積り積もった話をお互い話し合い幸せな時間に沈み込む二人。
気が付けば時刻は16時に差し掛かっていた。ある程度話したところで恒夫が一つ提案をしてきた。
「なぁ、今から海に行かないか?」
「いいけど、どうして急に?」
ジョゼは不思議そうに小首を傾げた。
すると恒夫はジョゼの手を握り優しい顔を向けた。いきなり手を握られたジョゼはあたふたしながら顔を朱に染めていた。
今だってぴったりと密着しているというのに今更何を戸惑う必要があるのだろうか。
恒夫はそんなジョゼに構わず提案した理由を話した。
「初めてジョゼと見に行った海がどうしても忘れられなくってさ。また見たいんだ。」
ジョゼはその記憶を思い返した。
私は海の味が知りたくて必死に這いつくばって波打ち際を目指したっけ。
そこを恒夫が持ち上げて御姫様だっこされたことまで遡った時またまた顔が熟れたトマトのように赤くなってしまった。
思えばあの時から恒夫のことを意識したっけ。
日の沈む間際、海の味を知り子供のように感動しはしゃいだジョゼは単にそれは海の味だけではなく、恒夫と一緒にあの感動を分かち合えたことにそれほどの喜びがあったのだと改めて思った。
「あたいも行きたい。また恒夫と一緒にあの海が見たい。」
朗らかに笑うジョゼに恒夫はそっと口づけした。
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日没前に二人は砂浜に着いた。
そこに広がる景色は以前見た景色と同じだった。
でも違うことがあるとすればそれは二人の
関係だろう。恋仲になるまで楽しいことも、
苦しいことも、たくさんあった。
それでも二人は乗り越え今日に至る。
「綺麗だな」
「ほんまや」
恒夫はゆっくりジョゼの体を持ち上げた。
御姫様抱っこされるジョゼは恥ずかしさは
あるものの、二人きりの砂浜の雰囲気が
恥ずかしさを和らげてくれた。
白い砂浜はまるで舞踏会の広間の様。
波際で舞う二人はさながらワルツを
踊っている様だった。
とても美しい光景だった。
純粋で、まっすぐで、穢しがたい
そんな光景だ。
二人はこれからどうなってゆくのだろう。
それは未来を謳う人魚姫しか知らないこと。
to be continued.....
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