夜の公園 ガーデニング広場
夜のお花達はライトに照らされていた
ちとせと歩いて来た場所で、咲は昔話を聞いた
ちとせ
「13年前、私。貴方に助けられたことがあるの」
咲
「…13年前?僕が黒埼さんを助けた?」
ちとせ
「うん、私が小さい頃に。満月の満ちた日にね、私も貴方と同じ貧血気味でね。命の危険があって、それで私は、貴方の血でに命を救われたのよ」
咲
「…記憶にない、むしろ僕が初めて会ったのは電車の時じゃ?
それに命を救った?…わけがわからない13年前は病院にいて黒埼さんの姿なんて見たことないよ?」
ちとせ
「…そうよね、覚えてないよね。でも、伝えておきたくて
…私は、あなたの血のお陰で今の私がいる。けど、その代償として
あなたの記憶がなくなる原因もあったわ」
咲
「…僕の血が黒埼さんの身体に流れてるって事?
…けど13年前は、確か病院にいて、記憶が曖昧だったけど、みんな…兄さんや母さん父さんはそんなことを言わなかったけど…」
ちとせ
「それはね、みんな心配を、かけたくなかったからでしょうね
でも、そのおかげで私はここにいる。
…ごめんねいきなりこんな昔話されても理解できないよね」
咲
「…け記憶にない僕の血で黒埼さんが助かったならそれでいい。
生きてるだけで喜ぶのが大事だよ」
ちとせ
「そう、だね。咲君と会えて、嬉しかったよ」
咲
「…まだ正直驚いてる。けど13年前のあの日から僕の血が誰かに救われたなら…僕は…」
ちとせ
「…?どうかしたの?」
咲
「…いや、なんでもないよ。それよりそろそろ冷え込んで来る
…帰ろう、家に」
ちとせ
「うん、ありがとう。咲君」
咲とちとせは、それぞれの家に帰っていった
咲は、家に帰ると裕貴が仕事を終え休憩に入っていた
裕貴
「ん、おかえり、咲。どうだった?」
咲
「楽しかったよ。」
裕貴
「そうかそうか、良かった。さぁ風呂でも入りな。」
咲
「…うん、ねぇ兄さん」
裕貴
「ん?なんだ?」
咲は、口を開き、先ほどちとせの話を裕貴に話した
裕貴
「………」
咲
「知ってたんだね、僕が黒埼さんと、昔出会ってて自分の血を黒埼さんにあげていたことを」
裕貴
「そうか、黒埼の奴、話したんだな。自分の過去を」
咲
「…彼女、感謝してた。貴方の血で今の私がいるって」
裕貴
「…咲」
咲
「うん」
裕貴
「黒埼と、仲良くするんだぞ?兄ちゃんとの約束だ」
咲
「うん!」
その頃
黒埼家
ちとせ
「…生きてるだけでも喜ぶ事が大事、か」
ちとせは、自分の髪をいじりながら満月を見ていた。
ちとせ
「…頑張らなきゃね、彼の分まで」
千夜
「お嬢様、私はそろそろお休みします…お休みなさい」
ちとせ
「お休み、千夜ちゃん。」
千夜は寝室に入り、ちとせはしばらくの間空にある月を見つめていたのであった。