「ハカイザーの反応が強いだって?」
「えぇ、それもこれまでで、一番高いです!」
フラグちゃんからの知らせを聞いて、介人は思わず立ち上がってしまう。
「それって、マジなの!?」
「えぇ、この前のお父さん達と戦った際に、その反応が出ました!」
「えっ、どういう事?」
その答えに介人は思わず聞いてしまう。
「あのバングレイとの戦いの中で、偶然ですけど、お母さんが放った爆裂魔法によって、潜伏していたハカイザーを発見していたらしいです。
そして、その際に発信器をつける事ができ、今、彼らのアジトが判明しました」
「けど、それって」
「罠の可能性は勿論あります」
簡単に発信器を付けられた事に疑問に思った介人に変わるようにフラグちゃんも頷く。
「それでも行くしかないだろ」
「そうですね。ここで奴らの居場所を突き止められるのなら、罠でも構いませんよ」
介人は言うと共に立ち上がる。
「おい、介人!
まさか、一人で行くつもりなんですか!」
そう言いながら、ジュラン達はそんな介人の元へと行く。
その身体には未だに爆裂魔法を使った時のエネルギー不足で立つのがやっとの状態だった。
「あぁ、理乃が待っているからな」
「だけど、一人じゃ、無茶だよ」
ガオーンの言葉に対して、介人は首を横に振る。
「かもしれない。
けど、ここで行かなければ、絶対に間に合わない。
そんな気がするんだ」
「介人」
その言葉を聞いて、マジーヌは心配そうに呟く。
その中でジュランはため息を吐きながら、介人の方を見る。
「けど、無茶だけはするなよ!
もしもの時は、俺達を絶対に呼べよ!」
「あぁ、僕達は介人の仲間だから!」
「・・あぁ、勿論だ。
行こう、フラグちゃん」
介人はジュラン達の言葉を聞いて、笑みを浮かべると共にドアを開く。
それと共にハカイザーが待ち受けているだろう場所へと向かっていた。
ハカイザーの待ち受けている世界に辿り着く。
そこは地表からはあらゆる建築物や動植物はおろか、砂漠や海すらも消失し、地形も1000m級の山が均される程度に平らな地表となった結果、ただ白い地平線だけが広がる世界だった。
その中で介人はゆっくりと目的の場所へと向かって、歩いた。
「俺さ、正直、最初はジュラン達の事を仲間だと思っていなかった」
「えっ」
その中で介人からの一言にフラグちゃんは驚いた。
「特典で当たって、ロボットに変形して、凄い奴らだと思っていたけど、ロボットだと思って、自分でも知らないうちに見下していた。
けど、あいつらと一緒にいて、戦っている内に分かったんだ。
特典とか、ロボットとか、そんなの関係ない」
「介人さん」
「俺はあいつらと出会って良かったと思っている。
こんな世界でも一緒に来てくれるって言ってくれた事は嬉しかった。
だから、あいつらがピンチになった時には助けたいと思ったんだ」
「それが今の介人さんの気持ちですか?」
「あぁ、そうだ」
そう言っている間にも二人は目的地であるハカイザーがいると思われる場所の近くまでやってきた。
そこには巨大なクレーターが出来ており、その中央いたのはそれは間違いなく、ハカイザーであった。
彼は二人の存在に気付いたのか振り向くと睨むような視線を向ける。
「来たか!」
「よぅ、待たせたな、ハカイザー」
まるで旧友のような挨拶をしながら、介人はそのままギアトリンガーを真っ直ぐとハカイザーに向ける。
「決着をつけようぜ」
「あぁ、俺もそろそろお前との戦いにも嫌気がさしたから」
その言葉に合わせるようにハカイザーもまた、構える。
「スーパーチェンジ全開」
『カーイジュウカーイジュウ!
スーパー!ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!超!ゼンカーイ!』
そのまま介人はギアダリンガーのシリンダーを回転させて引き金を引き、その姿をスーパーゼンカイザーへと変身する。
変身を完了すると共にフラグちゃんは後ろに下がり、ゼンカイザーとハカイザーは互いに睨みながら、距離を取る。
「そういえば、ハカイザー。
お前に聞きたい事が一つあるんだ」
「なんだ?」
「お前は何の為に戦っているんだ?
俺のコピーという割には、妙にやる気がある行動が見えるが?」
「さぁな、もしかしたらバグかもしれないな。
それとも理由が知りたいのか?」
「めっちゃ知りたいな」
「だったら、俺を倒してから、聞いてみろ!」
「そうさせて貰うぜ!!」
それを合図に介人とハカイザーの戦いが始まる。
介人はその手に持った自身と同じ大きさがあるだろうゼンカイテンランスを、ハカイザーは背中に装着されていたブーメランを使い、激しい攻防を繰り広げていた。
だが、やはりというか、力で大きくリードしているのは介人の方だった。
ゼンカイザーの持つ槍は確かに強力な武器である。しかし、その一撃は強力であるが故に、どうしても大振りになってしまう。
それに対して、ハカイザーの攻撃はコンパクトで鋭い。その為、どうしても防がれてしまうのだ。
「やっぱり、こいつとはやりにくいな」
そう愚痴を言いながらも、ゼンカイザーはそのまま攻撃を振り上げるが、ハカイザーはその攻撃をも避ける。
元々介人の思考パターンをコピーしているゼンカイザーにとって、介人の攻撃を避ける事は簡単な事だった。
「くそっ!」
「ふん!そんな力任せの攻撃など当たらんぞ!」
ハカイザーの言葉の通り、今の介人ではハカイザーには勝てない。
それは今まで戦ってきた相手も同じだ。だから、介人もそれを自覚してるからこそ、今この場にいるのだ。
「じゃあ、これはどうだい?」
それと共に手に持っているゼンカイテンランスをハカイザーに向けて、投げ飛ばす。
だが、ハカイザーはそれに対して、懐にある全力破壊銃を取り出し、そのまま引き金を引く。
【絶望の合成獣パワー】
その音声と共に全力破壊銃から飛び出たのは象、キリン、二匹の熊が合わさった異形の怪物であるキマイラオルグ。
複数の怪獣が合わさり、ウルトラ兄弟を倒した最強の怪獣の一角であるタイラント。
「幻獣」・「生物」・「物語」の3属性全ての力を併せ持ったメギドであるカリュブディスメギド。
その三体は特徴こそバラバラだが、元々は強力な力を持った存在が合体した異形の存在であり、その力は巨大だった。
迫り来るゼンカイテンランスに対して、キマイラオルグがゾウの鼻を模した触手で迫り来るゼンカイテンランスを吹き飛ばし、そのまま介人に向かって襲い掛かる。
その威力によって吹き飛ばされるゼンカイテンランス。
しかし、それを予想していたように、介人もまた自身の武器であるゼンリョクゼンカイキャノンを構えて、引き金を引いた。
【審判の警察パワー】
その音声と共に、迫り来るキマイラオルグを殴り飛ばしたのは、メカメカしいボディに赤いボディに左半分が黒く機械パーツが露出している頭部とまるでジャンク品を寄せ集めた様な外見をしたヒーロー、仮面ライダー超デッドヒートドライブ。
タイラントの鎌を受け止めたのは、紫色が眩しいロボットでありジャンパーソン。
そして、カリュブディスメギドに向けて、無数の弾丸を放ち、牽制したのは、デカレッド。
介人の使うゼンリョクゼンカイキャノンによって呼び出された3人のヒーローの共通点は警察に関係しているヒーローであり、市民に迫るだろう敵に立ち向かう。
「こいつらは任せて、お前はそっちに行け、後輩!」
そう言いながら、デカレッドは介人に言いながら、目の前に迫っているカリュブディスメギドに攻撃を仕掛けながら言う。
「それじゃ、全力で頼むぜ!!」
それに答える様に、介人は叫ぶと同時に走り出す。
「どうやら、どっちも互角という訳かぁ、介人!!」
ハカイザーは雄叫びと共に、全力破壊銃の引き金を弾き、介人に向けて攻撃を仕掛けていく。
「おぉおおおお!!俺達は負けねぇええええ!!!」
そう叫びながらも、介人は走り続ける。
その様子を見て、ハカイザーは笑みを浮かべる。
「俺とお前では決定的に違う!
互いに同じ戦い方をし、考えを持つが、俺は機械!貴様は人間!
戦いにおいて、それは大きな差となる!!」
ハカイザーの言葉通り、介人とハカイザーの差は大きく開いている。
身体能力も、思考能力も、何もかもが違う。
だからこそ、介人が勝てる見込みは限りなく低い。
それでも、介人は諦めずに前へと進む。
例え、それがどんなに困難でも、立ち止まらずに。
それを見て、ハカイザーは笑う。
己の勝利を確信しながら、彼はその手に持つ力を振るう。
「さぁ、ここで終わりだ!」
その言葉と共に放たれた一撃は確実に介人を捉える。
だが、次の瞬間、ハカイザーは自分の攻撃が介人の身体を貫く事無く、空を切る事に気付く。
「なに!?」
驚きの声を上げるハカイザーだが、その理由はすぐに分かった。
何故なら、彼の視界には地面に倒れ伏す介人の姿があったからだ。
「馬鹿な・・・確かに、お前は攻撃を避けたはずだ!」
ハカイザーの言葉の通り、介人はハカイザーの攻撃を回避したはずだった。
しかし、それは間違いだったのだ。
「全力で行くって言っただろ? だから、俺は最初からフルスロットルで戦ったんだ。
だけど、もう限界だ。これ以上は動けないよ」
そう言いながら、介人は立ち上がる。
その姿は先程までと違い、ボロボロになり、立っているのがやっとの状態になっていた。
「そんな状態で何ができる!」
「限界を超えた先に、見えてくるものがある。
全力で戦ってきたからこそ、今まで見えなかったのも、見えたんだ!!」
その言葉と共に、介人の持つゼンカイテンランスが光り輝く。
その輝きはまるで、ゼンカイオーの全身が輝いているようだった。
そして、介人はゆっくりと歩き始める。
その歩みは遅く、一歩歩く度に意識を失いそうになるが、それでも介人は足を止めず、ただ真っ直ぐにハカイザーを見つめる。
その姿を見て、ハカイザーは理解した。
目の前にいる人間は間違いなく自分の敗北する相手だと。
しかし、同時にこの男ならば、自分の想像を超える何かを見せてくれるかもしれないとも思った。
「いいだろう、見せて貰おうじゃないか! お前の限界とやらを!!」
その言葉と共に、ハカイザーは再び全力破壊銃を構える。
それと同時に、介人もまたゼンカイテンランスを構えた。
「いくぞ!!」
その声と共に、二人は駆け出し、互いの全力を込めた一撃をぶつけ合った。
その衝撃によって、周囲の瓦礫が吹き飛び、地面が揺れ動く。
「おいおい、これはどういう状況だよ」
それを遠く見ていた一人が呟く。
それは、ハカイザーを作り出した彼女達はその光景に驚くしかなかった。
まさか、あのハカイザーと互角の戦いをする人間が居るなんて思わなかったからだ。
だが、それも長く続かず、二人の激突による衝撃波により、彼女は思わず目を閉じた。
そして再び目を開けると、そこには巨大なクレーターが出来ており、介人の変身が解けた状態で倒れていた。
「勝負ありだな、介人!!」
ハカイザーは勝利宣言するように叫ぶ。
だが
「あぁ、終わりだぁ!」
それと共にハカイザーの懐にゼンリョクゼンカイキャノンの銃口を突きつける。
【燃やせ!スーパー戦隊パワー!ゼンカイ! ゼンカイ!
ダイ・ダイ・ダイゼンカイ!ババババーン!ドドドドーン!】
その音声と共にゼンリョクゼンカイキャノンから放たれた一撃はハカイザーに叩き込まれる。
「ぐぅああぁぁ!!」
その攻撃を受け、ハカイザーは地面に倒れる。
「まだだ、まだ終わっていない!!」
ハカイザーは叫ぶが、既に身体は動かなかった。
「あぁ、ハカイザー。
壊れちゃったか」
「ですが、ゼンカイザーを戦えない状況まで追い詰めたから良いか」
その言葉と共にハカイザーに近づくシェニ達。
「まだ、終わっちゃいない」
「なに?」
それと共にハカイザーは手に持っていた全力破壊銃の引き金を弾く。
【ゼンリョク!ハカァーーイ!合体!!】
「なっハカイザーっ貴様っ!」
それと共にジェニ達の身体はかつてハカイザーの身体となった悪の戦隊達へと変わっていく。
同時に全力破壊銃と一体化したハカイザーはそのまま巨大化し、その姿はまさに黒く染まったゼンリョクゼンカイオーだった。
「完成!ゼンリョクハカイオ-!!」
「ハカイザー」