ここは麻帆良の学園に存在するある橋の上。しかし何があったのか、周囲には瓦礫や氷のオブジェクトがある。
ここは関東で季節は春。桜散る頃。自然に氷ができることはない。
ここで橋の上を注目してみると、四人の人影が見える。
一人は長身で何か長い物体を持ち、一人は子供のようで長い棒状の物を持っている。
その目の前に座っている一人の長身。所々管だったり境目だったり、人には無いものが見られる。
そして最後の一人。その横に体育座りして顏を上げない少女。何故か服は着てなく布一切れを羽織っている。
誰がどう見てもある公務員を呼ぶ光景だが、ここには彼女ら以外誰もいない。
まるで人払いがされているかのように。
「そろそろ話してもらうわよ。エヴァちゃん」
長身、オッドアイ、ツインテール。一目で上げられる特徴はそれぐらいだろうか。
彼女は神楽坂明日菜。とある姫様だったりもするのだが、それは別の話。
「アスナさん……そんなに強気にならなくても」
明日菜の横であたふたしている赤毛の少年。特徴になるのは持っている杖。彼自身より大きく、正直違和感がある。
彼はネギ・スプリングフィールド。かの英雄、ナギ・スプリングフィールドの一人息子であり、オスティアの王妃、アリカ・アナルキア・エンテオフォシアとの間産まれた一種のサラブレッドである。
こちらはのちに少し語られるだろう。
「あんたは黙ってなさい! 命狙われてたのに強気もくそもないでしょ!」
「それはそうですけど……」
「マスター、そろそろお話しになった方がよろしいのでは」
正座していた彼女、空繰茶々丸。緑の髪に瞳のない目。人ではない。ガイノイドである。
科学と魔法という,
相反するであろう二つの技術を駆使し生まれたというとんでもない生い立ちである。
先程"魔法"という単語が出た通り、この世界には魔法がある。周囲の被害は全て、この魔法によるものだ。
「…………はあ、少し頭が冷えたな。仕方ない、少し昔話をしてやる。おい爺、どうせ覗き見でもしてるだろ。少しでいい魔力をよこせ」
最後に口を開いた少女。日に当たることを嫌ったかのような純白の肌。その体を輝かせるかのごとく鮮やかに見せる金色の髪。まるで人形のようである。
彼女こそ闇の福音。ダーク・エヴァンジェル。
かつて600万ドルという高額賞金をかけられ dead or alive 生死を問わないとまでされた伝説級の魔法使い。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。
そしてこの話の中心人物である。
「しけた魔力だな。まあいいか」
彼女は一言いい指をならす。すると周りの景色が一変。森の中に。
「茶々丸はガイノイドだからここには入れん。気にするな」
突如景色が急変し、さらに目の前にいた一人がいなくなって慌てていた二人に言ったのだろう。
「ここは……どこですか?」
ネギが緊張しながら聞く。
彼女は少し答えに迷ったのか、顏を空に向け目を瞑り少し時が経つ。
そしてネギ達に顏を向け答える。
「ある館がある森、とだけ言っておこう」
そう言うと三人は急速に空へと上がる。
「え? うわわっ!? 何よこれ! 浮い……てるの?」
「魔法慣れしてないな神楽坂」
「慣れも何も、まだちょっとしか魔法に触れてないわよ」
ネギが慌てていなかったので、自分だけが取り乱したことになるのが恥ずかしかったのか、言い訳を一言。
「まあいい。じゃあ昔話だ」
──────あるところに、ひとりの少女がいました。