時刻は20時を過ぎジョゼの部屋でゆったりとした時間を過ごす。
すぐ横ではジョゼが絵を描いていた。気になったので後ろから覗き込み、「なんの絵を描いてるんだ?」と聞いてみた。
「これはな、絵本の絵や。でっかいクジラに乗っていろんな海を旅する物語なんやで。」
「楽しいだろうなぁ。そんなでっかいクジラに乗って旅出来たら。」
「せやろ?見たことない珊瑚や貝や魚たちを見んねん。自由にどこまでも広い世界を見られるんやで!恒夫も、」
フッとジョゼがこっちを振り向き鼻先が当たりそうになる距離に驚き目を見開き頬を赤くして硬直する。それは俺も同じでジョゼから目が離せないまま固まってしまった。
息がかかり艶やかな唇にスッと吸い寄せられる。
「んッ!?」
驚いて変な声を上げたのもつかの間、目がすぐにとろけた様になって身を委ねた。
「んうッ、んッちゅッ」
数分キスをして顔を離す。ジョゼの顔はもうふにゃふにゃだ。
「いきなりは、ずるい。こんなん抵抗できん。///」
「別に抵抗なんてしなくていいだろ?それとも嫌だった?」
「そんなわけ!あるわけないやん、,恒夫の意地悪//」
ポスンッっと力の入っていない小さな手で胸を叩かれる。そんなジョゼを見て堪らなく愛おしくなり優しく頭を撫でた。
「ほんと可愛いなジョゼは。」
「もう//そういうことを急に言うのも禁止や。///」
暫くそのままプリプリ怒っていた彼女だったが落ち着いたのか「ふう」と息を漏らして「集中して描くから邪魔しんといて!」と釘を刺された。別にさっきのキスは魔性の妖艶さによる不可抗力であって俺が悪いわけじゃない。うん。俺は悪くない。
少しまだ悪戯心が残っていてもう一つちょっかいを掛けることにした。両腕をジョゼの体に伸ばす。
ギュツ
彼女を包み込むようにして腕を交差して抱き着く。俗にいうあすなろ抱きというやつだろう。
「ひょわぁぁぁぁぁッッッ!!!」
甲高い声を上げジョゼは背筋をピーンッと張り「邪魔するな言うたやろ//」と藻掻いている。「なんで急に抱き着くんや!//」と言ってきたのでつい情けないことを言ってしまう。
「だってさ、こんな久しぶりに会えて二人っきりだってのに肝心のジョゼさんはお絵描きに夢中で俺に構ってくれないから。」
「うぅ、すまん。あたいも別に恒夫とその、ベタベタしたくないわけやないんや。でも、、その、は、恥ずかしくてどう接したらいいか分からんねん。///」
「そっか、じゃあ描く邪魔はしないからこのまま抱き着いていていいか?」
「うん。///」
小さいながらも確かに感じるジョゼの温もりを肌で感じ疲れからかウトウト夢見心地になる恒夫だった。