どうしよう、こんな時にキャプテンはいない___
あ! そうだ、アレがあった!
「えっと、こういう時は・・・!」
アンジーが立ったまま気を失っちゃったんで
おれは”見たまま”書いた対処法をメモ帳から探し出してた。
「おい!テメーこんな時に何のんきに読んでんだ!」
「待ってよ!前にもこんなことがあって、
その時キャプテンがした応急処置をメモっておいたんだ!・・・あった、これだ!」
「どれ、ちょっと見せてみろ・・・・! ........。」
バッと、黒足がおれの手からメモ帳を奪って数秒たった。
「・・・・・・・そうか、ヨッシ!俺に任せろォォオ❤」
「・・・鼻血が飛び散ってるわよ。」
「・・・一体ソコに何が書いてあんのよ;」
それを後ろからサングラスを上げてメモを覗き込んでいるロボ。
そして黒足はメモをおれに返すとフーッと煙を吐き捨て
気絶してるアンジーの鼻をツンツン突っついてた麦わら屋とブルックを押しのけた。
「じゃ、じゃぁ行くよ・・・アンジーちゃん。”適度にキツク”う・・ウ!」
「適度にキツくだな!このぐらいか!?」
「オイ・・・! ぐぎごky・・・・!!!?」
ペキ!
あっ・・・。
いい音がしたけど、黒足がクッションになってるからアンジーは無事そうだ。
( 別にロボと2人で抱きつかなくてもイイんだけどな;)
「俺も混ぜろぅ! こんぐらいか!?」
「オグ!! ルフ・・・!」
さらにその上から麦わらがニョロニョロぐるぐる、ロボごと巻きついてる。
スゴイなぁ、あいつの顔に血の気はないけどまだピクピクしてるよ?
「ルフィ、ちょっと弱いんじゃねーか?俺にもコタエてねーなぁ。」
「なんだとう!? じゃー、こんぐらいでどうだ!」
ボキボキ!!いうのと「ゴフ!」と同時に聞こえたんだけど!?
すごい! おれアイツ尊敬する!!
泡ふきながらも、ちゃんとアンジーを腕のなかで守ってる!!!
うう・・・漢だ、キャプテンに見せてあげたいよ・・・!
「ネー コレって根本的になんか間違ってやしない?」
「オイ、白クマのあんちゃん!このアトどうすんだっけー?」
「耳元で名前呼んであげて~!」
「私の出番のようですな・・・どれ。」
そう云ってヴァイオリンを手にしたのはホネ男だ。
ヒュ~…ドロドロドロ~♪
「アンジーさーん、早く帰っていらっしゃーい・・アンジーさーん・・!」
「「 ヒィッ!! 」」
「ブルック!それじゃ黄泉の国で手招きしてるみたいで戻って来れなくなるわ。」
「よし!任せろ!スゥ~~~~~~~~」
あんこーーーーーーーーーーおおおぉお!!!
「 「「 アンジーだって! 」」 」
耳を塞ぎながらでもツッコむ、麦わらの一味。
バカでかいなんてもんじゃない、その大声で皆の服がハタめいてる。
あんな近くで鼓膜だいじょうぶかな;
アンジーにケガさせちゃったらキャプテンに怒られちゃうよー・・・。
『 ・・・・・あ! 』
「あ!!」
「戻った!!」
「アンジー!」
「お~良かったじゃねェか!おっと、大丈夫か?」
意識が戻ったとたん、アンジーはその場にへたり込んじゃったんだ。
____________________________
『 おかしいな、なんだか波長が狂うんだ 』
アイツは妙なことを云った。
俺は体調を崩したアンジーを背負い、クマのあんちゃんと共に戻ろうとしてたんだ。
「おれ、なんとなく解るよ。”ツー”って聞こえてるんだろ?」
『 この道に入ってからだ、凄くイヤな音だな 』
確かにさっき通った道じゃないが、
あの場所からだとこっちを通った方が早えーだろうと思ってな。
周りにもそんな、電子音を発生させそうな建物は見当たらない。
気のせいでもないんだろう、あの動物的な聴覚だ。
「そりゃー悪かったナァ、おい、クマのあんちゃんも掴まれ!
おおそうだ、2人とも鼻つまんどけよー!いいかー・・風来噴射!!」
「トンダ~~~~~~~~~~~~!!!!?」
そんならココは一つ、さっさと抜けちまうか!
お~今日の俺はスーパー・・・ん?
「なんだ? ありゃぁ・・・??」
『 ・・・・・・似てる 』
「何に似てるって云うんだー? 嬢ちゃん!」
パタパタと忙しなく羽を動かしながらこちらに集団で飛んでくる生物。
変わった生き物だなぁ? この島の固有種か??
結構なスピードで近づき、その姿がハッキリと確認できた。
「マネキン・・・・・!? うわっ!?」
いや違う。
スキンヘッドで真っ白、手足が曲がる様に球体関節が着いてやがる。
『 まさか、”ビスク”・・・!? 』
「オイ!あれァ、まさか生きモンじゃねーだろうな?」
『 人形だ、生きてはいない 』
いきなりそのうちの一体が膝を抱えるような姿勢を取ったと思いきや。
膝からロケットを発射してきやがったんだ。
アレを作った人形師はなかなかいいセンスをしてる、俺好みだ・・・!
「じゃ~、遠慮はしねぇ・・・!”フレッシュ・ファイア”!!」
ボーン!ボーン・・・!
舌打ちもする。
爆破はするものの次から次へとその煙の中からやってきやがるんだ。
キリがねえとはこのことだ。あの羽音といい、まるで虫の大群だぜ。
『 フランキー、真っ直ぐ垂直でお願いしたい 』
「オイ、嬢ちゃん! オメー今、刀一本だけじゃねーか。どーする気だぁ?」
ほほう、俺に注文付けて立ち上がりやがった。
こんなちっこい女が刀一本で一体何をやらかしてくれんのかと
楽しみには思ったが正直アテにはしちゃいねぇ。お手並み拝見といこうじゃねェか?
『 そうだな。しかも、ワノ国の骨董品ときてる 』
「なにィ、そんなボロなのかそれ!なんで使ってんだよ!」
『 クリスマス・プレゼントだ 』
「アァ!? 贈ったヤツの顔が見てェもんだなそりゃ!」
案外クレージーだぜ、この嬢ちゃんはよ!
気に入った・・・!
『 少し振動が来るけど、堪えて 』
「大丈夫だ!好きにやっちまぇ!!!」
スゥと息を小さく吐き、下段って構えで右足が一歩引いたその瞬間だ。
『 いずれ会えるだろうな ≪infernal heat・・・!≫ 』
そう呟いてシャ!と音がした時にはもう、さっきいた場所じゃなくなってた。
風景がオレンジ色に一変しやがったんだ。
「あ!!??」
(この女・・・、魔女か何かじゃねーのか!??)
バァッ・・・!!!!
一瞬だ、空一面が焼けた様に炎一色に包まれていた。
ボタボタ、さっきの”ビスク”とやらは音を立てて燃えながら落ちてってる。
「アゥ!一掃かよ!スーパークールじゃねぇか!まるで地獄の業火だな!」
『 あまり使い道のない技だ 』
ってか!
クーッッ!! よくもシレっといってくれるぜ!
『 ・・・・・・。 』
(・・・・・・?)
見上げれば、アンジーはまだ刀も納めずに消えかかる炎を見つめてる。
そういやコイツ、なぜアレを知っていたんだろうな・・・。
「ん!? 臭うな、なんか焦げてやしねーか?」
『 ・・・こういう事もある。ベポ、お尻だ 』
「あ、ほんとだ・・・って、あぢいいいいいいいぃぃ!!」
確かに、大技すぎてコントロールがイマイチできねーようだが・・・
ま! そこは御愛嬌だ!
_________________________
「 _____ところで。この、
”ビスク”ってなんなんだ? なんで俺たちを襲撃してきやがった。」
彼としては興味深いと云うので落ちたその残骸を持って帰ることにした。
フロシキを広げ、3人で回収にあたっている所だ。
『 あの、大渦・・・人工的に造るのは可能か 』
質問に質問で返すのはどうかと思うが
私がどう答えていいか考えるのには必要だったのだ。
彼は一瞬、怪訝な顔をしたが事なきで済んだ為か余裕を持っていた。
「そーだなァ、出来なくはねぇ。莫大な金は掛るだろうけどな。
勿論、ベガパンクぐれェの知識と技術も必要だぜぇ?」
私は無残にも半分熔けた”ビスク”の頭部を拾いあげ、土を払う。
『 ・・通称”ビスク”は元々、民間企業のオタクな科学者が
理想を具体化するのに使ってた人形だ。簡単に云えば”肉付け”だな 』
「ヘェー、そいつらは美少女サイボーグでも造る気だったのか?」
『 人間だ。男も、母体も必要なく創られる 』
「なにィ!?」
(こんな形で巻き込んでしまうとはな)
ローが私を連れ出してからは居場所の特定はできなかった筈。
回帰本能でも期待してた訳でもあるまいに、ずっと網を張っていたのだろうか?
「てか、お前、イヤに詳しい・・・オイまさか、冗談だろ・・!」
”ビスク”の頭部を、自分の頭と同じ高さで彼に突き出した。
同じ形、大きさだって事に気づいて顔色を変えたのか。
『 ____私も”コレ”から始まったんだ、フランキー・・・ 』
目的は・・・私の回収だろう___
to be continued