地底人迷宮譚~迷宮を差し置いて遺跡に潜るのは間違っている~ 作:筆記者カレル
やはり平日の更新は難しそうです。基本ソード・オラトリアをベースに原作沿いでやっていくつもりなのでプロットそのものははっきりしているのですが、それを文章化するための時間が限られてしまうからです。
ぶっすうぅぅ……という擬音すら聞こえてきそうな膨れっ面を浮かべる少女がいた。
そんな少女が珍しく不満を顔に表しており、しかも場所は多くの団員が集まる食堂。朝食の時間帯ということもあり、アイズはかなりの視線を集めていた。
「えっと……もしかして怒ってる?」
「…………怒ってない」
嘘だ。遠目に様子を窺う団員達の思いが一致する中、アイズは半眼のままもっしゃもっしゃとパンを頬張っている。そのジトリとした視線はある一人の団員に固定されたまま動かない。
その不満顔が向けられる先にいるのは、こちらもアイズに負けず劣らず見目麗しい人物だった。しかしアイズの美貌を少女らしい無垢な可憐さと表現するなら、こちらは美しさの中に魔性を潜ませた彼岸花のような美貌。確かに外見は整っているが、何か得体の知れない毒を孕んでいる。そんな見る者の不安を掻き立てる雰囲気を纏っていた。
艶のない白髪に、色のない灰の瞳。白を基調とした服を纏うアイズとは正反対の、全身を隙間なく覆う黒衣。およそ色彩というものに乏しいその人物の名は【
そんな両者の対峙に、周囲の団員達はゴクリと唾を呑む。どちらも天に愛されたと言うに相応しい天賦を秘めた冒険者だが、特にこの二人は引き合いに出されることが多い組み合わせだった。
【剣姫】と【流血鴉】──否、【戦姫】と【
そんな二人が剣呑な(多分にアイズからの一方通行だが)空気で向かい合っている。必然、多くの団員は密かな期待を胸に固唾を呑んでその光景を見つめていた。
そのように見られているとは露程も思っていないアイズは、なおも恨めしげな視線でカインを凝視し続ける。
その原因は先日の遠征で未知のモンスターの群れの襲撃を受けた際、一人殿に残ろうとするカインの助けになろうと声を上げた時だった。あろうことかカインは善意(と多少の下心)で助力を志願したアイズに対し、睡眠薬を盛ることで意識を奪い、無理矢理戦場から遠ざけたのである。
無論、カインが一人残ることは
だが、それで納得できるかというと話は別だった。何せ一服盛られたのだ。それも
意識を失っていた時間は数分とごく短いものだったが、当然ながら禍根は残る。しかも間の悪いことに、撤退中に発生した「
他の冒険者に被害が出る前に始末せんとそれを追うアイズ達。当然ながらLv.2相当の脅威とされるミノタウロス程度に手古摺るアイズではなく、鬱憤を晴らすかのように目の前の牛頭を惨殺し──その姿が
そして冒頭の様子に繋がるわけである。アイズは据わった目つきでカインを凝視し、無言の抗議を続けていた。それに彼は困ったように眉尻を下げる。
「参った参った。そんなに恨みがましい目で見られちゃ仕方がない。『青い秘薬』を飲ませたことは謝るよ」
「………………」
「あー……そうだ、例のモンスターの腐食液でアイズのデスペレートもだいぶ傷んだだろう? その整備費を半分負担しようじゃないか」
「…………もう一声」
「えっと、じゃあ手作りクッキーもオマケしよう」
「……ワンモア」
「今日のアイズは手強いなぁ」
ぶすっと頬を膨らませるアイズに苦笑するカイン。ここまで素直に感情を表に出すアイズは珍しかった。
カインにとって、アイズという少女への印象は無口無表情がデフォルトの“人形姫”である。抜き身の刃の如しだった【戦姫】時代よりは柔らかくなったとはいえ、やはり表情豊かとは言い難い。それがヤーナム時代の自分を思い出させるため一人勝手に親近感を覚えていたのだが、それだけに今の普通の少女のようなアイズの態度は少なくない驚きをカインに与えていた。
とはいえ勿論不快感などない。むしろその逆で、普段はそっけなかった子猫が初めて関心を寄せてくれたかのような喜びをカインは覚えていた。
「よし分かった。ならアイズの望むことを何でも一つ聞いてあげようじゃないか」
だからか、浮かれるままそんな事を口走ってしまう。
カインとしては年下の女の子の我が儘を聞いてあげる程度の軽い気持ちだった。それでお姫様の機嫌が直ってくれるなら安い出費であると。
ギラリ、とアイズの目が鋭い眼光を放った。
「……何でも?」
「うん」
「じゃあ私と戦って」
「うん?」
「模擬戦。ただし実剣で、本気のカインと戦いたい」
「あー……っと、そう来たかー」
ガタガタッと耳
Lv.1時代はフィンやリヴェリア、ガレスとしかダンジョンには行かず、Lv.2以降は専ら単独で
そんな謎多き【流血鴉】が【剣姫】と模擬戦を行うという。その一報は瞬く間に黄昏の館を駆け巡り、フィンが我に返った時には既に手遅れとなっていた。
「喧しいのう、こいつは何の騒ぎじゃ」
「ああ、ガレスか……もしかして寝起きかい?」
「昨晩は遅くまで飲んでたからのう……ふむ、まあ
欠伸を噛み殺しながらのっしのっしと現れたドワーフを、困ったような笑みで出迎える
広々とした屋内訓練場の外周を囲うように備え付けられた簡易の立見席は、既に多くの団員達でごった返している。オラリオの
「で、誰と誰が戦うんじゃ? 儂はベートとティオナあたりかと予想しとるんじゃが」
「アイズとカインだよ」
「……なんじゃと?」
「【剣姫】と【流血鴉】のマッチアップってことでファミリア中が大騒ぎさ。さっき起きたばかりの君は知らなかったみたいだけど」
道理でここまでの騒ぎになっているわけだ、とガレスは得心する。主神のお気に入りでありファミリアの
やがて訓練場に完全武装を終えたアイズが入ってくる。観客席から「アイズばっかりずるーい!」「私も戦うー!」という某【
「む、アイズの奴デスペレートを持っとらんのか」
「どうも先の戦いで【
「それは……ちと苦しいかもしれんな」
その名の通り、決して壊れることのない「不壊」の概念を付与する武器属性【
だが、今アイズの手の中にある得物はデスペレートではない。その性能は第一級冒険者が振るうに相応しいものだが、
そして、相手はそのような不完全な状態で容易に与できるような手合いではない。
「……!」
静かに佇んでいたアイズが目を見開き、勢いよく顔を上げる。同時にピリピリとした空気が辺りに充満し始めた。
「来たみたいだね……血濡れの“鴉”が」
あれほど騒いでいたティオナも沈黙し、誰もがゆっくりと訓練場に足を踏み入れた人物に目が釘付けになる。唯一、フィンとガレスだけが懐かしさと微かな緊張に目を細めた。
──白髪が揺れ、不吉を孕んだ黒翼が翻る。
現れたのは確かにカインだった。トレードマークとも言える長いポニーテールを揺らし、灰色の瞳を柔和に細めいつものように微笑んでいる。
だが、纏う装束が普段と異なっていた。布の服の延長上にあった寸鉄も帯びぬ黒衣とは打って変わり、手足を覆うのは精緻な細工が施された薄い銀の鎧。そして身体を包むのは闇に溶け込む濃紺の装束と、まるで鴉の羽を思わせる漆黒のマントであった。
「呪われた血刀を振るい、己と敵の血で真っ赤に染まりながら死を運ぶカラス。血を弾く鴉羽のマントからはまるで流血のように夥しい血が滴ったという」
「故に血濡れの【
懐かしむような二人の独白に周囲の団員は固唾を呑んで聞き入る。
それは今から約数年ほど前、【疾風】と獲物を奪い合うように苛烈に
つまり、カインは約束通り「本気で」アイズと戦う気であるということだ。昼行燈としてのカインの姿しか知らない大多数の団員達は、初めて見る黒衣の死神の姿に息を呑んだ。
(とはいえ、あの特徴的な“嘴の兜”はないみたいだね。本気ではあっても、あくまで模擬戦であるということかな?)
フィンはカインがその身に秘める特異な能力について全てを知っているわけではない。それについてはむしろ、魔道士としての知識欲を原動力に過去様々な探りを入れていたリヴェリアの方が詳しいだろう。……結局、安易に深入りすべきではないと判断し身を引いたらしいが。
リヴェリアをして「狂気の巷」とまで言わしめたカイン独自の魔法……《秘儀》の使用だけは最低限控えるよう言い含めたが、果たしてどうなることか。
フィンは大きな不安と僅かな好奇心を視線に乗せ、訓練場の中心で向かい合う二人を見据えた。
「カイン……こうして戦うのは初めてだね」
緊張の中に僅かな高揚を抑え切れず、アイズはやや上擦った声で語り掛ける。
アイズにとって、カインは冒険者として後輩である。七歳の頃から現在までの約九年間に渡り活動を続けているアイズと比べ、カインの冒険者歴はその半分程度でしかない。
アイズにとって、カインは冒険者として先達である。Lv.5に至るのに六年かけたアイズを嘲笑うような速度で階梯を駆け上がり、僅か三年という神々ですら目を疑うような短期間でLv.6に到達した天賦の怪物。
そのような経緯もあり、アイズにとってカインとは常に複雑な感情を抱かずにはいられない相手だった。
勿論嫌っているわけではない。カインは同じファミリアの仲間として大切に思っている者の一人だ。だが……既に先を歩いていたのならともかく、後から来て追い越されていったのでは焦りを覚えずにはいられないもの。同じファミリアの仲間だからこそ、意識せざるを得ないのもまた事実であった。
だから少しでもその力の秘密を知りたいと、以前から手合わせしたいと思っていたのだ。しかし──
正面から頼んでも何かと理由をつけて断られ。
部屋を訪ねても何故かおらず。
最終手段としてダンジョン内まで後をつけ辻決闘を仕掛けようと思っても、そもそもダンジョンに行くのが稀で機を逸し続け。
何だかんだなあなあで躱され続けること早三年。どれだけこの瞬間を待ち侘びたことか。
「この時をずっと楽しみにしてた……やろう、カイン」
既に抜剣していたレイピアを構える。
どこまでも力を追い求め、執念を燃やし続ける少女アイズ。彼女は鋭い眼差しでカインを見据え──ふと、彼が未だ無手であることに気が付いた。
「……どうしたの? 早く始めよう」
「いやあ、アイズと戦う日が来るなんて想定してなかったからね。何を使ったものかと悩んでいたのさ。
……うーん、でも少し不用心なんじゃないかい?」
「……?」
確かにこれはあくまで模擬戦で、不殺以外にこれといったルールは定めていない。当然開始のタイミングも曖昧だが、アイズ自身は互いに武器を構えて戦闘準備を整えたら即始めようと考えていた。そういった段取りの杜撰さを指摘されたら確かに反論できないが……しかし、“不用心”?
「やだなぁ、もう忘れたの? つい最近見せたばかりじゃないか。
「……ッ!」
アイズの脳裏にダンジョン50階層で見た光景が思い起こされる。
まるで虚空から取り出したかのように、いつの間にかその手に奇形のメイスを握り締めていたカインの姿を。
カインは既に武装を終えている──その事実に気が付いたアイズは血相を変えて駆け出そうとし。
「はい、チェックメイト」
直後、既に手遅れだったことに気付かされた。
「ッ!?」
「おっと、動いたらダメだよ。刃引きしてないんだから頸動脈が切れちゃう」
その声は背後から。視界の端に黒翼が舞う。
同時、ヒタリと首筋に押し当てられる冷たい感触。言葉通り首筋の血管に刃が添えられていることを悟り、アイズの背にどっと冷や汗が浮かぶ。
しかし、何もアイズは首元に剣を当てられたから動揺したわけではない。その程度で震えるような弱い心はとうの昔に捨て去ったし、そもそもLv.5の肉体は頸動脈を斬られた程度では致命傷になり得ないのだから。
(私は一瞬だってカインから目を離さなかった……なのに)
そして文字通りの一瞬。瞬き一つにすら満たぬ刹那の後、カインの姿はアイズの背後にあった。刃を交える交えない以前の問題だ。斬り結ぶことさえ許されないというのは、アイズにとってこれまで経験したことのない恐怖だった。
「何だ今の……」
「嘘、全然見えなかった……」
ざわざわと訓練場に押し掛けた団員達から困惑のざわめきが上がる。Lv.5のアイズでさえ目で追えなかったのだ。Lv.1~3程度が大半を占める彼らの動体視力では到底追いつけるものではなかった。
「……ティオネ、今の見えた?」
「辛うじて見えた……と言いたいところだけど、微かに視界を横切った黒い線を“見えた”とは言えないわね」
ヒリュテ姉妹でさえその他大勢の団員達と同じ思いを味わっていた。
対面していたアイズが相手を見失うというのはまだ分かる。だが同じLv.5である自分達が、アイズと違い離れた位置から俯瞰していながら目で追えなかったとはどういう了見か。戦慄と共にティオネは今の一瞬の光景を必死に思い出そうとしていた。
(単純な速さもあるけど、それ以上に……いつカインが動き出したのかが分からなかった)
ティオネ自身もそうだが、
別段技術を軽んじているわけではない。アイズにしろティオネにしろ、その荒々しい剣技には確かな術理が宿っている。しかしながら、ただの移動……敵に接近するだけの単純な動作には、多くの場合技術が入り込む余地はない。
何故ならその必要がないからだ。第一級冒険者ともなれば、その身に宿す力は殆ど人型のモンスターと言って相違ない。ただ腕を振るうだけで成木を圧し折るし、その踏み込みは大地を震撼させる。特別な技術を用いずとも彼らは純粋に強かった。
故に剣術や槍術、弓術、殴る蹴るなどの体術といった直接的な攻撃力に直結するものには技術を用いる。だが、ただ敵に肉薄するだけの“移動”に技量を費やすことはない。そんなことをせずとも彼らは速いからである。
アイズはその細い体躯で信じられないほど素早く動く。その速さはしなやかな体捌きと、何より大地を蹴りつける強靭な脚力によって支えられている。
蹴り技を主体とするベートなどはもっと荒々しい。アイズをも上回る脚力で大地を踏みしめ、一挙一動が周囲に破壊を齎す。
荒ぶる女戦士、アマゾネスのヒリュテ姉妹は言わずもがな。時にベートなど比較にならぬ暴力性を発揮する彼女らは、ただ「走る」という動作だけで強固なダンジョンの地盤に亀裂を生むだろう。
これが超人たる第一級冒険者の“普通”である。小細工など弄さずとも彼らは強く、速い。故にただ走るだけの単純動作にいちいち工夫を凝らすようなことはしなかった。
すると当然、力任せの移動には大きな影響が付随する。踏み込みは盛大に地面を穿ち、移動には暴風も斯くやという風圧が伴うだろう。
翻って、今のカインの動きはどうだ。Lv.5が目で追えないほど速いのに、砂利が敷き詰められた訓練場の地面には踏み込みの痕跡一つなく、砂埃も殆ど舞っていない。疾風のように駆け抜けた筈なのに、微風程度も周囲に影響を及ぼさなかったのだ。
成された結果と、それに伴って生じた影響の程度がまるで釣り合っていない。ただ力任せに動いただけではこうはならないだろう。そこには何か、余人の想像力では及ばぬ“技”が介在している。恐るべきは、その技術が仮にも第一級冒険者であるアイズやヒリュテ姉妹でさえ想像もつかない高みにあるということだ。
単純なレベル差ではない。もっと根本的な、戦闘者としての武練の差が存在している。
普通の者ならばこの時点で心折れるだろう。少なくとも、アイズの立ち位置を自分に置き換えて想像を働かせた幾人かの団員達は勝機を見出せずにいた。何も反応すらできず背後を取られた時点で既に勝敗は決していると。
だが──そこで折れぬからこその【剣姫】。諦めぬからこそのアイズ・ヴァレンシュタインだ。そもこの程度の苦境で諦めるようなら、アイズは弱冠十六歳という若さでLv.5になどなっていない。敗北必至の状況を幾度も覆してきたからこそ、彼女はたった六年という短期間に四度ものランクアップを実現できたのだから。
そのための手段は、敗北を勝利で塗り替えるための刃は常にアイズの手の中にある。彼女はいつものように、不屈の闘志と飽くなき執念を胸に
「──
カインが刃を引くより早く、僅か一小節からなる超短文詠唱は紡がれる。瞬間、アイズを中心に嵐のような暴風が吹き荒れた。
「うわっ! それ剣に纏わせるだけの魔法じゃないの!?」
即座に《加速》で暴風域から飛び退くカイン。
カインは殆どの団員と共闘した経験がない。それはカインの特異な能力を秘匿するのに一役買っていたが、同時に彼自身も多くの団員の能力を把握できていなかった。
アイズの【エアリエル】も、カインにとっては未知の能力の一つだった。把握しているのはそれが風の魔法であるということと、どうやら剣に風を纏わせる
実際の【エアリエル】はそう単純な魔法ではなかった。
武器に纏えば「攻撃力と攻撃範囲を増した風の刃」に。身体に纏えば「触れれば切れる鎌鼬の鎧」になる。加えてこれ程の汎用性を有しておきながら、発動に伴う
攻防共に隙がなく、特に燃費においては他を圧倒する効率を持つ。およそあらゆる
そんなロキ・ファミリアの団員には周知の事実である知識すら、常日頃地底の血と瘴気に塗れているカインにとっては未知の魔法だ。これは敵ではないからといって情報収集を怠った彼の失態である。意表を突かれ退いたカインは気を引き締め直すと、改めて正面からアイズと対峙した。
(短剣と……左手に持ってるのは、銃……?)
一方、再びカインと正面から向かい合ったアイズは二度目の困惑を覚えていた。彼の得物が想像とは違ったためである。
首筋に触れた感触からそんな気はしていたが、カインが右手に握るのはいつぞやの奇形のメイスではなかった。刃渡り三十
しかし奇形の短剣より気になるのが、カインが左手に握る筒状の機構を具えた武器──銃である。
剣と魔法が幅を利かせるこの世界にも、一応銃は存在している。しかしその実態は銃とは名ばかりの火箭、あるいは
何故ならそんな未発達な銃モドキで礫を撃つより、冒険者が矢や魔法を放った方が何倍も威力が出るからである。
従ってこの世界では、何よりオラリオでは銃などお目に掛かることすら稀である。冒険者からすれば玩具以下の扱いなのだから当然だ。
ならば今カインが持っているものは何だ。アイズが知識で知る銃より遥かに複雑で洗練された機構。もはや銃に似ているだけの別物とさえ言えるアレは、いったいどんな性能をしているのか。よもや伊達や酔狂で実剣使用可の模擬戦に玩具を持ち込むとは考え難いが、果たして。
この世界では完全な
「よし、それじゃあ仕切り直しだ。キミの
浮かべた笑みだけは常と変わらず、だがその瞳に常ならぬ鋭い光を湛えたカインがにこやかにそう告げる。
直後、開戦を告げるように耳を劈く発砲音が炸裂した。