「酒は飲んでも呑まれたら駄目なんだよねぇー!?」
「「全然酔ってないんだよなぁ!」」
「千鳥足でタップダンスしておいてよくそんな威勢張れるねぇ!?」
「言われてるよサンラク」
「そのセリフ、のしつけて返してやるよ」
「ケイの方がどちらかと言えば酷いんだけど?」
「ほら言われてるぞ。明日仕事ならさっさとナツメグ氏の膝枕でおねんねしてな」
「ちょっ! 貴方ホント何言ってんの!? 私とケイは別にそんな」
「はは。サンラクも明日雑誌の取材あるんだからさっさと寝た方がいいんじゃない?」
「(……流されるのもそれはそれでなんか複雑ね……)」
「紅音ちゃん、ごはん貰える?」
「はい!」
「ありがとう。……さてと、僕もそろそろ何か飲もうかな」
「うぅ…ぐすっ…私だって…私だって…頑張ってるんですよぉ…!」
「えっと、さ、笹原さん! 蟹おいしいですよ! 食べましょう! 食べて元気になりましょう!」
「お、隠岐さん……っ!」
「あわわっ!? だ、抱きつかれるのはちょっと…!」
「んー、どれにしようかな。最初は軽めで……ん? なにこれ『スタッグJr.』…? 聞いたことないな、飲んでみようっと」
「というか二人共、私に対して無駄に虚勢を張りたがるのはやめた方がいいと思うんだよねぇ。いくら私が世界が羨む絶世の美女だからって、酒で酔い潰れてお持ち帰りなんてワンチャンないよ?」
「目尻の化粧が濃くなってるのによく言うぜ」
「人間、寄る年波には勝てないんだよね」
「それは『禁句』でしょうが!! 腎臓不全予備軍!!」
「「合法なんだよなぁ!?」」
「――不毛な争いしてるね? 僕も混ぜてよ、愉しそうだ。……ひっく」
「…………オイ、待て誰だ京極に酒あそこまで呑ませたヤツ」
「え? 京極ちゃんってお酒強いんじゃなかったの?」
「強いのは強いが、度数が高い奴を飲むと一気に酒乱になるんだよ…!」
「というか多分アレ自分で飲んだんじゃない? 今の面子で飲酒強要するのなんてペンシルゴンくらいでしょ」
「ものすごい酷い謂われようだけどまあ概ね同意……って、あー!? 私が楽しみにしてた『スタッグJr.』が空けられてる!?」
「天音さん、そのお酒の度数は?」
「六七度だったかな? ストレートでも以外とイケるんだよ」
「アルコール消毒液か何かかな?」
「普通その度数なら割るだろ…」
「鍋ときたらお酒なんだからしょうがないでしょぉー!? 京極ちゃんも成人してるからセーフ!」
「それを決めるのはお前じゃないんだよなぁ!?」
「ああ、身体が温まってきた…。脳が心地良い高揚感で包まれるのを感じるね」
「チクショウ面倒な乱数引いたな恨むぞ乱数の女神ィ……! ――紅音! 鍋をリビングに退避させろ!」
「ハイ! 前回のアレですね! さ、笹原さんちょっと離れて…って寝てますねっ!?」
「……うーん……お母さん……むにゃむにゃ……」
「前回?」
「前も似たようなことがあったんだよ」
「サンラク君、三行で解説出来る?」
「酒乱京極 大暴れ 額に擦り傷」
「前にサンラクが額に絆創膏貼ってたのってそれが理由だったんだ…」
「ああ、だから同じ日にこの子死んだような顔してたのね…」
「京極の土下座写真、あとで一緒に見るか?」
「いや、たぶんこの流れだと翌朝見れそうだからいいかな」
「ヘイちなみにサンラク君。酒乱状態の京極ちゃんの戦闘力は如何程かな?」
「龍宮院流剣術使う剣道四段の女剣士の理性のリミッターが外れてるって言えばそのヤバさがわかるか?」
「ごめん私剣道知らないから全然ピンとこない」
「んじゃ〇.四ウェザエモン」
「本当にヤバイねぇ!?」
「え、サンラクそれどうやって攻略したの? 実質ソロでしょ?」
「あー、まあ色々やったんだよ。気合入れないとマジでオチるからしっかり頼むぜ?」
「今日のステージは屋内戦か……ひっく、素手でも、僕は負けないよ…!」