散無線周波数バンドですので暗号回線ではありません。受信できました」

 

内容は今俺たちが乗っているライチに対しての攻撃をするなという事だ

アーレイバーク級駆逐艦は彼らにとって見たこともない艦艇だ

攻撃されるリスクを下げるための配慮とされる

それはそれは安心だ

 

「今のところ問題はないな」

 

「艦長、艦長室でお休みください。緊急時にはすぐに呼びますので」

 

CICの統括管制官役を担っている精霊からの言葉に仕方がないと言って休憩を取りに行った

精霊たちは情報収集に必死になって対応した。人工衛星などを駆使して現状の状況把握に努めたのだ

 

「低軌道を周回している多機能型人工衛星からデータを受信。横須賀港付近で多数の艦艇の出港を確認」

 

「識別コードからブルーマーメイドと判定」

 

精霊たちは艦長に次の一手を打てるように情報収集を継続して行っていた

 

「全火器管制システムを起動。出港してきた艦艇にミサイルロックを」

 

アーレイバーク級駆逐艦ライチに搭載されているタクティカルトマホークミサイルに照準データを入力

このミサイルは本来は対地ミサイルだが、ハープーンミサイルが足りなくなった時のために

艦艇などの船舶にも照準をロックすることもできる

ターゲットは最も先頭にいる艦艇だ。ただしあくまでも照準をロックするだけだ

現段階では攻撃するわけではない。トマホークの最大射程距離は3000kmだ

横須賀の街を今の時点でターゲットにすることができる

人工衛星とリンクすればいつでも攻撃可能なのだ

 

「艦長がいないからって気を抜かないで」

 

「「「了解」」」

 

CIC統括管制官を務めている精霊の言葉に他の精霊たちも了解と返事をした


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