親の借金で素直じゃない幼馴染のペットになったけど、俺への好意が丸見えです   作:和鳳ハジメ

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第10話 バカ者たち

 

 

 朝の忙しい時間、下駄箱に四人でたむろっていたら迷惑というものだ。

 敦盛達は教室へと場所を移し。

 

「――お前を殺す」

 

「くそっ、何で溝隠さんなんだよ敦盛! こんな女のペットになるぐらいならオレがお金出すのに!!」

 

「アンタの友達って愉快ねぇ」

 

「暢気に見てないで竜胆を止めてくれッ、おいテメェ小学生じゃないんだからカンチョーはヤメロォ!?」

 

 二人に事情を話した途端コレである、竜胆は殺意バリバリに円は不満タラタラでジトッと睨むばかり。

 そして瑠璃姫は、にやにやと眺めるばかりだ。

 

「アタシ関係ないもーん、自分で処理しなさいったら」

 

「すまん敦盛、オレは今スカートだからな。激しく動くとパンツが見えるんだ」

 

「誰が男のパンチラなんて引っかかるんだよッ、一年の奴らならいざ知らずウチのクラスは慣れっこじゃねぇかッ!!」

 

「卑怯だぞ敦盛!! 円のパンチラで俺を釘付けにするつもりだな!?」

 

「なんでテメーが引っかかるんだ――ぬおおおおおおッ!? 何故チンコを狙ったッ!? 言えッ!?」

 

「愚問だな、瑠璃姫さんの貞操を守る為なら――俺はお前のチンコを素手でもぐ覚悟だ」

 

「捨てちまえそんな覚悟ッ!!」

 

「いい気味ねぇあっくん? そう言えば昨日アタシに何したっけアンタ?」

 

「ま、まさかこのクソ女に手を出したんじゃないよね敦盛っ!?」

 

「樹野? なんでアタシ敵視されてるの? ホモなの? あっくんに惚れてるワケ?」

 

「聞いても無駄ですよ瑠璃姫さんっ、円は自分が男なら敦盛に抱かれていたと豪語する男です。奴は完全に敦盛の味方だ」

 

「えへへ、照れるなぁ」

 

「照れてるんじゃねえ円ッ、良いか見てろよ瑠璃姫……おい円テメーの婚約者をデートに誘って良いんだな?」

 

 その瞬間であった、ゴゴゴと地鳴りのするような空気と共に円が冷え冷えとした空気を醸しだし。

 

「――――斬刑に処す、その六銭無用と思え」

 

「ぬおおおおおおおおおおッ!? テメーまでカンチョしてくるんじゃねぇッ!? ほら見ろ月厨がブチ切れたじゃねぇかッ!!」

 

「ククク、これで二対一だな敦盛……ペットはペットらしく去勢されるが良い…………クハハハハッ!!」

 

「ね、ね、月厨って何よあっくん」

 

「今それどころじゃねぇ、オラァ瑠璃姫バリアー! はい俺ムテキーー! ムテキバーリアーー!!」

 

「ずりぃぞ敦盛っ!?」

 

「敦盛が一番小学生なんじゃない?」

 

「アタシを盾にするなっ、というか何処触ってるのよ、ぎゃああああああああ、お尻に顔を埋めるじゃなぁああああああああああああああああいっ!?」

 

「ウルセェ、ペットはご主人様の後ろに隠れるって相場が決まってるんだデカイケツなら俺の顔ぐら――あだッ!? あだだだだだッ!? ゲンコッ!? 脳天にゲンコはキツいぞテメェッ!?」

 

 非道外道ここに極まれり、白昼堂々と美少女の臀部に顔を埋める敦盛。

 彼女から拳骨を食らうもガンとして離れず、彼女が盾になってる故に二人は手を出せず。

 

「殺す、殺おおおおおおおおおおおおおおすっ!! 俺の女神に何してるんだ敦盛いいいいいいいいい!!」

 

「ばぁ~~かめッ!! この早乙女敦盛、たとえ女子から総スカンくらっても瑠璃姫にセクハラするしお前らには負けんッ!!」

 

「あちゃー、敦盛が逆境モード入っちゃたよ」

 

「こうなった敦盛は手強いぞ、流石は倉美帝高校四天王の一人なだけはあるっ!」

 

「ちょい待ち、何その四天王って俺知らねぇぞッ!?」

 

「待つのはアンタよド変態ッ!! てりゃあっ!!」

 

「~~~~~~ッ!? ィ!? ァッ!? き、金的は男の子壊れりゅうううううううッ!?」

 

「ふっ、ご主人様に無礼を働いた罰ね」

 

 ゴールデンボールへの一撃がクリーンヒットした敦盛は教室の床をゴロゴロ転がり。

 

「この変態」「テメェ何羨ましい事を!!」「やっちゃえやっちゃえ!」「天罰である」「後で感想聞かせろよな」「動画撮っておいたけど幾らで買う?」「早乙女くん、後で感想聞かせてね」「俺はお前を尊敬する――だが死ね」

 

 これ幸いとクラスメイトから足蹴に、それを見た竜胆と円は顔を見合わせて。

 

「この光景を見ると、ちょっとホッするよな」

 

「そうそう、敦盛はこうでなくちゃね!」

 

「……アンタ達、本当にあっくんの友達なワケ?」

 

「「勿論、マブダチだぜっ!!」」

 

「あっそう」

 

「見てないで助けろよッ!? というかテメーらも蹴りすぎだッ!! もう昼飯作ってこねーぞッ!!」

 

「怪我はない早乙女くん?」「へっ、無事か敦盛太助に着たぜ」「さぁ手を取れ敦盛、そしてメシだけ置いていけ」「またカレに作るレシピ頼んまーす!」「お前ってメシはマジで旨いんだよなぁ」

 

 そう、敦盛の数少ない特技は料理。

 彼はその特技を生かして、クラス内で一定の人気を得ているのであった。

 ――もっとも、そのピエロっぷりも好意的に(一応は)見られてはいるが本人の知る所ではない。

 ともあれ

 

「あー、酷い目にあった」

 

「ふふっ、今日も賑やかね」

 

「――ッ!? 鈴の鳴る様なその声はッ、学校一の美少女ッ!! なんか年齢査証してるんじゃないかってくらいエロスの持ち主、隣の席の副寿奏さんじゃないかッ! 副寿奏さんじゃぁないかッ!!」

 

 彼の背後から声をかけたのは、黒髪ロングでスタイル抜群の大和撫子、副寿奏。

 学校で彼女と会うのは瑠璃姫にとって久しぶりであったが、それはそれとして敦盛の言動が気になる。

 彼の自己申告では、密かな片思いの様に聞こえていたのだが。

 

「ポチ説明」

 

「説明しましょう瑠璃姫様っ!! あのバカは奏の阿呆に惚れてるのですっ! 本人は気づかれてないしセクハラもしてないと思っていますがガンガン気づかれてるしセクハラもしてます寺で焼け死ね敦盛!!」

 

「ちょっと竜胆ダメだよ本当の事言っちゃっ!? というかポチ扱いが自然過ぎるっ!? 敦盛よりペットぽいっ!?」

 

「ちょっと待って欲しいのは俺だよ、衝撃の真実なんだけどッ!?」

 

「――――その、私は早乙女君の事は嫌いじゃないから。ただ消しゴム落としたフリしてローアングルで覗き込むのは止めて欲しいと思っているわね」

 

「円、介錯を頼む。竜胆、ちょっと踊るから敦盛流してくれ」

 

「あ、そうだわあっくん、惨めすぎるアンタに一つ言っておくコトがあったんだけど……」

 

「何でも言ってくれ、今の俺は何よりも澄み切った心だ動揺などしない」

 

「奏は竜胆が好きみたいだけど?」

 

「薄々分かってたけどやっぱりかあああああああああああああああああああああああああッ!! おろろろおおおおおおおおおおおおおおおん」

 

「――悪いな、俺は瑠璃姫さん一筋なんだ」

 

「まったくもう……つれないわね竜胆」

 

「なんか毎度の事って感じのやり取りしてるしッ!? 竜胆のクソ男おおおおおおおおおおおお、奏さん大好きですううううううううううう!!」

 

「あわわっ!? 何処行くの敦盛っ!?」

 

「おうち帰りゅから代返頼むうううううううう、青春なんて大嫌いだぁああああああああああああ!!」

 

「ぷぷぷっ、哀れねぇあっくんっ! アハハハハハっ!!」

 

「…………俺、敦盛に少し優しくしてやるか」

 

「そうだね、こんど二人でゲーセン奢ってやろうよ」

 

 泣きだし駆けだした敦盛を親友二人は同情の視線で見送って、瑠璃姫はゲラゲラと笑い――――奏は意味深な視線で一瞥。

 なお彼は、ホームルームの前に担任の脇部英雄に引きずられて戻ってきたのであった。

 

 

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