_______ ビーッ!ビーッ!ビーッ!
「_______ まさか!?」
「「 「 ・・・・・!? 」 」」
________火災が発生しました、避難して下さい
________ ビーッ!ビーッ!ビーッ!
________火災が発生しました、避難して下さい
あちこちの警報機が一斉に鳴り始めた。鳴るならもっと前でも・・・!?
今はもうフランキーが開けた壁の穴からだいたいの煙は抜け出ていたからだ。
俺達が入ったドアが中途半端に開いていて、そこから黒煙と炎がチロチロと見え始めた。
「火元が工場じゃないとはどういうことだ・・・!?」
ヤツの仕業じゃない、ハルベルト自身が驚いてやがる・・・。
「うわぁ!!いつの間に!?中将!もう消せるレベルの火じゃねぇよ!」
「どうする白猟屋・・・・ここで俺達と心中するか?」
トラ男はまた膜を張り、ヤツらがどう動くか両方を監視してる。
しかし、何故まだあの男を生かして置くんだろうな。ヤツなら一刀で済みそうだが?
「クソ・・・・・!おいお前ら!たしぎ連れて先に行け!」
「スモやん、手ぶらでもいいじゃネェか!!早く逃げてくれ!!」
「早く行かネェか!!」
「え、そんなア!?」
ほう・・・そう出たか・・・。
「・・・・うッ!?」
「たしぎ!!」
「まず、その娘を放して頂こうか。」
「た、大佐ちゃん・・・・!!」
「 「 ・・・・・! 」 」
ハルベルトはあのメガネ女を人質に首に銃を付きつけてる。
あの女に悪いがヤツの行為はこの場合、まァ拙くはない。
「私にはもう彼女しかいない・・・・何に変えても奪わせはしない・・!」
「・・・・・・!!」
グリ・・・・!と銃口を女の頬に食い込ませた。
成程、此処の水槽が全部カラって事はそう云う事か。
マネて作った全戦力は余りにも不甲斐無く、奴自身、そのショックを隠しきれねェんだろ。
当たり前だ・・・、アイツが誰に育てられたと思ってやがる・・・・!
「《スキャン・・・・!》」
チャンスを窺っていたトラ男がスモーカーの手の緩みを見逃す訳はない。
「・・・・・・・・・・!?」
「!!?」
「アッ_____」
海軍の誰かが声を漏らす。驚くスモーカーの腕の中に居た筈の彼女が消えた!?
ジャキ・・・・・・・!!! ザ・・・・・・・!
総毛立つ様な殺気が俺にも感じられた。
『 _____頂戴した 』
一瞬だ。____あの時と同じ・・・・!
ハルベルトの背後にフワ・・・・羽の様な髪が散る___混じって黒髪がバサリと落ちた。
「たしぎ・・・・・!走れ!!!」
察したスモーカーの声に条件反射でそこから脱した女海兵、まさにギリギリだ。
目を見開いたままのハルベルトの首が前に動いたと錯覚する。
あるべき場所からソレはゆっくりズレ落ちて行く・・・・。
「 「「「 ・・・・・・・!!! 」」」 」
「”シビトバナ”・・・・・・!!!」
煙を吐き出しながらその名を口にする男。
刺客の通り名は知れていてもその正体を知る者はごくわずか・・・・。
当時の俺でさえ、彼女がそうだと知ったのは偶然のようなものだった。
喉の皮一枚残しゴトン!と今、落ち切った。僅かな痙攣を見せた体から
前に噴き出す血、まるで壊れたシャワーが仕掛けられたかの人形の様だ。
とうとう糸が切れたかに崩れるハルベルトの体。
その背後には持ち替えた双蛇丸を両手に、頭を垂れたままのアイツが残ってる。
『 仇を____感謝する 』
「あァ・・・・・。」
「・・・・・・・・・・オイ!!」
ドサ・・・・!
そのままその場に倒れたアイツはトラ男の能力によって回収されていた。
(仇討ちさせる為に・・・・。)
アイツも能力者、海楼石で弱った上に元々体が丈夫じゃない。
気丈にここまでやれたのはアドレナリンのお陰だと云うのか。
「お前ら!海軍も!もういいじゃねぇか!逃げ場が無くなるぞ!!」
「俺達は此処をぶっ潰しに・・・そしてアンジーちゃんを色んな意味で救いに来ただけだ!」
「ああ!まだ暴れ足りねえがもう用はねぇ・・・!」
「キャプテンも早く!!!」
「チ・・・・・・オイ!!お前ら!退け!!」
_____________
酷く埃っぽい・・・乾いた風、真昼だろうに太陽は見えない
視線を戻せば私は死体の転がる広場に立ってた
この場所を知っている・・・・そう思った時、手の感覚が戻った。
見下ろせば、両手にくくり付けた小太刀・双蛇丸は酷く汚れている。
此処で最後に斬ったのは ____________ 親子か。
" この正義は間違ってる・・・・!! "
母親にそう云わせる間をなぜ、与えたんだろう
体がビリビリと震えてる 見渡す、無数の屍に背を向けた。
任務を終えた。船に戻らなければ____ そう思うのに熱を放出する体が動かない。
立ち尽くしていると
" ご苦労だったな "
黒い服の男達に保護された年寄りがそう云ってフード越しに頭を撫でて行った。
あれは五老星の1人だ
" ___________ お前、怪我をしたんか? いかん、酷い熱じゃ・・・!"
その私を船まで負ぶって行ったのは・・・後に、W7に現れたミホークに食い掛ってた男だ
”義理の父が聞いて呆れるのう。何故"ピッツ・バウンド"などに行かせたんじゃ・・・!”
そして謎の言葉を残し、シルクハットを手に病室を出て行ったのは...私の苦手とする男。
彼らはみんな其処で私と関わったはず・・・・。
それにミホークがローに云った言葉もずっと不透明なまま私の中に残ってる
"その時は貴様がその力で彼女を静止させろ、ここの連中は必ず迷う・・・、いいか、情を移すな!"
だがまだパズルは揃わない____何故、記憶を切り取らせたんだ・・・・?
___________________
「さっき殺したのは皆、クローンだと云うのか?」
「あァ_どうせまたヤツじゃなくともコイツの様な人間を造る奴がまた現れるだろうがな」
___ベガパンク然り・・・とトラファルガーは言いたげだった。
死の外科医と呼ばれる男は抱き上げた少女を見やってから、燃え盛る研究所を眺めてる。
気になるのは火事の原因だが、麦わらの一味フランキーのビームの余波でもないらしい。
「”我々には最初から死に方を選ぶ権利はない”と・・・この女が云うもんでね。」
「何・・・・・・・・・・?」
「”生れた時から神の怒りを買っていたお陰だ”そうだ。」
「・・・・・・・!」
このL・ロゼッタは海軍でも謎が多い女だった。
そもそも、誰が何の目的で探しているのかも有耶無耶にされて来たんだからな。
ならクザンは知っていたと云う訳か・・・俺に捕縛させ、その後どうする心算だったんだ?
「ともかくMISSINGにはもう関わるな。まだ上に上がりてェなら尚更、他言無用__」
「・・・・・・いや、手遅れじゃねェか・・・・!?」
「!?」
「___あぁ!とにかくヒドイ話だと思うだろう!?こんな・・・、可愛らしいレディに!!!」
「まったくだ!!黒足の兄ィ!!傷だらけが逆にモエモエ・キュン❤とくらァな‼!」
「また!海賊をアニキ呼ばわりするのは止めなさい!でも・・・なんて気の毒な・・・・。」
「だいたいシャンクスがンな悪いヤツ、船に乗っけるワケがねぇ!!」
「ってことは、赤髪のヤローはマサカのロリコンで!?」
「シャンクスの事、悪く云うなぁああああ!!!」
ボコ!!!
後ろを振り返ればウチのG-5の連中が・・・麦わらと黒足に泣かされたり殴られたり。
トラファルガーはアゴが外れる勢いで驚き、額に怒りが現れてやがった。
「アンジーは・・・科学の犠牲者だよ・・・・!おれ、次にこんな事した奴、絶対許さねぇ!!!」
「オレもだ!!てか、今時アダウチとか!泣かせるじゃね~か!あいつめ。スゥ~パーァ・・・仁義だぜ!」
「「「「「 うぉおおおお!仁義だ! 」」」」」
「ああ!云ってくれりゃ俺っち、助太刀したのに!!!」
「なんだよ!トラ男ントコも、ケムリン部隊もイイ奴ぞろいじゃね~か・・・‼ グスッ;」
「ほんと、意外よねwww」
「そうか!?」
「よせやいネーちゃん。デヘヘッ❤照れるじゃねーかw」
アイツら・・・、どれだけ盛り上がるツモリだ!? PH以来、腹立つ位こいつらがスキと見える;
ビキニ女が居たせいでもないだろう。奴のクルーまで巻き込んでるんだからな。
「確かに・・・・遅かったな;取り敢えず、お前の部下だ。そう言っておけ・・・!!」
「フ・・・・・!あぁ・・・・。」
トラファルガーが流石に持て余す麦わら一味に呆れ、帽子の影でほくそ笑んだかに見えた。
確かに、勝手に造られたであろうクローンを同胞とみなし・・・
その仇をも勝手に打ったと云うならば___噂通りでもない。
感情がないとされるイヴの子・・・その女が仇討ちを果たしたと聞けば
ベガパンクは間違いなくますます、彼女を調べたくなる事だろう・・・・・。
「俺にはまだ仕事が残ってる・・・・先に行く。」
「仕事!?」
「あァ・・・・、大した事じゃない。・・・ベポ」
「アイアイ!」
奴はクマを呼びつけ、彼女を背負わせる。
「ロボ屋。お前の手を借りたい。」
「お!?あァ、それは構わねェが・・・・。」
_______________
「こういうコトか___。」
「あぁ、アンジェラはアア見えて人の死を重んじる」
俺はロボ屋を連れて元来た道を辿って来ていた。
女たちの弔いの為、奴の火力を借りたのだ。
燃える女達、アンジェラスが此処に居たなら胸で十字を切ったろう。
「トラファルガー、てめェに聞きたい事がある」
「・・・・!?」
「ピッツ・バウントで・・・彼女に一体何が起こったんだ?」
「"破損"か・・・。」
トニー屋から聞いたのか、・・・・まぁいい。
___武装化したカルト集団・オルドン教の狂信的な異教徒約200名あまりによる
ピッツ・バウンド大寺院占拠事件。僧侶およそ100名足らず、
そして其処で会合中だった五老星の1人の老人を人質にして大罪を犯したとされる
オルドン教の教祖の「インペルダウン」送りを中止させ、釈放を世界政府に要求した__
「アンジェラはあの場所で何かを見て、何かを感じて・・・・そこで壊れた・・・。
アイツのホルモンバランスが崩れたのも、キャパの問題で恐らくはそれが影響してる。」
「どんだけあの娘をイジったんだ・・・奴ら・・・・!!!」
”_______ 戦うことしか望まない、イヴの子の遺伝子
ピッツバウントでは遺伝子が相反する感情を焼き切ったんだろう________”
「アイツの感情は30を超えようとしている・・・それが深刻な脳ストレスを引き起こした。」
そう・・・・だからあの男は俺に無茶をさせた。
彼女の、”死”を恐れて・・・・・!
to be continued