国鉄福知山線塚口駅
「第一小隊から連絡、橋本さんが自宅を出発したわ。ご本人の意向で新大阪までは仰々しい警護はしないでとのことよ」
咲良さんが現状を報告する。ちなみに第一小隊、第二小隊というのは警護班の更に下の編成単位だが、咲良さんと高校生四人が第三小隊というものだ。昭和型が完全に淘汰されている関西地区の今いる塚口駅には新世代型車両207系や225系などが行き交っている。
「分かりました。私服で来ていて正解でしたね」
「そうね、まあ昨日まで高校生活を送っていた学生にいきなりスーツを着こなせって方が酷よね」
「でも殺害予告の当日に旅行ってかなり危ないことするよね、橋本さん」
「確かに、そうだね」
侑がそう言うと、歩夢もそれに同調する。せつ菜は何か深く考え込んでいる様子だ。
「せつ菜、どうした?」
「あ、海さん。いえ、ただものすごく何か嫌な予感がするので」
「具体的には?」
「そもそもこの旅行の目的が友人に会うためなら、わざわざ橋本さん側が出向く必要はないのではないでしょうか?」
「確かに、そうだな。一応、心に留めておくか」
「杞憂だといいのですか」
確かにせつ菜の言うことは最もだ。しばらく俺も考え込んでいると、咲良さんの声が耳に着けたインカムから聞こえる。
『警護対象、間もなくこちらに到着。第三小隊、全員一旦ホームに降りる階段裏に集合』
『分かりました』
『了解しました』
『了解です』
「了解」
階段の裏に第三小隊の全員が集まると時計のつけている腕を見せ合い、咲良さんが確認する。
「誤差なし!」
「「「ご、誤差なし!」」」
咲良さんがどこぞの某ボディーガードのドラマの真似をすると三人がそれに呼応する。
「咲良さん、ドラマの真似ですか?」
「あ、バレちゃったかしら?あのドラマすごい好きなのよねー」
「仕事中にモノマネはやめてくださいよ」
「まあまあ、そんな気を張らなくても大丈夫よ。昨日実は、寝てないのじゃないの?」
そう言われて、目の下にクマがあると思い目の下をこする。実は昨日、翌日の初仕事に対して緊張しすぎてそこまで眠ることが出来なかった。
「張り切ることも大事だけど、仕事中に倒れたらダメだから元も子もないからちゃんと寝なさいよ」
「すいません、昨日の夜緊張し過ぎたもので」
咲良さんから軽く説教されていると、侑が何かに気付く。
「あ、橋本さんが到着したよー!」
塚口駅ホーム
「おはようございます、橋本様。ここから東京駅までは我々、第三小隊が警護させていただきます。班長の北越です。分かりにくい警護をご希望でしたので私服での警護とさせて頂きます」
相談者の橋本さんに咲良さんが自己紹介をする。
「ありがとうございます。そちらの学生の方々は?」
「現在、国鉄が関東地域で実施している学生OJTに参加している清水海です、よろしくお願いします!」
「同じく、優木せつ菜です」
「た、高咲侑です!」
「上原歩夢です!よ、よろしくお願いします!」
侑と歩夢が焦って返事すると、橋本さんは優しく微笑む。せつ菜は生徒会長モードで対応する。
「緊張しないで大丈夫ですから」
すると大阪方面ホームに快速同志社前行が到着する。
「これに乗車します。朝ラッシュは終わっていますがまだ立っているお客様がいるので十分お気を付けください」
咲良さんが誘導し橋本さんがそれに続く。
「第三小隊、今から快速電車の5両目に乗車します」
『こちら、第一小隊了解。頑張れよ!』
俺が報告すると橋本さんを自宅から車で駅まで送ってきた第一小隊に返事と一緒に励ましを貰った。その後、列車は一駅で尼崎駅に到着し東海道線の新快速に乗り込み、更に新大阪駅で下車する。東海道新幹線の「のぞみ」に乗り換える。ここまでは順調進んでいた。この後、事件が発生する。
一方その頃、東京駅の鉄道公安隊のある部署がこの件の殺害予告について重要な情報が発覚していた。
「今回のこの殺害予告について担当している警護班です、南さん」
「分かった。俺はその警護班と接触してくる!」
最後に出てきた人が誰だかわかる人は分かります。そろそろニジガク三人衆との関係をかきたいですね。ちなみに作者はA!ZU!NAの三人組が一推しです。中の人も大好きです。