あの騒ぎから数日……俺は完全に家に引きこもっていた。
「やっぱりガルパンは良いものだなぁ……特に直向きに努力する姿は心打たれるモノがあるわぁ~、あとボコ可愛い(確信)」
って言ったつもりだったんだけども。
「少女達が戦車に乗り戦車道と言う武道に似たスポーツに対して全力で取り組むその姿……私も見習うべきだな。本当に色々と考えさせられる点が多いアニメだ」
っと口からは変換されて言葉が吐き出される……かなり不便だよ、ホンっと。
そんな風に頭の中で悪態をつきながら今の現状を考える。
引き込まっていたのは問題があるからだ。今の問題として現在政府が能力者や変異者の通称、ギフターの影響で完全にマヒしてるらしい。ギフター達が様々な問題行動や犯罪などを起こした結果警察や自衛隊まで出てきてその対処を行っている。そのせいで軽い世紀末状態だってネットで騒がれる。ギフターの影響はコレだけではなく目覚めてから数日しかたってはいないのに公共の交通機関は完全に止まっていて。東京の中心部などでは場所によってギフター同士の戦闘が勃発、その戦場痕が災害クラスの被害を出している状態に。これだけの情報でも酷いとは思うがさらにひどい場所では対応に当たっていた警察や自衛隊が悪意ある能力者に制圧されてしまい完全なる無政府状態に……日本はこれから一体どうなるんだ?
自国の未来に不安を感じながらいつも見ているニュースの時間なのでテレビのチャンネルを切り替える。
「何処に仕舞ったか……」
そして同時に時間帯的にお昼ご飯の時間なので近くの戸棚に仕舞っていたカップ麺を探しながらテレビの音声に耳を傾けるけれど、能力者が起こしたとみられる犯罪の報道ばかりである意味変わり映えの無い情報ばかりを報道している。
【○○駅周辺で爆発が発生! 近隣住民は急いで避難を! ……】
【○市一帯で大停電が発生! 原因は能力者の犯行だと考えられますが警察は目下捜索中とのこと……】
【〇〇市を制圧したテログループ、法人外は声明を発表! 国内に独立政府の……】
変わり映えの無い……悪い情報ばかり。
「この者達は何を考え、そして犯罪などを起こす為に行動をしているのでだろうか私には理解できない……美味しい」
美味しいラーメン啜りながらテレビや現状を考えるに現在進行形で悪意ある能力者達が暴れているせいで普通の人達からしたらギフターは恐怖の象徴になってしまっている。もしくは犯罪者と同等の認識にまで下がっている。ネットの掲示板でも能力者は殺せだの変異者はただの化け物だの書き込みが多い……気持ちは分からなくはないが過激すぎるだろ。
「ごちそうさまでした」
それと能力者や変異者に対してギフターって名称を付けたのがこの書き込みのサイトが初出だったりする。能力などをギフトと例え、差別意識を込めて付けた名称とこのと……って俺達ギフターだって好きでこんな能力などをもらったわけじゃねぇのに……実害だって多いし。
「はぁ~……」
あ、余りの理不尽さに思わずため息が‥‥って無意識的に部屋を汚してた、危ない危ない。でも仕方ない事だと思う、だって俺の場合勝手に言葉にフィルターがかかって翼語になるし部屋は無意識的に汚してしまう、それに性別だって女に性転換を……マジで不便だ。服とかもほとんどダブダブで鏡で見た時……
「ッむむ! これでは外で行動できないではないか」
そこに映ってたのは露出狂一歩手前の美人さん……なーんて自身の姿を見て知ってしまい色々とヤバかった。俺だって元男だし……流石にいくら美人の姿になってもの自身の体で欲情は出来なかったけれど。
あとこの問題はかなり深刻な状態だと気づいた時もヤバかった。だって今の外の状態じゃ通販なんてまともに機能しているはずないし、他の服を着ようにも他の服も全部似たような状態……つまりこの結果から導き出されるのが外出不可能と言う現実だ。‥‥‥‥ある意味詰んだな、俺!
「外に出歩けないとなると食料などの備蓄が心配だ‥‥どうしたものか」
あと自衛! 自分で守る方法がないと色々と危険だ。今の世の中ギフターは嫌われ者、だからこそ襲われやすいらしいからちょっと外に出るにも自衛能力が問われる……ホント世紀末状態で草も生えぬ。警察組織も壊滅しててあまり機能してないから俺の場合暴漢や痴漢などに襲われて即ENDなんて可能性だって考えられるから……マジどうしよう。
「自衛能力……つまりはシンフォギアのアメノハバキリ……私に扱いきれるのか?」
俺のギフト。多分名称を付けるならシンフォギア装者:アメノハバキリって名称だと思うこの能力。体そのモノを風鳴翼に変化させるとこからそのキャラの武装も使えるはずなんだけど……この武装ってのが使えるかどうか不明な点が怖いんだよなぁ。
それで登場作品は戦姫絶唱シンフォギアってアニメ。歌って戦うをコンセプトのアニメに出て来たキャラで剣を使っていた人で一言で表すなら防人。今の俺に劇中の能力……シンフォギアの力が扱えるってか、まずその能力があるのかさえ分からないから不安しかないんだよなぁ。
「一度歌ってギアを纏うのもアリだと思うがはたしてギアが反応してくれるかどうか……」
うんうん~と唸りながら洗面台でカップ麺で使ったお箸を洗いつつ、キッチンの小窓で外の様子を眺めていると。
「ん?」
遠くで何か光る物が見える。何だろうと疑問に思い良く目を凝らして見てみる……って。
「……これは現実なのか?」
その光ってたところから突如ウルトラマンが出現した。何を言ってるか分からないと思うが俺も混乱してる。そのウルトラマンは何か小さいモノと戦ってるみたいでこう、何と言うか何かを踏み潰すような行動をしている……ってか俺の家は遠いみたいだからいいけどあの場所、絶対に壊滅状態になってるだろうなぁ。
【臨時速報です! 現在〇市でウルトラマンが出現しました! 〇市の人達は急いで避難をして……】
……ホント日本はこれからどうなるんだろう?
俺はそうしみじみと考えながら急須にお湯を入れてお茶を入れたのであった……うめぇ。
後から知った事だけど跡地にはまるで大地震が発生したような跡しか残ってなかったとか……それで犠牲者ゼロとか流石ウルトラマンですわ。
※※※
一通り現実逃避とアニメ鑑賞を行った後、俺は正気に戻り本格的に自衛能力を何とかしようと考えた。それは色々と考え、対策を練ったけれど結果ギフトを試すしかないという結論に至った訳だけだけども。
「シンフォギア……果たして私の歌に反応してくれるのか否か……」
実際最後にまともに歌ったのが2年前ぐらいだからな……マジで歌えるかどうかわかんないんだよなぁ。不安を抱えながらも一応何かあってからは遅いので部屋のモノを片付けて変身を試す場を整えたわけだけど……マジで不安だ。
「いつまでも失敗を恐れていても仕方ない事、
俺は覚悟を決めてペンダントを握りしめ聖唱を口にしようとする。その瞬間俺の胸の中に不思議な感覚が走った。知らない歌が周辺へと流れだしその歌詞が心から次々と湧き出し何とも言えない感覚へと誘われる。その感覚に魅了されながらも俺はその歌詞を口にしたのだった。
そして眩い光が突如として体を包み込み俺の意識は途切れてしまった。