昨日のコトは
航海士としてはかなりショックだったけど、アンジーの言葉でほんの少し安心できたわ。
だから、この次はなんとかなるわよね。そう信じないと。
「見て___町がある!ねートラ男君、ついでだから物資の補充でもしていかない?」
しっかり朝食を取った後、晴れ上がった空の下で。
いつもならルフィに云う所だから、なんだか調子狂うけどそこは遠慮しない。
双眼鏡を私から受け取ると、彼は四方を眺めてる。
「そうだな・・・そろそろ食糧がヤバイらしい。」
「えっ? どうヤバイんだぁ!?」
「 「「「 オメーのせいに決ってるだろ!!! 」」」 」
「すまんな、ウチのゴム胃袋のせいで。トラ男、そっちは俺に任してくれ。」
「あぁ・・・。」
ハートの連中にしてみれば恐らく想定外な食糧の減りっぷりだった筈。
名乗りを上げたサンジ君ならウチのある程度の「量」が解ってるから大丈夫ね。
「ねぇ!もしかしたら!近いし、ワノ国の服とか扱ってるかも!」
「それと、アンジーの着てるようなのが欲しいわ、それ凄く素敵だもの。」
そう、さっき彼女の部屋で着換えを借りたんだけど・・・
あいにくアオザイはすべて彼女のサイズなんで(胸と背丈が)借りれなかったって訳。
今も、凄く鮮やかな少し透けたオパールベルベットの服が良く似合ってる。
『 前開きだし、袖がないから動きやすいんだ 』
「おっ!ソレいいじゃねーか!カッコイイな!」
カチャ・・・と、アンジーは二刀の小太刀の刺さったベルトを腰に巻いてる。
なんだか雰囲気が・・剣士ぽくなったわね。
「ほう・・ウソップ、お前にも解るのか。」
アゴをしゃくりながら褒めるウソップに、感心して頷くゾロ。
気のせい?
さっきからゾロの言葉にトラ男君の目つきをより一層鋭くしてる気がするんだけど。
「双蛇丸か。相変わらず、愛刀なんだな。」
『 刀を増やせばいいってもんじゃないからな 』
「どーゆーイミだッ・・・グギギ!」
『 そーゆーイミだ。私はこれを研ぎに出しに行く 』
「・・・待て!」
てっきりジョシ組はショッピングだと思ってたら、アンジーがそう云いだした。
空かさず、アイツが待った掛けたけどねー。
だいたいちょっと過保護的すぎやしない? さっきの場面でもそう。
咄嗟だったとは云え、あの庇い方・・・イメージじゃーないわ。
借りがあるって云ってたけど、あの子に一体どんな借りがあるっていうのかしら。
「俺は医療品の補充に行く、お前は他のやつと一緒に行動しろ。」
「あら? いいの?」
「あぁ・・・ソイツを頼む。」
かと言って、縛り付けたりはしないのね・・・ふーん?
「ロー、俺も行く!」
『 研ぎ屋に寄るのか? 』
「・・・あぁ、預かるぞ。お前はどうするゾロ屋。」
「そうだな・・・。」
ぱ!と彼女の腰のものがトラ男の手の中に。
そして一緒に降りて行ったゾロは言わずもがな同じ方向へ行くらしい。
「・・・・・・?」
なんだろう、あの妙な雰囲気は・・・。
そう思ってたら同じ様に感じてたロビンと目が合った。
__________________________
「なんで名前を変えさせた」
着岸して、それそれのグループに別れた所でゾロ屋が呟く。
そのウチ聞いてくるだろうとは思っていた。
「前とは状況が違うんじゃねーのか? 例え正体がバレても
お前が七武海に入ったことでアイツには海軍も手が出せねえ筈だ。」
予想はついてるらしい
だからミホークは最後の最後で強引に連れ戻したんだろうと。
「それならなぜ、手配が止まない。差し出すだけで2億だぞ。」
「・・・・!」
「そんなにか・・・・?」
「それに俺はお前らと組んだ事で、いづれ正式に除名される。」
唯一のMissingだ・・・Wantedとは違う。
絶句しているヤツを横目に、ポケットに入ってた手配書をトニー屋に渡して見せた。
写真は14歳のものが最後で、それ以上新しい写真はない。
「科学班はまた別ものだって事だ。
おまけにそれを稼ぎにするヤツらだっているんだからな。」
アイツに余計なストレスを与えない為、
俺自身がその事に神経質になり過ぎるのを気取られないようにはしてた。
だから髪型も服装も変えろとは云わない。
ただ一つ、”アザは見せるな”とだけだ。
「アンジェラはもうウチの一員だ。お前がとやかく云うコトでもねぇだろ。」
ナミ屋たちと向こうへ歩いて行く彼女を振り返ってる。
収まらない気持ちがあったんだろう。
ヤツは向き直ると溜息にもならない僅かな息を吐いていた。
_______________________________
前を歩くベポ、ルフィ、サンジとフランキー、ブルック、そしてナミ。
後ろから見ていても、とても楽しそうにやっていて微笑ましい。
それは少し後を並んで歩く、このヒトも同じらしい。
「アンジェラスか・・・、いい名前ね。」
ロビンという、本当にキレイな人が笑う。
私は彼女を___幼い少女の手配書を見たことがあった。
つい、その手に触れて・・・事実を見たい衝動に駆られそうになる
『 その名はローが付けたんだ、本当の名前じゃない 』
「え・・・!?」
治療の為に滞在していた島の、信心深い島人たち
彼らが祈りを捧げる時間に島中に鳴渡る教会の鐘の音が
ふたたび、私の意識を引き戻したから___
「本当の名前は言えないのね?」
『 云えるけど、きっと呼べないな 』
「どういうこと?」
『 KOUKI・MODLE NO.18 TYPE-GRだ、改めてヨロシク。
こんな名前だから、皆呼びやすく名前をつけるんだと思う 』
ロビンはポカンとした後、また直ぐにクスクス笑い出してる。
「フフ、なんだかロボットみたいな名前ね。」
『 この声の伝え方のせいで宇宙人ってよく悪口云われたけど、一応は人間だ ホラ 』
手の裏側を見せた。
手首の血管がちゃんと見える様に。
「・・・・・凄い手ね・・!」
『 え? あ・・・! 』
彼女が触れた、私の掌に。
ロビンが驚いたのは私のその掌の酷さだった。
(この子は一体・・・!?)
それを切っ掛けに水流の如く流れ込んでくる彼女の歴史___
ドクン・・・・!
大きく心臓が揺らいだ。ロビンの記憶に___知っている男達がいる
”L・ロゼッタ。獣というヤツは・・・
皮を剥ぎ取られることはあっても自ら脱ぐことは出来ない_____ 覚悟を決めておけ”
『 あ・・・・! 』
「!? アンジェラ!?」
あの時の様に立ち竦めば__信者たちの悲鳴が耳を襲う
その言葉がもうどのぐらい
私を苦しめてきたと思ってるんだ・・・
『 ルッチ・・・・! 』
「今なんて・・・・・・・・・!?」
to be continued