転生先をミスった羽衣狐が居るらしい、まぁ妾なんじゃが…   作:山吹乙女

3 / 12
 呪術廻戦の単行本を実物で揃えたかったのですが、どこにも売っていなかったので諦めて電子書籍で揃えたので初見です。
 今回は短いですがキリも良く次に繋げるためこのような文章量となってしまいました。申し訳ありません許してください
 それとできれば毎週この時間に投稿できたらいいなと思っています。(多分絵空事なので不定期更新のタグが外れる事はないです)


妾はレアじゃ-参話-

 人が多く雑音は鳴り止まず、並び立つ雑居ビルは殺風景で全て同じに見え(おもむき)をまるで感じない

 お狐様から聞いた京の都は最も美しく住みよい街らしく、こことは雲泥の差で昔聞いたその言葉を今の私には魅力的に感じる。

 私も京都に行ってみたいがあいにく行ける機会に恵まれなく、何故かお狐様も自ら行こうとはしなかった。

 

 呪術高専に入学した後日

 今日私達が会うクラスメイトが指定した集合場所は原宿である。

 多すぎる人とパトカーのサイレンを主体とした耳を覆いたくなる騒音で既に自室へと帰りたいと思っているが、帰りたくとも新しく加わるクラスメイトに会わないと帰れないためここで待っている。

 こんな街を集合場所としてわざわざ指定してくるのは余程の物好きなのだろう

 

 「妖子大丈夫?顔色悪いけどもしかして人混みに酔っちゃった?」

 

 「ええ、ちょっと…」

 

 「おー、ここは俺たちが待ってるから無理すんなよ」

 

 今は五条先生と虎杖くん(伏黒くんも頷きながら)の心配で、人の出入りが少ない路地で休憩している。

 思えば生まれた時からご一緒であったお狐様と家族以外の人物とまともに話したことがなかったなぁ

 

 『どうじゃ、少しは休められたかのぅ』

 

 「すみません。お見苦しいところを晒してしまいました。」

 

 『ふふ…別に構わぬ、精神の疲弊はどうにもならぬのじゃからそう気負(いお)うでない』

 

 ああ、ほんと優しい

 親友よりも近く家族よりも親しい、私だけど私じゃないそれが羽衣狐様

 でもこの優しさにばかり頼ってはダメだと思い、まだ頭痛がするけど多少マシになりいつも手に持ち歩いているスクールカバンを拾う

 なかなか人が通らない路地を探すのも大変で待ち合わせ場所から離れて戻るまで多少歩くが、最初ほど人混みも鬱陶しくなくなっていた。

 

 「あのーちょっといいですかー」

 

 もう少しで待ち合わせ場所に到着すると思っていた矢先、背後から声がかかる。

 自分こういうものですがと、どこかの芸能プロダクションの名刺を渡されながら「今お時間いいですか」や「モデルに興味ないですか」などテレビのシーンでよくあるいわゆる事務所の勧誘である。

 人混みで疲弊しているタイミングを狙ったわけではなく、偶然ではあろうがちょっとやめてほしい…

 スカウトマンもそれが仕事なので致し方ないのは理解しているが、瞳に元気がない(元々目のハイライトはない)人物に勧誘したところで煙たがられるだけだろうことを理解してもらいたい

 

 気分が乗らないと断ってはいるがなかなかしつこい

 歩きながら他の断り文句を考えていたところ、スカウトマンのさらに背後から腕が伸びてくるのが見えた。

 その華奢な腕はスカウトマンの男の肩を鷲掴みしており、放す気がなさそうに見える。

 あとスーツのシワがものすごいことになっている。

 

 「ちょっとアンタ、私は?」

 

 見たところ同い年に見えるがワタシハ?…スカウトマンにスカウトされるのはわかるし現に私がその対象であるが、自ら売り込みに行くのは知らない行動であった。

 いや…単に私の知識不足なのかもしれない、内気な女性より上へ上へと登ろうとする好奇心ある女性の方が芸能業界では好まれるのかもしれない

 あ、でもスカウトマンが歯切りの悪い返答を残してどこへやらと消えたからやっぱり私の知らない行動であったのだろう

 

 よく見るとその女性は呪術高専の制服を着ていた。学ランをヘソの部分で切ったような制服で、古風ではあるがお洒落にも感じる。

 つまるところ彼女が私達が待っていたクラスメイトなのだろう

 

 「おーい、コッチコッチ」

 

 道を挟んだところに五条先生が見えこちらを呼んでいる。スカウトマンから離れようとした結果集合場所まで来ていたようだ

 

◆◆◆

 

 大通りを外れた裏路地、人が滅多に通らないようなところに移動して自己紹介の時間である。

 

 「[釘崎 野薔薇(くぎさき のばら)]、喜べ男子両手に花よ」

 

 新たに加わったクラスメイト、釘崎ちゃんは見るからに気が強そうだ。

 

 「俺、虎杖悠二、仙台から」

 

 「伏黒恵」

 

 「私羽衣妖子、よろしくね釘崎ちゃん」

 

 目のハイライトが消えた見た目と高貴な顔立ちからは想像しづらい明るめな声色で自己紹介をする。

 第一印象が肝心なのは十分に理解している。お狐様に合わせて上品な雰囲気を出した方が見た目とマッチしていることは重々承知だが、第一印象でフレンドリーな印象を与えておいた方が友人間は上手くいくとどこかの本で見たことがあったので実践している。

 ちなみに伏黒くんとは初対面が()()だったので若干の壁を感じます。

 

 釘崎ちゃんは虎杖くんと伏黒くんの2人を見定めるように目を細めて交互に見ていたが数刻後、興味が失せたように見るからに残念そうにしていた。

 残るはあなたと言わんばかりにこちらに近づき私の両手を取る。

 

 「話は聞いているわ妖子ちゃん…二重人格で辛い思いをしていたのね。でも大丈夫、私達はもう友達よ」

 

 ごめんなさい会う前は余程の物好きとか、会った瞬間はちょっと気が強そうと思っちゃいました。すごくいい子です。

 

 『フフ…妖子とは仲良くのぅ』

 

 「あなたが妖子ちゃんからお狐様って呼ばれている人格ね。あなたもヨロシク」

 

 お狐様からも好印象のようでこの子とはうまくやって行けられそうです。

 

 「これからどっか行くんですか?」

 

 伏黒くんが五条先生に集まった一年メンバーでどこかに行くか聞いている。

 大方懇親会だとは思うが確かに場所は気になる。静かなところがいいが、せっかく久々(もしかしたら初めて)の団体行動なので出来れば周りに合わせたいところである。

 

 「フッフッフ…せっかく一年が4人揃ったんだ、しかもその内3人はお上りさんときてる。行くでしょ…東京グルメ観光」

 

 グルメ…観光…

 私を含め虎杖くんと野薔薇ちゃんの顔が晴れ上がり、伏黒くんもまんざらではない様子である。

 

 「ザギンでシースー!先生の奢りなんだから高い店よ!」

 

 「バッカ流石に4人だったら困るだろ!ビフテキにしようよ先生‼︎」

 

 『妾もステーキがよいのぅ、水分の少ないレアじゃ』

 

 お狐様がいうと別の方に聞こえてしまう、ただ私も焼くならレア派なので同意見である。

 出会ったばかりの人もいるのに、既にこのメンバーで馴染みつつあるのはお狐様の1000年モノのコミュニケーション能力のなせる技なのかもしれない

 

 「それでは行き先を発表します………六本木」

 

 溜めて言い放たれた場所は正直言われてもピンと来ていないが、虎杖くんと野薔薇ちゃんが目をキラつかせているのできっと美味しいものが食べれるところなのだろう

 

◆◆◆

 

 着いたのは廃ビルの前、原宿から徒歩で行けれる距離であった。

 この廃ビルが意味するものとはつまりおあずけ、五条先生曰く実地試験のようなものらしい

 試験なので実力を測るため私達と伏黒くんはお留守番

 虎杖くんと野薔薇ちゃんが(あやかし)(たぐい)の住まう廃ビルに向かうとのことだが、事情の知らない野薔薇ちゃんは当然ながら私達について疑問を持っていた。

 

 「あれ?妖子ちゃんはいいの先生?」

 

 「ん?…まぁ彼女らの実力は知っているから今回はいいんだよ」

 

 まぁ、私たちが一緒に行ったら2人の試験にならないから仕方がないよね。実際に戦闘場面を見ていないから納得しづらい様子ではあるけど

 ちなみに虎杖くんは呪力の操作ができないらしく、呪具と呼ばれる呪力が付与された短剣をもらっていた。

 虎杖くんの中にいる宿儺はお狐様ほど人間と友好的でないので虎杖くんと一緒に協力というのも無理なのだろう。体の中でいがみ合っている光景を想像するだけで羽衣狐様が私に転生してきてくださってよかったと改めて思う

 

 「呪具[屠坐魔(とざま)]呪力の籠った武器さ、これなら呪いにも効く」

 

 『フム…見たところ妖刀の類ではないのぅ』

 

 「まぁ妖刀ほど上質なものじゃないね。特級呪物のしかも妖刀と認可されたものなんてすごく高いし、数える程度しか存在しないからね」

 

 お狐様から聞いた話では妖刀は強さの上下はあれど、結構な頻度で見ていたそうなので興味があったけど数が少ないらしいので私は見れそうにないです。

 

 野薔薇ちゃん達が廃ビルに向かいしばらくすると五条先生からそういえばと前置きがあり質問がきた。

 

 「妖子はさ、本当に呪力も術式も知らなかったんだよね。それなのにどっちも扱えてるってどういう仕組み?」

 

 『なに簡単な話じゃ、妾が()()()()()()()似通ったものを知っておった。ただそれだけの事じゃのぅ』

 

 「‼︎…へぇ、なるほどね」

 

 伏黒くんは何の話をしているんだと言わんばかりに、頭の上にハテナを作っていた。

 五条先生も何やら考え込んでいるが実際文字通りだから深い意味もないんだけどね

 

 2人が廃ビルに向かい10分くらいが経過したであろう時、4階あたりから妖怪が出てきた。いや…お狐様曰くこの世界の妖怪は言語能力もなくコミュニケーションの取れない獣ばかりで、知性のない獣を五条先生からの知識でお狐様も()()と呼んでいた。

 その呪霊が廃ビルの壁を通り抜けて空に現れたと思うといきなり苦しみだし、その身を焼かれていった。

 五条先生曰く野薔薇ちゃんの術式らしい

 

 「お疲れサマンサー‼︎子供は送り届けたよー、今度こそ飯行こうか」

 

 廃墟のビルにいた呪霊は全て祓われ廃ビルに迷い込んでいた子供も居たので五条先生が交番に送り届けていたが、流石に一人で廃墟で遊んでいたわけでもないだろうし他に友達がいたけど呪霊に殺されたのだろうことが予想できる。トラウマにならないといいけど…無理だろうなぁ

 

 「シースー‼︎」

 

 「ビフテキ‼︎」

 

 野薔薇ちゃんと虎杖くんがご飯の行き先で意見が割れたけど、私達はステーキが食べたいから多数決でステーキになるね。ごめんね野薔薇ちゃん

 

◆◆◆

 

 記録ー2018年7月

 西東京市 英集少年院 運動場上空

 特級仮想怨霊(名称未定)

 その呪胎を非術師数名の目視で確認

 緊急事態のため高専一年生4名が派遣され

 

 無事それを撃破




 お疲れさまです。お読みいただきありがとうございました。
 次回大幅な原作改変ポイントです。
 今更ですがアンケートの文章がなんとなくおかしい気がしますがニュアンス的に分かっていただけてるようで嬉しかったりします。
 (アンケートの文章、後から変更できないの初めて知りました…)

本作での羽衣狐様のあなたのイメージをお聞かせくださいませ

  • イメージと違う、こんなのお姉様ではない!
  • ええと思うよ、羽衣狐可愛らしゅうて
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。