ハイスクールフリートとイージス艦   作:アイバユウ

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第9話[横須賀港へ向かうと共に洋上補給訓練]

西之島新島 北10km

 

俺たちは挨拶するのを終えるとそれぞれ訓練航海のために横須賀港に寄港のために向かうことにした。

ただし、はれかぜとライチの最高速度はほぼ同じだが

はれかぜは全力運転を続ければトラブルを招くため速度を落として15ノットで航行していた

ライチは横須賀港に向かう間の時間を利用して人工衛星から衛星画像を送ってもらっていた

こんなものがあることがばれたら大変なためCICは乗組員である精霊と俺以外立ち入り禁止にしていた

 

「思っていた以上に水没しているな」

 

「仕方がありません。時代が時代ですから」

 

「ソナーに継続的に反応があった潜水艦ですが、我が艦の南5000mを維持しています」

 

ソナーを担当している精霊からの報告に俺は悩んだ。

攻撃の意思がないならなぜ浮上しない理由だ。潜航したまま航行しているとなると何かあるかもしれない

今は海上安全整備局の艦船とともにいるのだから安全であることはわかっているはずだ

 

「艦長。真霜さんに問い合わせてみてはいかがですか」

 

「彼女に何て説明するんだい?」

 

「真実をっていうのは無理ですね」

 

「人工衛星の件がばれたら最悪。どうやってという説明に苦慮することになる」

 

「わかりました。ただし引き続き対潜ロケットのアスロックをスタンバイしておきます」

 

しかしだ。この場でもしミサイルを放った瞬間から周りは味方ではなくなる

そこを見極めなければならないところが難しいところだ

 

 

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横須賀女子海洋学校会議室

 

「それでその艦艇の画像は入手できたの?」

 

「はい。これです」

 

副校長の男性が校長である宗谷 真雪にファイルを渡した

 

「この艦1隻でさるしまを撃沈したと?」

 

「あくまで正当防衛ですとのことです。ブルーマーメイドの宗谷真霜一等監督官からも同様の報告が上がっています」

 

「恐ろしいわね。この情報は海上安全整備局には?」

 

「まだ上がっていないようです。いかがされます」

 

「その艦の艦長の名前は?」

 

「相葉ユウ。そう名乗っています」

 

資料のタブレットにはまだ10代と思われる子供の写真が映し出されていた

 

「まるで冷静に戦場を見てきたような視線ね」

 

「それがなにか?」

 

「ブルーマーメイドとしても彼らが保有する技術と戦力は欲しいところでしょうね」

 

「ホワイトドルフィンも同じでしょう。いかがされます?」

 

「海上安全整備局に連絡を取りましょう。彼らと連携をすれば大きな影響が出るわ」

 

 

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横須賀港へと向かう途中 駆逐艦ライチCIC

 

そこでは洋上での燃料補給訓練が行われていた

 

「補給訓練を開始する」

 

洋上補給は連携が保てなければできない作業だ。簡単にできることではない。

精霊たちはてきぱきと動きヘンリー・J・カイザー級給油艦との給油訓練を行っていた

俺はそれをCICで監視していた。CICでも互いの速力調整などの指示が必要だ

さらに補給作業中は事故が起きる可能性が高い。緊迫の時間を過ごすことになる

 

『燃料補給エリアからCICへ、補給ワイヤーやり取り完了』

 

「よろしい。補給マニュアルに従って動作確認を行い完了次第作業、オペレーションを終了せよ」

 

『了解』

 

 


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