ボーーーー
港に停泊している客船が汽笛を鳴らしている。
俺は今可愛らしくおめかしをしたジョゼと一緒にとある港に来ている。
「ふぉぉぉ!!恒夫!デカいなこれ!こんなでっかいのに乗るんか!」
「あぁ今からこれに乗って三日間の船旅だ。にしてもほんとにデカいな。」
俺達の眼の前には映画タイタニックを思わせるほど大きい華美な装飾の成された豪華客船が停泊していた。何故こんな客船に乗って旅行できることになったのかというのは少し前に遡る。
五日前、俺とジョゼは夕飯の買い出しの為近所のスーパーに来ていた。ある程度のまとめ買いをするのでそこそこの額になるのだがお会計でお釣りと共に福引券のチケットを二枚貰えたのだ。
「福引券やって。何々、三等は蟹の盛り合わせ、二等は松阪牛セット、一等は豪華客船三日の旅!恒夫これは当てるしかないで!」
目をきらっきらさせているジョゼは絶対に当てるという熱い闘志を目に宿して肩をぐるぐる回している。
「当たるかなぁ。俺これ系のくじ引きで良いの当たった試しが無いんだよなぁ。」
昔何回かやったことはあるが出ても洗剤かティッシュだ。なので今回のくじも当たる気はあまりしないでいた。
「じゃぁまずはあたいからや!そら!」
ガラガラと音を立てて回転しコトリッと球が落ちる。色は青色だった。
「青色!なんや一等か!」
ちらっと景品交換の弾の色一覧表を見ると一等は青色ではなく王道の金色だった。
「なんやぁ、一等やないんかぁ。たわしやん。」
しゅんと凹むジョゼだったが直ぐにこちらに向き直って声援をくれた。
「恒夫なら出せる!あたいは信じとる!」
いやプレッシャーかけないでくれよと心の中で思うが確かに一等を出すことができたら最高の想いで作りになるだろう。外れた時には適当に宥めようと決めくじを回した。コロリと球が落ちる。色は、金色だ。
カランッカランッカランッ
「おめでとうございます!!」
スタッフさんが鐘を鳴らして祝福する。
「やったぁ!!恒夫なら出してくれると信じとった!」両手を天に突き上げて喜んだ後ぎゅっと強く胴体を握りしめられる。周りのギャラリーも喝采を送ってくれていた。
当てた俺はまだ理解が追い付かず頭が整理できるまで固まっていた。
そして現在に至る。いつか一等が当たるとして今回ジョゼと付き合い始めてから当たってくれたことに感謝だな。
搭乗する前からこれだけ燥いでいる彼女を見て尚のこと強く思うのであった。
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