ハイスクールフリートとイージス艦   作:アイバユウ

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警戒行動と信頼関係

 

「艦長、ここは一度港から出港するべきではありませんか」

 

乗組員の精霊たちはこちらの技術が漏れることを懸念していた

それは俺も同様の見解だった。もし漏れたら大問題になる。

宇宙空間にある静止軌道人工衛星や低軌道人工衛星の情報が漏れればさらにリスクは高まる

こちらにとってはいつブルーマーメイドが敵対勢力になるかわからなくなる

 

「確かに一理あるな。補給艦には即時の出港を指示を出してくれ。我々も一時的に出港する」

 

さらに俺は出港と同時に攻撃準備命令を出した。

万が一こちらに砲撃でもしてきた場合、その艦船などを撃沈するためだ

 

「艦長、出港準備は完了しました。機関始動します」

 

俺は許可するというと機関始動を示すエンジン音が聞こえだした

 

「機関始動完了。これより出港します」

 

「よろしい。横須賀港沖合10km地点まで機関全開で向かえ。補給艦も同様に指示を出せ」

 

俺は次々と横須賀港からの出港命令を出していった

 

「艦長、宗谷校長から無線です」

 

俺はすぐに無線交信を始めた。

一時的に港から離れて安全確保のためだと説明したが

そんなものが通じるわけがないということはわかっていた

 

『何かあったのですか?』

 

「一時的な訓練航海です。ずっと停泊している状況下では腕がなまってしまいますので」

 

もちろんこんなセリフは嘘だ。

俺はひそかに火器管制官にミサイル標準をブルーマーメイドの港に停泊している艦船に照準を固定させた

もし敵対行動をすればいつでも攻撃できるようにだ

さらにトマホークミサイルにもブルーマーメイドの指揮センターを攻撃座標として登録するように指示した

 

「艦長、ブルーマーメイドの艦艇の1隻が我々を追うかのように出港してきました」

 

「よろしい、攻撃準備目標を変更。その艦艇に攻撃準備目標とする」

 

「了解」

 

俺はレーダー画面に映し出されているブルーマーメイドの艦艇に注視した

 

「艦長、攻撃を行えば我々は海上安全整備局と全面戦争になります」

 

「もちろんリスクはある。でもリスクなしで勝負はできない。ここが踏ん張りどころだ」

 

「了解」

 

俺は最悪の事態を想定していた。

最悪の場合とは簡単だ。ブルーマーメイドとホワイトドルフィンとの全面対決だ。

だが攻撃と言っても簡単だ。両者の指揮統制センターに対して攻撃を仕掛ければ一時的とはいえ

対応行動を遅らせることができるし、ほかの艦艇は混乱するだろう

問題はその後の対応方法だ。1度戦争を始めてしまうと止める事は難しい

そのためにもあくまでも威嚇攻撃に抑えておく必要がある

口では簡単に言えるが実際は難しいものだ

専守防衛という言葉と同じようにだ

 

 


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