_________ アンジェラはまだ眠ったまま・・・陽は暮れて行き___
その夜、甲板で彼らしくない姿を見かけた。
船縁に立ち、夜空を見上げている元・4億4千の首を持つ男・・・・。
「彼女のあのアザは・・・病気の痕だったのね。」
「流石に博識だな__ニコ屋」
不意に声を掛けた筈が特に驚きもせず、振り向かない。
彼は1枚の写真を隣に来た私に寄こした。
「これは・・・・・・!」
「ハルベルトが持ってやがった。アイツのオリジナルの女だ、良い資料になる」
今では撲滅したとされる”紅麻疹”-アカバシカ-であるの患者の、貴重な写真・・・。
一説によると本当にあったのかも疑わしい奇病であると言われていた。
ワノ国で流行り、その華模様が全身に回れば死ぬ・・・との記述だったと思う。
「アンジェラよりは少し”お姉さん”かしら・・・大人っぽいわ。」
「あぁ、そうだな・・・・。ニコ屋、俺は__ワノ国へ行く」
「興味が湧いた・・・・?」
「”紅鬼”と呼ばれた女を知りたくなった。それはアイツも同じだろう。」
以前・・・、あの忌まわしいシャボンディでの噂を聞いた。
”ヒューマン・ショップ”に出された短命過ぎるクローンの話を・・・・。
それがハルベルトの資金になっていたとすれば、
ローが、元・ボスの店を見学しにきただけじゃないと推察できる。
(ルフィ、貴方はなんて強運な人・・・・。)
良いヒトとは言い難いが、彼はとても不器用な甘さと温情を隠し持っている。
この男なら・・・よほどの理由が無い限り、裏切りはしないだろうと思えた・・・。
「ロー、貴方・・・何を”借りだ”と思っているの___?」
"借りもある___仕方ねぇだろ"
彼が、そう云っていたことは忘れてはいない。
「・・・・・・・・・・・・・・、話す気はねェ。残念だな。」
「フフ、そう・・・残念ね。」
「そろそろ様子を見てくる・・・・。」
ローにはその事を思い出していた様な間があった。
彼が口を噤むのは・・・・恐らくアンジェラスを守る為なのだろう。
大事なものの為には__どんな悪党にでもなれる・・・・ある意味、一途な人___
___________
「____オイ!どうだ!?」
______バイタル・レシピの中に、己の持つホルモンのバランスを正常に保つ物がある。
トラ男に聞かれるまでもなく、俺はそれを考えていた。
クソ剣士を海に潜らせ、材料を調達させてるトコロだ。
「あと・・・・・青くて、サメみたいなコイツか?」
「おー!?上出来じゃねーか、たまには役に立つねェ・・・マリモ君!」
「やかましいわァ‼ 早くアイツになんか作ってやれ、アホコック!!!」
本来なら門外不出の奥義だが、全てはアンジーちゃんの為・・・!!!
俺はトラ男んとこのコックに、それを伝授するツモリでいた。
「いいか?重要なのはぶち込むタイミングだ・・・!絶対、順番間違うなよ!!」
「解った・・・・・!!」
ソイツを抱え、キッチンに入るとメモ片手に食いつくコック長。
しくじれば教えた俺は当然のこと、トラ男の怒りまでも一身に受けるからな!!!!
「なかなかデキルじゃねーか。さっきの調子でな!」
「へ、へい!」
さて・・・・スープも出来た、後はアンジーちゃんが目覚めるのを待つだけだ。
俺は彼女の様子を伺いに部屋に舞い戻って来ていた。
まだ、眠り続けてるのかなァ?いっそ、目覚めのキッスでも・・・・!!(デレデレ❤)
「・・・・あれ。」
ベッドで眠っていた筈の彼女が居ない・・・!?
ハッ・・・耳を澄ますと、水音が・・・・!?
もしや、目覚めて汗をかいたからと___風呂!??
そんな・・・・まさかの入浴中なんて・・・・・ッ!!!
「アンジーちゃ~~~ん!!!お背中でも流そうか!?」
迷いもなく俺は秘密の花園でもある扉を突破しようとした。
__________その時!!!?
「黒足屋????」
「ア・・・・・・・・あァ!???」
バスルームから出て来たのは・・・・・・トラ男!?
しかも、その腕には!!!!!!
アンジーちゃんがバスローブに包まれて、ほこほこ湯気を立てている!!!??
「てめェ!!!このエロ医者!!!一体ダレの許可を得てアンジーちゃんをお風呂にィイイイ!」
「・・・・・・本人が、寝汗が酷くて風呂に入りたいと云うからだ。」
「ちょっと待てェ!!なら、その役トクは・・・お前じゃなくても良かったってコトか!?」
「俺がたまたま来た時に起きて、そう云ったから・・・そうなんじゃねェか・・・・?」
「ウオオオオオオオ!!バカ‼俺のバカ!!!なんだってこんなチャンスをぉぉお!?」
ヤツがハダカじゃなく服をまくった程度だったからまだ許せる・・・、
許せないのはこの、己の不運の方だぁあああああああああ!!!
『 色々と迷惑を掛けたのに、そこまで甘えられないな 』
「ア。アンジーちゃん・・・・!」
『 本当に、有難う。嬉しかった・・・ 』
俺はそれだけで___救われた。笑えない彼女が目を細めたのだ・・・・!
「オイ!!!アンジーちゃんが目を覚ましたぞ!!!!」
喜びのあまり、俺は全員に聞こえる様に・・・扉を開けて叫んでいた______
「アンジェラ___!」
直ぐ近くまで来ていたロビンちゃんが俺の声で部屋に飛び込んできた。
気のせいか、その勢いにトラ男がビク!と体を揺らしたかに見えた。
抱き上げられたままのアンジーちゃんを彼女は覗き込んで頬に触れる
「湯あたりでもしたのかしら、随分火照ってるわよ?ロー、一体何分浸からせたの?」
「半身浴で38度の5分程度だ・・・・」
ンまさか・・・・!まさか・・・・・!!!
確かに、火照って・・・伏せ目がちな目が潤んで・・・ぷるんとした唇が半開きで・・・
ロリエロさに拍車が掛ってる・・・!!まるで、アノアトの様な・・・それは恍惚の
「てめェ・・・・! 湯船で弱ったアンジーちゃんをォ・・・♂♂♂・・・・・!!!」
「___俺は医者だぞ。コイツの管理は俺の仕事だ」
「どんなエロいお仕事をしやがったァ!!!?言え!言って詳しく聞かせろぉおおお‼!」
「大変!鼻からの出血が酷過ぎるわ!お医者さんを!」
「だから俺が医者だと云ってるじゃねェか」
「トラ男、テメーは明日っから”梅干しのフルコース”責めじゃぁあああ!!!!」
彼女をそのままベッドに戻し、そうシレっと言う男にますます腹が立つ。
俺は嘗てない程の怒りと妬みにによる興奮で頭痛がする程血を吹いていた。
海でコックを怒らせたらどーなるか思い知るがイイ!
「アンジー!起きたのね!?ちょっと、サンジ君?鼻血噴き過ぎよ!?」
「ナミさん、聞いてくれ・・・・この、ガフッッッ・・・・!!!!!」
「アンコーーーー!!!やっと起きたのかー!!!アレ、サンジ?」
「あら・・・打ちどころが悪かったんじゃない?」
部屋へ、ビヨーンとゴム式に飛び込んで来るのはヤメロ・・・・ルフィ・・・・。
ダメだ、意識がもう持たねェ・・・・ ガクッ
_______________
「手短にな____」
「・・・・・・あぁ。」
魚臭くなっちまった体をシャワーで洗ってたらアホコックの声が聞こえた。
顔だけ見た奴らと部屋の前ですれ違う。トラ男が、まだ安静を要すると云うので頷いといた。
『 ・・・・・・・・・・・・。』
「・・・・・・・・・・・・・。」
俺は静かにイスを引き寄せて座った。
アイツはベッドの上、片目の上の氷嚢を動かさない様に俺を見る。
「俺はこの2年の間・・・・・・・・・。」
『 ・・・・・・・・知っている、その目・・・基本とは名ばかりの燕飛を食らったか 』
「・・・お前のことを聞けば、”2度とアイツの話をするな”と機嫌が悪くなったもんだ。」
『 ・・・・いいのか 』
俺はアイツの、ベッドの上に投げ出された手を取る。読ませる為だ。
促されてから懐かしむかに目を閉じて・・・小さな溜息を洩らしてた。
あの屋敷で奴が、ペローナって女にも入る事を禁じていたその一室に俺は忍びこんだ。
直ぐに解った__ここがお前の部屋だったんだと・・・・・。
”リドルは此処から攫われた__”
振り向けば奴がいて、こう云うんだ
”連絡さえ寄こして来ないバカ娘が___”
”オイ・・・アイツが何処に居るか、知った口ぶりだな”
”フ・・・赤髪とどっちがマシだというなら__いや、アイツの好きにさせる”
『 ___バレてないワケはないと思っていた、ただ彼は・・・シャンクスには隠してる 』
「お前は__?」
『 戻りたいが・・・このままじゃまた、同じ事の繰り返しだ・・・ 』
「____まだトラ男の治療が必要なんだな、お前には」
リドル・・・いや、アンジェラスは小さく頷いた。
『 だから・・・私を誘おうなんて思わないでくれ 』
「・・・・・・・!」
俺や____ルフィの気持ちまで読んでいたか・・・・・・。
_____________________
「なー、トラ男ー。アンコをウチにくれよぉー・・・・!」
「ダメだ、何度も言わせるな。」
夜食のミートパイを食っていた甲板で___
ゴネた様、俺にオネダリしてきやがる麦わら屋・・・・;
「いや!!!アンジーちゃんは此処に置いとけねェ!!エロ医者の餌食だ!!!」
「人聞きの悪い事を言うな、お前らはアイツの複雑な体を解っちゃいねェ・・・。」
アンジェラスには必要なホルモンのバランスがある___
それだけじゃない、異常な遺伝子の構造も理解しないとな・・・。
「トニー屋でさえ、クローンの知識はないんだぞ・・・お前達に渡した時点で1Wは持たねェ。
例えアイツが行きたいと云っても俺が仲間を渡すワケあるか?お前らだってそうだろ・・・。
借りに俺が”ナミ屋をよこせ”と云って、彼女が”行きたい”と云ったら如何する・・・!?」
「「 ダメだ!行かせねェ!!!! 」」
「・・・・・・それと同じだ。理解しろ・・・!」
まったく・・・面倒な事を言い出しやがって。
「でもよォ・・・アンジーが、あァ常にヒトを手に掛ける事があったら俺達、間違いなく
極悪海賊として危険視されるんじゃねーのか!? そーなると、後アト大変だぜ???」
「そーだな・・・ルフィ、それは覚悟しといた方がいいだろうな。」
鼻屋とロボ屋はまともな意見を言った。
次いで、トニー屋と骨屋もだ。
「俺じゃ、間にあわないよ。ローでさえ2年掛ってやっと彼女を管理、治療してるんだ」
「それにストレスに弱いというなら・・・・ウチじゃ確かにキツい気がします。
まぁ私なら”ホネが折れる”と云う表現で済むんでしょうけど! ヨホホホホ・・・・!!」
その通り・・・トラブルメーカーである麦わら屋に一時、預けるのさえ不安だ。
「私も反対・・・・・・・!!!」
「ナミさん!?」
「あの子はとんでもない諍いのタネになる・・・・・!!」
「 「「 ・・・・!? 」」 」
女の、正しい見解だ___________
フフ さては女の、どちらかに・・・・・ナニか起こったか・・・・・。
to be continued