(なんだか、妙に生々しい)
いつもの夢では感じる事のない感触、そう思った途端目の前にいる少女の姿が段々と変化していくような気がした。
「馬鹿な事をしていないで。
ほら、今日はお爺ちゃんが遊びに来るから、買い物をしないといけないでしょ」
そう言って買い物袋を見せて、介人に渡す。
介人は買い物をして、帰路につく二人だったがふと思い出すように介人は理乃に声をかけた。
「夢だったのかな」
そう言いながら、俺はそのまま家に帰る。
「おぉ、帰ったか、介人」
「爺ちゃん」
現れた爺ちゃんの姿を介人も見間違うはずもないのだが。
あの時、爺ちゃんはゴレンジャーとして戦って、死んだはずだ。
しかし今俺の前に立ち笑いかける老人の姿は間違いなく俺が良く知る爺ちゃんだよであった。
「おぉ!これを見てみろ!昔懐かしい戦隊ものの変身ベルトが出てきたわい」
「戦隊もの」
「そうだよ、お兄ったら、今でもはまっているんだから」
「良いじゃないか。
男は何時でもヒーローに憧れるもんだからな」
爺ちゃんは笑いながら昔の話をしている。
そうか、あれは夢だったのか。
「そうだよな、あんなのが現実な訳ないよな」
ゼンカイジャーとして、数々の敵と戦ってきた日々。
しかし、そんな現実離れした出来事が本当にあるはずがない。
「ほら、お兄!
早く帰ろ!!」
手を引っ張られて外に出ると、そこも記憶の中のままだった。
夕暮れ時の道、子供たちの声がよく聞こえる その子供の一人には幼い自分も含まれていると思うとどこかむず痒さを感じる。
俺はそう思い
「立ちました!
介人さん!!」
「えっ!?」
そんな理乃の手とは反対側から聞こえた声。
振り向くと、そこには夢の中の住人であったはずのフラグちゃんがいた。
「介人さん!!
偽物の家族に騙されて、連れて行くのは死亡フラグですっ!
早く、帰ってきてください!!」
ただの夢だと思うかもしれないけど確かにあの世界はあった。
「何、この子?
頭可笑しいんじゃないの?」
「介人さん!
思い出してください!」
そう叫ぶフラグちゃんを不思議そうな目で理乃と俺以外の全員が見ていたのだけれども。
「フラグちゃん、これは死亡フラグなんだよな。
という事は、ここは」
「・・・はい、偽物です。
見ている光景も全て」
目の前で心配そうにこちらを見るフラグちゃんの顔を見ながら俺はため息交じりに応えるしかなかった。
「そうか。
それは、少し残念だったよ」
俺はそう言うと、理乃の手を離す。
「ごめん、理乃。
俺、行かなきゃいけないわ」
「ねっねぇ、何を言っているの、お兄」
「そうだぞ、介人!」
戸惑う二人の前に居た。
それは二人だと見間違う程だった。
「行こう、フラグちゃん」
「はっはい」
俺の言葉に合わせるように、歩き出す。
同時に後ろに感じた気配と共に懐からギアトリンガーを取り出す。
「チェンジ全開」
【バババババーン!ゼーンカイジャー!!】
俺はそのままゼンカイジャーへと変身すると共に背中から襲い掛かろうとしている二人に向けて、ギアトリンガーの引き金を引く。
放たれる弾丸によって、二人だと思われる影は消えさり、それと共に俺がかつて住んでいただろう街の風景は廃墟を思わせる場所へと戻った。
「介人!」
「ジュランっ皆!!」
目が覚め、見るとそこには既にジュラン達が戦っていた。
そして、そこにいたのは今回の敵であろう男が立っていた。
全身黒ずくめの紳士を思わせる怪人でありながら、身体の各部が機械を思わせるパーツがある怪人だった。
「なんだ、せっかく心地の良い夢を見せたのに」
「介人さん。
あのディストレードはダークエンター。
特命戦隊ゴーバスターズのエンター・ユナイトと闇博士マーブロが合体した怪人であり、その能力で先程まで介人さんを夢の世界に閉じ込めていました」
「閉じ込めていたとは酷いじゃないか。
彼はまさに望み通りの夢を見ていたじゃないか」
「確かに、そうかもしれないな」
ダークエンターの言葉に対して、俺は否定する事ができなかった。
何故なら、俺はあの時。
確かに夢の中で幸せを感じていたからだ。
「そう、私は貴方の望む世界を作り出した」
「俺の望んだ世界」
「そうだとも。
君の妹は君の事を心の底から愛していたよ」
「あぁ、知っている」
その言葉に嘘はない。
理乃は昔から俺の大切な妹だ。
それには嘘偽りはない。
けどな
「それを土足に踏みにじる所か、フラグちゃん達の事を忘れさせたてめぇを許すつもりは全力でない!!」
「ふっ、愚かな!
夢の中で楽しんでいれば良かったのに!!」
その言葉と共にダークエンターはその手にある細剣を取り出し、俺に向けて襲い掛かる。
それに対して、俺はギアトリンガーの引き金を引きながら、迫り来るダークエンターに対して蹴り上げる。
目に見えない速さで襲い掛かるダークエンターに対して、センタイギアを一つ取り出し、填める。
【バーンガイ!テイコウペンギン!】
その音声と共に現れたのはテイコウペンギンのペンギンであり、そのまま俺の身体に吸い込まれる。
同時に襲い掛かるダークエンターの攻撃を受け止め、そのまま反射で蹴り返す。
「なっ何ですか、今のは」
「テイコウペンギンはブラック企業で働くペンギンの力だよ。
山のような仕事を片付けるペンギンの反射能力で反撃させて貰うぞ」
「そんな馬鹿な反撃でやられるかぁ!!」
そう叫び、再び襲い掛かってくるダークエンター。
しかし、介人は冷静だった。
高速で動くダークエンターに対して、自身の身に宿った反射能力で攻撃を防ぎ、カウンターで蹴り飛ばす。
吹き飛ばされるダークエンダーはそのまま壁に叩きつけられ、そのまま倒れる。
「くそっ」
『研ぎ澄ます剣豪パワー!』
その音声と共にシンケンレッドを中心にジャスティライザーグレン、リュウケンドー、仮面ライダー鎧武、牙狼陣の4人が現れる。
現れたヒーローはシンケンレッドを初め、誰もが剣豪と呼ばれるのに相応しい剣の腕を持っていた。
「双ディスク」
その言葉と共にシンケンレッドが取り出した秘伝ディスクの1つ、双ディスクを回す事で手に持っていたシンケンマルが2つになり、そのまま介人に投げる。
それを受け止めると同時に、各々のヒーロー達もまた自身の刀を構える。
「神着火!!」
その雄叫びと共に放たれた凄まじい火炎弾と闇弾を作り出し、襲い掛かる。
だが、それに対して、ジャスティライザーグレンと牙狼陣が前に出ると、その手に持った剣を構える。
「レイジングフレイム!」
その雄叫びと共にジャスティライザーグレンが持つ剣から抜いて発生させた灼熱の炎を猛烈な勢いで火炎弾へとぶつけ、相殺する。
ダークエンターはそのまま介人へと近づくと共に、その手に持ったレイピアで攻撃を仕掛ける。
介人はすぐに手に持っていたギアトリンガーでその攻撃を受け止めると共に、銃口をダークエンターに向けて、引き金を引く。
凄まじい音と共にダークエンターに向けて激しい音と銃弾がダークエンターに向けて、襲い掛かるが、すぐに高速移動し、その場を離れる。
同時に介人はギアトリガーを腰に装着すると共にシンケンレッドから借りたシンケンマルを手に接近する。
それは他の5人も同じく、各々の武器である刀を手にダークエンターへと近づく。
「しつこいですね!!」
その言葉と共にダークエンターは自身を闇で覆うと、現れたのは6人のダークエンターだった。
「あれって、一体!?」
「ダークエンターの元になった闇博士マーブロ。
おそらく闇クローンを利用して、自身の闇クローンを作ったと思いますっ!」
その様子を見ていたジュラン達は驚きを隠せずにいた。
ダークエンターはそのまま各々に戦いを挑むように進み、刀が激突する。6本の刃が激しくぶつかり合い、それと同時に響く金属音が辺りを支配していく中。
ダークエンター達から発する闇と、介人達を初めとした6人のヒーロー達の刀から放たれる炎。
それはぶつかる度に広がり続ける炎と闇。
その状況を打開したのは、鎧武だった。
彼は無双セイバーを握る手とは反対の手で握っていたオレンジロックシードを取り外し、新たなロックシードを起動させる。
【パイン!!】
電子的な音楽が流れる中でオレンジアームズの鎧を解除し、ダークエンターに向けて投げると共にそのままパインロックシードを戦国ドライバーに装填する。
【ソイヤッ!】
宙に浮いていたパインはそのまま鎧武に装着すると共にはじける果汁のように展開されながら装着されていき、姿を現す。
鎧武・パインアームズへと変わる。
その手にはパインアームズ専用武器である巨大なパイナップル型の鉄球が装着されており、それを振るいながら周囲の敵に向かって投げつける。
6体の分身体相手にも怯まずに投げつけた一撃はその全てが命中し、一気に動きを止める。
それを見た牙狼とジャスティライザーグレンは互いに見て、頷くと同時に刀を合わせる。
すると緑色と赤の炎が合わさり、二人の刀身が燃え上がり、同時叫ぶ。
「レイジング・フレイム!!!」
2つの技が重なった瞬間、周囲にいる全ての敵を切り裂き吹き飛ばす。
そしてその衝撃を受けた2体は消え去る事はなくダメージを受けていたものの消滅は免れたようだ。
だが
「これで終わりだ」
その言葉と共にゼンリョクゼンカイキャノンを手に取り、ギアを回す。
【燃やせ!スーパー戦隊パワー!】
全ての戦隊ロゴが流れ、俺はそのまま引き金を引く。
それと共に歴代戦隊レッドのフェイスを模したオーラが結集した後、ゼンカイザーのフェイスに変化し一直線に発射される。
「なっぐわぁああぁ!!」
その一撃を食らい、そのまま吹き飛ばされ、爆散する。
「介人さん」
「悪い、フラグちゃん。
心配させて」
「それは」
俺がそう言いながら、無理に笑顔になりながら、答える。
しかし
「まだ終わっていないぞぉ!!」
その叫びと共にダークエンターは巨大化し、現れる。
「行くぜ、皆!」
『あぁ!』
介人達の声に対して、ジュラン達は特に迷いなく、頷き、そのまま巨大化する。
【ビックバーン!】
それと共に介人はゼンリョクゼンカイキャノンはそのまま変形し、なんと巨大な飛行機となって、空を跳ぶ。
「それじゃ、行くぜ!!
全力全開合体!!!」
その言葉と共にゼンリョクゼンカイキャノンはそのまま他のゼンカイオー達に仕掛けている怪人達に攻撃を仕掛ける。
【ゼンリョクゼンカーイ!!】
その音声が鳴り響くと同時に合体していたゼンカイオー達はそのまま分離すると共に、各々のパーツが分かれ、5人はそのまま合体する。
【ゼンリョクゼンカイオー!!】
『ガアアァァ!!』
ゼンリョクゼンカイオーが合体完了すると共にロボはそのまま襲い掛かる。
その体内に仕組まれている武装を解放し、ゼンリョクゼンカイオーに次々と攻撃を繰り出していく。
それに対して、長刀ゼンリョクゼンカイソードを構え、巨大刀と化したその刀身に炎が纏わりつき、それを振り抜く。
その瞬間、炎と闇が混ざり合ったエネルギー刃が発生し、それを受け止めた。
しかし、ロボの内部にあった重火器が全てゼンリョクゼンカイオーに向けると共に一斉に放たれ、同時に大爆発を起こす。
それと同時に、大きな煙が上がり、ゆっくりと消える。
そこにはボロボロになりながらもなんとか立ち上がるが、ロボは巨大な列車へと変わり、そのまま空に路線を引きながら走り出す。
「あんなのっありっすか?!」
思わずマジーヌの口から漏れ出る声、それはその場全員も同じ気持ちだった。
「だったら、こっちだって!!」
『神秘のミラクルパワー!』
その音声と共に現れたのはマジキング、ゴセイグレート、トッキュウオーの三体の幻影だった。
同時にゴセイグレートの後ろからはゴセイヘッダ-が、トッキュウオーの後ろからは列車が現れ、空を走るロボを追いかける。
「一気に行くぜ!」
その言葉と共にゴセイグレートはその手に持った剣には炎を、マジキングの剣には氷の魔力が宿り、そのままゼンリョクゼンカイオーのゼンリョクゼンカイソードへと宿る。
同時に走り出すと、トッキュウオーは合体を解除し、列車に変わると、ゼンリョクゼンカイオーを乗せ、ロボへと向かって行く。
『全力マジカル斬り!!』
それと共に介人達は叫び、空を逃げるロボに向けて、振り下ろす。
二つの属性が宿った一撃を食らったロボはそのまま真っ二つに切り裂かれ、そのまま地面へと落ち、爆散する。
それと共に世界は徐々にだが、元の光景へと戻っていった。
「悪い、今回もまた」
「だから、気にするなよ」
そうして、元の世界に戻ると共にジュランは俺に肩を叩きながら言う。
「今回はお前さんのおかげで助かったぜ」
「けど、俺が家族の事に捕らわれていなければ」
「捕らわれて、何が悪いんだ!」
そう俺が言うと、珍しくガオーンは叫んだ。
「そうです!
家族を大切に思うのは当たり前の事っす!」
「今回はむしろ私達が助けられたんですから」
そうマジーヌとブルーンが俺に次々と詰め寄ってくる。
「あぁ、ありがとう」
それを聞いて、俺は少し安心していた。
家族の事は大切だ。
そして、それは同じくらい、ここにいる皆が大切だ。
「本当に」