金色髪のお嬢様と、恋の咲(完結)   作:セブンスランス

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シリアスで書いてみたけど、そんなシリアスじゃない気がする

あっ、5話目始まります。


ごめんなさい

降り注ぐ雨、ひんやりとした空気

傘を差し、それでも自分の足で進む人達

 

「げほっ、うぅ…貧血で今でも倒れそうだ…はぁ…はぁ…」

 

残り一週間でクリスマスが始まる時期。その日は雨だった

左手には、兄さんが忘れたお弁当を持っていた。

よれよれになりながらも前に進む青年、咲は意識が朦朧になっていた

 

「はぁ…はぁ…」

 

人達の声が聞こえる、だが、咲はそんなことを気にもしなかった

いや、聞こえなかった、もしくは聞こえてるが僕私俺ではないという判断だろう。が。それが大きな判断ミスであり。

咲は、大きなトラックに惹かれて、頭を強く打ち、咲は20年という短い人生を終えた

 

葬式

 

咲の母

「いや…いやぁぁ!咲…さきぃぃ」

咲の父

「なんで先に行くんだよ…咲…」

 

裕貴

「…ごめん、咲…本当に…ごめん」

 

咲が亡くなったことを知らされたのは咲が亡くなって数時間後

連絡を受けた裕貴はちひろさんに事情を説明した後、すぐに病院に行ったがら咲は大型トラックに引かれ頭を打ち即死だったらしい

それを聞いた裕貴はブチギレて運転車に暴行を行うところだったが

大人達に止められて、泣き叫んだということを

 

それから1日後、咲が亡くなったことを346プロの知ってる人達に話した。特に一番ショックを受けていた人達がいた。

 

それは、ちとせだった

 

黒埼ちとせ、13年前に弟の咲の血を貰い、咲に命を救われた子だ。

だがその代表として咲はその人との関わりの記憶を全て失うことになり

それは本人も黒埼にとってもわかっていたことだった。

 

咲が亡くなってから一週間

 

ちとせ

「おはよう…ございます」

 

ちとせがやってきた、けど。いつもと違う雰囲気のちとせ

その横に千夜がやってきた。

 

千夜

「おはよう御座います」

 

裕貴

「おはよう二人とも、あーその…体調は元気か?」

 

千夜

「…私は大丈夫ですが…お嬢様は…その」

 

ちとせ

「ごめんなさい…私が…」

 

裕貴

「無理に言わなくていい。ごめん俺が悪かった。

…その体調悪かったらマストレや、杏、凛達がいるからな」

 

ちとせ

「うん、ありがとうね。いこうか千夜ちゃん」

 

千夜

「それではレッスン、行ってきます」

 

二人はレッスンへ向かっていった

 

裕貴

「…ごめん…情けない兄さんで…ごめんよ.」

 

ちひろ

「プロデューサーさん…」

 

ちひろは、自分を落ち込んでいるプロデューサーに声をかけたかったができずにただ、見守ることしか出来なかった。

 

…これは、咲君が亡くなる前に会っていた、一週間ちょっと前

 

夜道

 

この日はレッスンを早めに終わり、打ち合わせを終わらせたあと

咲君と会う約束をしていた、千夜ちゃんには遅くなると伝えてあったから大丈夫だった。この日はもう一つ目的があったそれは彼、咲君の誕生日だから。お兄さんに聞いていたのよね。

 

ちとせ

「あ、いたいた。咲君ー♪」

 

「黒埼さん。」

 

マフラーを首に巻いたちとせは、この日は誕生日である咲と会うことを約束していた。

 

ちとせ

「待った?」

 

「僕も今着いたところだよ」

 

ちとせ

「そう、あとはい。貴方の兄さんから誕生日だって聞いたから

急遽選んできたよ♪」

 

「あ、ありがとうございます」

 

咲はちとせから貰ったプレゼントを開けて中身を確認する

 

「これってマフラー?うわ!ありがとうございます」

 

ちとせ

「ふふっ、私がつけてあげるね♪」

 

ちとせは、咲の首にマフラーを巻いた

 

ちとせ

「お似合いだよ♪」

 

「そ、そうかな…でもありがとございます、これ、大事にしますねちとせさん」

 

ちとせ

「あん、私の名前初めて呼んでくれた♪ありがと」

 

「あはは、そうですか?ずっとちとせさんって言ってましたよ?」

 

ちとせ

「嘘ー、ずっと黒埼黒埼って呼んでましたー♪」

 

二人はそんな会話をしながら、とある場所に向かった。

 

「ここって…」

 

ちとせ

「星空が好きな子がいてね、教えて貰ったのよ。

ここなら星や月も見えるから貴方と一緒にいたいなって思ってね♪」

 

「うぁ…きれいだよ」

 

ちとせ

「私とお月様どっちが綺麗?」

 

「ちとせさんかな…って何言わせてるんだ」

 

ちとせ

「あら、でもありがとう♪」

 

私は咲君の顔を見ると、彼の顔は笑っていたが、どこか悲しそうな表情をしていたわ。

 

「…ちとせさん」

 

ちとせ

「何ー?」

 

「…僕が居なくなったら、どうします?」

 

最初はよくわからない質問の意味だった。それが後でわかる言葉でもあった事を。

 

ちとせ

「うーん?泣いちゃうかな?」

 

「…そうですよね。」

 

ちとせ

「なんの質問なの?これって?」

 

「いえ、ただ、なんとなくです」

 

咲は、上の星空を見つめていた。

 

ちとせ

「…咲君♪」

 

「うわ!?」

 

私は咲君を、押し倒して。お互いに顔を見つめていた

 

ちとせ

「私は、貴方のこと、好きだよ♪」

 

「…僕は…」

 

目を逸らす咲君、それでも私は

 

ちとせ

「今はいいよ、貴方のペースに任せるわ♪」

 

私と咲君は満足するまで星と月を見上げていた。

 

…これが私と彼の…ううん咲君との最後の思い出になっちゃたから

この悲しみを私はこれからをこの先ずっとずっと抱えていかないと

みんなや千夜ちゃんに心配かけたくない、私は前を向いた。

彼がくれた"命"、想い出は一緒の私の宝だから…けど…

 

ひとつだけ我儘、言わせてください

 

ちとせ

「もう一度、咲君に…会いたいよ…会えないなんて…嫌だよ…」

 

ちとせは、涙を流した、あの時二度も助けてくれた彼はもういないと

ただ、この現実を受け止めることしか出来なかった




次回最終回です。

なるべく早めに出すかと思います

それでは。

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