『爆薬分隊』シェアハウス 会話記録   作:ミヤムラゾロ

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『爆薬分隊』シェアハウス 会話記録⑦

「……ひっく、……多人数との戦闘は……まず倒せる相手から仕留めるべしッ!」

「――させねぇんだよなぁ!」

「ぐっ!?」

「ヒュー! サンラク君カッコイイー!」

「動体視力に関して言えばホント並外れてるよねサンラク」

「それに即応出来る反射神経と身体能力もなかなかよね」

「くっ……この……!」

「盛り上がってるところ悪いんだけど、雑誌縛る紐が棚の中に入ってるから、それでこいつ縛ってく――ぐおっ!」

「うわぁ膝蹴り」

「アレは痛い」

「けど手は封じたままなのは流石というか」

「……京、極……! お前あとでマジで覚えておけよ……!」

「っ! 脚が……!」

「すかさず両足を踏んで足技使えないようにしてるね」

「実況解説してないでマジで誰か縛ってくれ……! 酒で力が抜けてくんだよ……!」

「ケイ、お願い」

「後輩の尻拭いをするのも先輩の務めか。サンラク、貸し一つね」

「どちらかというとペンシルゴンに貸しじゃねぇかなぁ!?」

 

 ◇◇◇◇

 

「……なあカッツォ」

「なんだいサンラク」

「確かに俺は縛れって言ったけどさ? 言ったけどさ?」

「何か言いたいことでも?」

「言いたいことしかねぇんだが?? なんで俺も一緒に縛り上げてんだ??」

「暴れる人間を縛り付けるなら柱に括り付けた方がいいと思ってね」

「人柱じゃねぇんだよなぁ!」

「むぐー! むぐー!」

「京極ちゃんの口はタオルで猿轡噛ませたけどまだ暴れるねぇ。……面白いから写真撮っとこ」

「天音さん、一応世間体もあるからSNSとかには掲載しないでもらえるかしら…?」

「大丈夫大丈夫、その辺りは流石に心得てるって。私も報復されたらたまったもんじゃないからねぇ」

「ならいいけど」

「いやいやナツメグ氏、よくねぇ、まったくよくねぇ」

「さーてと、レイドボスの処理は終わったから鍋再開しよっか!」

「処理されたか? 戦闘途中で放置してるよなコレ?」

「あれ蟹が…もうほぼない?」

「京極さんがかなり食べていたので…」

「抜け目ないのよねこの子…」

「むーっ! むーっ!」

「蟹がないならそろそろシメかな? 雑炊? ラーメン? 私は雑炊がいいんだけど」

「俺はどっちでもいいかな」

「右に同じく」

「私もどちらでもいいので雑炊にしちゃいますね! あ、あと笹原さんは私の部屋で寝かせてます!」

「ああ、ごめんね紅音ちゃん。あとで回収して帰るから」

「お構いなく! じゃあちょっと作ってきますね!」

「……カッツォ君、やっぱり紅音ちゃん頂戴?」

「だから俺に言われても困るって」

 

 ◆◆◆◆

 

「あいつら放置して鍋再開しやがった…」

「むむー」

「いや何言ってるかわからねぇよ。あと暴れんな、紐が喰い込んできて痛いんだわ」

「むむっ」

「あー、とりあえずアレだ京極」

「むー?」

 

 

「京極お前は二度と酒を飲むな」


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